日産の斬新「四駆スポーツカー」がスゴイ! 流麗ボディに“大型ウイング&大径タイヤ”装備の「1人乗り」仕様! まさかの“屋根なし”で開放感もイイ! SUVじゃない謎の「アリア」とは?
日産「アリア」といえば電動パワーユニットを搭載したSUVですが、かつてアリアのパワーユニットと四輪駆動システム「e-4ORCE」をレーシングカーのシャシに組み合わせたスポーツカーを披露していました。一体どのようなモデルなのでしょうか。
まさかのSUVじゃない! 屋根なし×1人乗りの斬新モデル
2025年10月29日(一般公開日は31日)から11月9日まで開催された「ジャパンモビリティショー2025」で、日産はマイナーチェンジを受けた「アリア」を出展しました。
2022年にフラッグシップEVとしてデビューした同車ですが、実は過去にアリアのパワートレインを搭載したシングルシーターのレーシングカーが存在していたことをご存じでしょうか。

そのレーシングカーは、日産が2021年12月に開催した「NISSAN FUTURES」で発表した「アリア・シングルシーター・コンセプト」です。
当時、2022年に発売されるアリアのパワートレイン性能をアピールするために開発されたコンセプトモデルで、アリアに搭載されるパワートレインや革新的な四輪駆動システム「e-4ORCE」をレーシングカー用シャシに組み合わせた構成が大きな特徴です。
シートレイアウトは1人乗りのシングルシーター仕様で、屋根のないオープンボディを採用。
エクステリアにはレーシングカーさながらの大型リアウイングと大径タイヤが装備され、走りのポテンシャルと空力性能を強調しています。
これにより、電動パワーユニットの持つレスポンスや制御精度を、よりダイレクトに体感できるモデルとなっています。
当時、日産はこのモデルについて「未来の電動車両がパフォーマンスを追求した場合、どのようなスタイリングになるかを探る試み」と説明しており、「未来のEVレーシングカーの一例」を提示するものでした。
クロスオーバーSUVタイプのアリアとは外観が大きく異なりますが、実は随所にアリアのデザインエッセンスが取り入れられています。
たとえば、フロントのV字型ライトはアリアを象徴するフロントデザインを表現したもの。
また、カーボンファイバー製のサイドデザインも、アリアの流動的で無駄のない造形を意識して仕上げられています。
シートレイアウトは1人乗りとなっており、屋根のないオープンボディとなっています。
パワートレインに関しては「EVモデル・アリアのパワートレインを搭載している」という情報のみが公開され、最高出力などの詳細なスペックは明らかにされませんでした。
その後、同モデルに関する新たな動きは見られませんが、「市販車をさらに進化させていく日産ならではの挑戦」として、日産のEV開発に少なからず影響を与えたことは間違いないでしょう。
ちなみに、ジャパンモビリティショー2025に登場した新たなアリアは、フロントデザインを中心に大幅な変更を実施。
ブラックパネルの廃止や、新デザインのデイタイムランニングライトの採用などにより、より洗練された印象に仕上がっています。
また、V2L機能を新たに搭載し、AC100V・1500Wの出力に対応。さらにサスペンションのチューニングも施され、従来モデルで指摘されていた「乗り心地の硬さ」が改善された点も注目ポイントです。
マイナーチェンジによってさらなる進化を遂げたアリアですが、このタイミングでアリア・シングルシーター・コンセプトのバージョンアップモデルが登場することにも期待したいところです。
2021年の初公開から4年が経過した今、日産が描く「未来のEVレーシングカー」がどのような姿に進化しているのか。ぜひその姿を見てみたいものです。
Writer: 大西トタン@dcp
(株)デジタル・コンテンツ・パブリッシング所属の編集者・ライター。幼少期に父親と一緒に灯油でエンジンのプラグを磨いたのをきっかけに車好きになる。学生時代はレーサーを目指しカートに挑むも挫折。現在は磨いた腕と知識を武器に自動車関係の記事をメインに執筆。趣味は週末に愛車フリードでのグルメ自販機巡り。




























