“信号の常識”を覆す!? 矢印信号「←↑→」なぜ存在?「青」とは何が違う? ついつい迷っちゃう「“全方向”矢印信号」で注意すべきポイントとは!

青色の矢印が「←↑→」と全方向に点灯する信号機が、SNSで話題となりました。一体なぜ「青信号」にせず、わざわざ矢印を表示しているのでしょうか。

信号の常識を覆す「全方向矢印」の真意とは?

 2025年11月、信号機が「赤」を表示しているにもかかわらず、同時に青色の矢印が「←↑→」(左、直進、右)と全方向に点灯する写真が、SNSで話題となりました。

 実際、このような場面に遭遇すると、「なぜわざわざ青信号にしないのか」と疑問を感じるドライバーは少なくありません。

 しかし、この一見矛盾した表示の裏には、警察当局の緻密な交通工学的な狙いと、渋滞・事故を根本的に減らすための深い意図が隠されていると言います。

信号の常識を覆す「全方向矢印」の真意とは?
信号の常識を覆す「全方向矢印」の真意とは?

 結論から言えば、赤信号と全方向矢印が同時に点灯している状況は、通常の青信号よりも、むしろスムーズで安全な通行をドライバーに約束しています。

 なぜなら、この「赤信号+全矢印」の状態では、反対車線の信号がすべて「赤」になっているからです。

 このような運用がなされる背景には、交差点が特殊な形状をしている場合や、特定の方向への交通量が極端に偏っている場合が多くあります。

 そしてこうした交差点を通常の信号表示にした場合、構造的に運転しにくく、特に右折時の対向車との衝突、いわゆる「右直事故」が多発しやすい危険な場所となりえるのです。

 信号機メーカーOBの話によると、この全方向矢印は、時差式信号の発展形として運用されることが多いとされています。

 よく見かける「右折矢印信号」は、「対向の直進車が来ず、右折先の横断歩道も閉鎖されているため、安心して右折して良い」という明確なメッセージで、これを全方向に拡大したのが「赤信号+全矢印」です。

 もし、この状況で信号を単純に青信号にしてしまうと、ドライバーは「対向車も青信号で直進してくるのではないか」と心理的に身構えてしまい、右折車が対向車を怖がってなかなか前に進めず、結果的に限られた時間内に右折できる車両数が減ってしまいます。

 これでは、せっかく一方を優先的に進行可能にしても、その意味が薄れてしまうのです。

 そこで、「赤信号+全矢印」にすることで、「赤信号なので対向車は絶対に停車しています。対向車を恐れる必要はありません。安心して、そして速やかに右折(および直進・左折)しなさい」という強いメッセージをドライバーに伝え、交通の流れを停滞させることなく、安心して優先的に交差点をクリアさせる狙いがあるのです。

 これによって、ドライバーは対向車の停止を待たずにスムーズに走行でき、心理的な不安が解消されるとともに、右折時の事故リスクも大幅に減少します。

 ちなみに、かつては右折の青色矢印が点灯している際の「Uターン」が一部地域で制限されていましたが、2012年4月の道路交通法改正により、標識などで禁止されていない限り、右矢印が出ているときはUターンが可能となりました。

 これも、右折車線での待機時間を減らし、渋滞緩和に貢献する措置です。

 ただし、矢印信号の運用ルールは、警察庁交通局の指針があるものの、都道府県や交差点の特性によって異なる場合があります。

 そのため、いったん赤信号になってから矢印が点灯する場合や、黄色信号の時点で矢印が点灯する場合など、地域によってバラつきがあるのが現状。

 これは、事故防止のための対策とはいえ、不慣れなドライバーにとっては不安要素となるため、全国的な信号や表示の運用統一が今後の課題として求められるでしょう。

 また、余談ですが、矢印信号には「黄色」も存在します。これは路面電車専用の信号であり、自動車や歩行者は進むことができません。

 主に北海道、広島、長崎、東京の都電荒川線沿線などで見られますが、もしこれを無視して路面電車の通行を妨げた場合、違反点数1点と反則金4000円が課せられる可能性があるため、信号の色には細心の注意を払うべきです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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