ガソリン補助金、13日から段階的拡充へ 経産省は「普段通りの給油」を呼びかけ、補助金拡充と暫定税率廃止の流れは?

政府はガソリン補助金拡充を発表しています。11月13日以降、暫定税率廃止に向け価格は段階的に下がりますが 、急な値下がりではないため経済産業省は「普段通りの給油」を呼びかけています。なぜ買い控えがNGなのか、その背景と今後のスケジュールを解説します。

ガソリン「いつ給油すべき?」経産省が呼びかけ。補助金拡充と暫定税率廃止のスケジュール

 政府は「ガソリン・軽油の暫定税率廃止に向けた補助金の段階的拡充」を2025年11月13日から実施しています。

 いわゆる暫定税率廃止に向け、価格は段階的に下がっていきます。そうしたなかで経済産業省(経産省)は「一気に下がらない」として、買い控えをしないよう呼びかけています。

 なぜ今「普段通りの給油」が求められるのか、その背景とスケジュールを解説します。

ガソリン「いつ給油すべき?」経産省が呼びかけ。補助金拡充と暫定税率廃止のスケジュール
ガソリン「いつ給油すべき?」経産省が呼びかけ。補助金拡充と暫定税率廃止のスケジュール

 私たちのカーライフに直結するガソリン価格は、常に気になるトピックです。

 経済産業省は2025年11月、公式X(旧Twitter)アカウントを通じて、ガソリン・軽油の補助金を11月中旬から拡充することを投稿しています。

 この投稿では、いわゆる「旧暫定税率」の廃止に向けて、燃料価格が順次値下がりしていく見通しが示されています。

 重要なのは、その呼びかけの内容です。

 経済産業省は「(暫定税率の)廃止日に値下がりしませんので、いつものペースで普段通りの給油をお願いします」と投稿し、消費者に冷静な対応を求めています。

11月中旬~ガソリン・軽油への補助金を拡充(画像: 経済産業省 @meti_NIPPON )
11月中旬~ガソリン・軽油への補助金を拡充(画像: 経済産業省 @meti_NIPPON )

●暫定税率廃止に向けた「段階的」な補助金拡充スケジュール

 今回の措置は、ガソリンと軽油にかかる「当分の間税率(いわゆる暫定税率)」の廃止に伴うものです。

 ガソリンの暫定税率は本年12月31日に 、軽油の暫定税率は令和8年(2026年)4月1日に廃止されることが決定しています 。

 もし補助金がないまま税金だけが突然廃止されると、急激な価格変動が起こり、市場や流通に大きな混乱をもたらす可能性があります。

 これを避けるため、政府は現在実施している燃料油価格の定額引下げ措置(補助金)を、暫定税率とほぼ同水準になるまで「段階的に」拡充する方針です。

 資源エネルギー庁が公表した資料によると、スケジュールは以下の通りです 。

 ガソリン(1Lあたり)は、現行の10円の補助から、11月13日に15円、11月27日に20円、そして12月11日には暫定税率分に相当する25.1円まで、段階的に拡充していきます。

 軽油(1Lあたり)も同様に、現行の10円から11月13日に15円、11月27日には税率分に相当する17.1円へと拡充。

 このように、1回あたりの変動幅を最大5円程度に抑えながら、市場が対応できるよう緩やかに移行する計画です。

ガソリン・軽油の暫定税率廃止に向けた補助金の段階的拡充について(2025年11月資源エネルギー庁燃料流通政策室の資料より)
ガソリン・軽油の暫定税率廃止に向けた補助金の段階的拡充について(2025年11月資源エネルギー庁燃料流通政策室の資料より)

●なぜ「買い控え」はNG? 安定供給への懸念

 では、なぜ経済産業省は「普段通りの給油」を呼びかけるのでしょうか。

 今後、補助金が拡充されるにつれて小売価格の低下が予想されます。そうなると「もっと安くなってから給油しよう」と考える「買い控え」が消費者の間で発生しやすくなります。

 もし多くのドライバーが一斉に給油を控え、補助金が上限に達したタイミング(ガソリンであれば12月11日以降)や、暫定税率が廃止される12月31日直前に給油しようとすると、特定の日にガソリンスタンドへの需要が殺到してしまいます。

 その結果、配送が追い付かず、必要な場所へ燃料が届かないといった供給の混乱や、ガソリンスタンドでの深刻な在庫不足を招くリスクがあります。

 また、注意点として、この補助金は燃料油元売り(卸売業者)に対して支給されるものです。

 そのため、補助金が拡充されたからといって、その日のうちに全国のガソリンスタンドの小売価格が一斉に下がるわけではありません。

 補助金の効果は、仕入れのタイミングなどを経て、徐々に小売価格へ反映されていくとされています。

 こうした背景から、政府は消費者に対して買い控えを防ぐための周知・広報を行うと同時に 、石油元売各社へは安定供給に向けた最大限の努力を 、ガソリンスタンド事業者へは在庫の平準化への協力を要請しています。

災害時のガソリンスタンドの役割「全石連(全国石油商業組合連合会)資料」
災害時のガソリンスタンドの役割「全石連(全国石油商業組合連合会)資料」

●求められる「満タン運動」と災害への備え

 今回の「普段通りの給油」の呼びかけは、経済産業省や全国石油商業組合連合会(全石連)が推進する「満タン&灯油プラス1缶運動」の考え方にも通じます。

 この運動は、東日本大震災や能登半島地震など、過去の災害時にガソリンスタンドでの「パニック・バイ(買い占め)」によって深刻な混乱が発生した教訓から、2017年度より全国で展開されています。

 具体的には、燃料メーターが半分程度になったらこまめに満タンにすることを推奨しています。

 日頃から車を満タンにしておく「自衛的備蓄」を心がけることは、いざという災害時にパニック・バイを防ぐだけでなく 、クルマをプライバシーが確保された一時避難場所として使えたり 、スマートフォンを充電したり 、ラジオで情報を得たり といった多くのメリットがあります。

 ガソリン価格はこれから段階的に下がっていく見込みですが 、特定の日に殺到して混乱を招かないよう、日頃から「こまめな給油」を実践することが、安定供給の維持と、ご自身の「もしもの備え」につながると言えそうです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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