ホンダの「“6人乗り”ミニバン」に注目! 全長4.6mの「イイ感じのサイズ」×ガバッと開く“大口ドア”採用! 「2+2+2」のレイアウトが斬新だった「スカイデッキ」とは?
「2+2+2」の6人乗りレイアウトのMPV(ミニバン)としてホンダが「東京モーターショー2009」に出展した「スカイデッキ」とはどのようなこのコンセプトカーだったのでしょうか。
「2+2+2」のレイアウトが斬新だった
2025年10月29日から11月9日まで開催された「ジャパンモビリティショー2025」は、101万人もの来場者を達成するなど、盛況のうちに幕を閉じました。
そしてジャパンモビリティショーの前身である「東京モーターショー」では、2009年にホンダが「スカイデッキ」というコンセプトカーを披露し、注目を集めました。どのような特徴があったのでしょうか。

スカイデッキは全長4620mm×全幅1750mm×全高1500mmというボディサイズに、ホンダ独自のハイブリッドシステム「IMA」を搭載した6人乗りの「ハイブリッドMPV(ミニバン)」コンセプトカー。
特筆すべきはバッテリーをセンターコンソール内に収めるという独特なレイアウトで、これにより低床・低重心化と広々とした室内空間の両立に成功しています。
エクステリアは、フロントのシザードアとリアのスライドドアを組み合わせた独創的なドア構造を採用。さらに、フロントから後席までを貫く広大なガラスルーフが、キャビン全体に圧倒的な開放感をもたらしています。
車内は2人掛けシートを3列に配した6人乗りのレイアウトとし、薄型で軽量なスポーツシートを備え、2列目は前席下へスライド格納、3列目は床下へダイブダウンさせることで、優れたユーティリティ性能を発揮しました。
そのミニマルかつ未来的なデザインは、当時のMPVとしては極めて異例の構成だったと言えます。
しかし、スカイデッキがそのまま市販化されることはなく、あくまでデザインスタディの域を出ることはありませんでした。
というのも、複雑なドア構造や巨大なガラスルーフを実現するためのコストや安全性、量産性の課題に加え、2009年以降の世界市場がMPVからSUVへと急速にシフトし、ホンダ自身も「CR-V」や「ヴェゼル」などのSUV強化へ舵を切ったという背景も。
とはいえ、このクルマが提示した「低全高でスタイリッシュなハイブリッドMPV」というコンセプトは、無駄になったわけではありません。
後に登場した「ジェイド」に見られる全高1530mm台の3列6人乗りパッケージや、「フリード」における空間効率の追求などに、そのDNAは確実に継承されました。
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結果としてスカイデッキは幻のモデルとなりましたが、その大胆なドア構造や低く構えたスタイリングは、今なお多くのファンの記憶に刻まれています。
実用一辺倒になりがちなミニバンというジャンルに対し、「スタイルと走りの楽しさ」を本気で提案した、いかにも当時のホンダらしい意欲作だったと言えるでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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