“10年ぶり復活”な日産“新型”「テラノ後継機」登場!? まさかの5.6リッター「V8」&斬新「段付きルーフ」採用! 2028年登場の新型「エクステラ」に近いと話題のプロジェクトX米国に現る

2025年11月4日より開幕した世界最大級のアフターマーケット見本市「SEMAショー2025」にて登場した、2015年に生産を終了したはずの日産のオフロードSUV「エクステラ」の“新型モデル”のような一台が話題です。いったいどのようなクルマなのでしょうか。

10年ぶり復活!? 新型テラノ後継機!?

 2025年11月4日より開幕した世界最大級のアフターマーケット見本市「SEMAショー2025」にて登場した、2015年に生産を終了したはずの日産のオフロードSUV「エクステラ」の“新型モデル”のような一台が話題です。

え? 新型テラノ!?
え? 新型テラノ!?

 SEMAショーはアメリカの業界団体「SEMA(Specialty Equipment Market Association、米国自動車用品工業会)」が1967年より年一回開催している見本市です。

「アフターマーケット」のための展示会となっており、クルマのカスタムやチューニングパーツだけでなく、タイヤやホイール、塗装、リペア用品、カーケア用品、カーラッピング、電装品、工具、整備用品など、さまざまな会社・ブランドが自社の製品を発表する絶好の機会となっています。

 また、展示されるカスタムカーの傾向も当初はホットロッドやオフロード、ピックアップトラックが中心でしたが、ここ十数年は日本車人気の煽りを受け、スポコンやドリフト系に関連する展示も目立ってきている状況で、その市場規模は全体で476億ドルに達します。

 用品メーカーだけでなく、自動車メーカーによる展示も醍醐味のひとつです。メーカーが著名チューナーとタッグを組んだり、自社の開発部門やモータースポーツ部門が自由の発想で作り上げたド派手なカスタムやチューニングは、他の展示会では見られない存在となります。今年はトヨタ、ホンダ、日産(インフィニティ)、ヒョンデ、フォードといった自動車メーカーが出展し、各々がアピールしたい方向性を、カスタムカーを通して打ち出しました。

 近年は日本車人気がますます過熱しており、かつては「アメリカ車のイベント」という印象の強かったSEMAショーも今では日本車が立派なマジョリティです。2025年のSEMAショーに登場した数あるカスタムカーの中でも注目を集めているのが、1台のエクステラです。

 日産「エクステラ」は1999年に登場した、北米では「フロンティア」の名前で販売されていた「D22型」ピックアップトラックをベースとしたオフロードSUV。「テラノ/パスファインダー」の後継的立ち位置のモデルです。

 フロンティア譲りの硬派なオフロード性能にSUVの実用性を兼ね備えたエクステラは密かな人気を誇り、多い時には年間8万台前後を販売するほどのモデルとなりました。

 2005年にはその前年に登場した「D40型」の2代目フロンティアをベースとする2代目モデルが登場、新たにVQ40DE型4.0リッターV型6気筒エンジンを搭載するなどして内外ともに刷新されました。

 その後、2015年には安全基準や排ガス規制への適合、そして高燃費に起因する販売低迷を理由に終売し、その16年の歴史に幕を下ろしました。

 ベースとしていたフロンティアは2022年にフルモデルチェンジして「D41型」に移行しましたが、一方でエクステラは終売したままです。

 日産はピックアップトラックをベースとしたSUVを長らく北米で販売していない中、エクステラを今でもこよなく愛する熱狂的な愛好家がとある1台の現代版エクステラのような「エクステラ プロジェクトX」を製作しました。

 SEMAショー2025でお披露目されたエクステラ プロジェクトXは、「もしも現代にエクステラが蘇ったら」をコンセプトに製作された1台です。プロジェクトを立ち上げたのはアメリカ・アリゾナ州のディーラー「アボンデール・ニッサン」の従業員であり、なおかつ日産車に関する情報を発信するインフルエンサーでもあるニック・レイモンド・シャー氏です。

 日産のディーラーマンとして働く合間に約11か月の歳月を費やして完成させたと言います。

 ベースとなっているのはエクステラの2代目モデルですが、内外装やエンジンをアップデートさせただけでなく、NISMO純正のオフロード装備や強化品の足回りを搭載している点がユニークです。

 まずエンジンに関してはフロンティアに搭載されているVQ38DD型3.8リッターV型6気筒エンジンではなく、フロンティアよりひと回り大きい「タイタン」のVK56VD型5.6リッターV型8気筒エンジンに換装されています。

 単に載せ替えるだけでなく、CSW製ラジエーターやZ1製クラッチキット/フライホイールを用いることで、より優れたパフォーマンスを追求したスペックとなっています。

 エクステリアには2022年以降のフロンティアのフロントマスクを丸ごと移植し、通常よりもシャープな顔つきを実現しました。ドアやリアゲートはワンオフで製作、さらにはロックスライダーや拡張バンパー、シュノーケルといった社外品のオフロード装備を搭載することで唯一無二の存在感を演出しています。これに加え、ホイールにはNISMOがオプション装備として販売するブロンズカラーのオフロード用ホイールを採用しています。

 インテリアもエクステリア同様、シートやダッシュボード、センターコンソール、インフォテインメント機能、サイドブレーキ周りをすべて2022年以降のフロンティアから移植しています。

 フロンティアの純正カラー「シトラス・ストライク」を外装色だけでなく、シートベルトやシート、内装パネルにも差し色として用いており、近未来的な印象も感じさせます。

 オフロードを走るには足回りも重要ですが、プロジェクトXではその点でも抜かりはありません。タイタンの純正アクスルやロワアーム、そして社外品の車高調を使うことで、より大型の車種であるタイタン譲りの揺るぎないオフロード性能を獲得しています。

 単に見た目だけの製作ではない点に、プロジェクトを主導したニック氏の情熱を感じさせます。

 エクステラ プロジェクトXは1台限りのビルドで市販は予定されていませんが、一方で日産は経営改善計画の一環として、2028年にエクステラをハイブリッドのオフロードSUVとして復活させることを予告しています。

 プロジェクトXとはパワートレインは異なるものの、もしも本当に復活した場合は内外装がかなり近いかもしれないということで、ファンの間ではプロジェクトXが大きな話題となっています。

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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