トヨタ「ちいさいランドクルーザーFJ」価格は370万円から!?「カローラクロス」よりちょっと大きい“絶妙サイズ”にラダーフレーム&2.7Lエンジン搭載! 26年発売の「新型本格四駆」初公開!

 ランクルFJに搭載されるエンジンは2.7リッター直列4気筒ガソリンで、最高出力は163馬力(5200回転)、最大トルクは25.1kg-m(3900回転)を発揮。トランスミッションは6速ATで、ランクル250にも採用される組み合わせです。パワフルではありませんが、ランクルFJのコンパクトなボディなら、特にパワー不足は感じないでしょう。

 サスペンションは、前輪がダブルウイッシュボーンの独立式、後輪は4リンクの車軸式です。これもSUVではオーソドックスなメカニズムですが、信頼性も高いです。

 ランクルFJは、前述の通りハイラックスチャンプと共通のラダーフレームを使うため、後輪駆動をベースにした4WDシステムを備える悪路向けのSUVになります。ボディはコンパクトでも、乗用車系のプラットフォームを使うカローラクロスや「ヤリスクロス」とは、クルマの造りが根本的に異なります。

トヨタ「ランドクルーザーFJ」
トヨタ「ランドクルーザーFJ」

 そしてランクルFJのメカニズムで注意すべきは、4WDがパートタイム式になることです。今の大半の4WDは、カーブを曲がる時に前後輪の回転数を調節できるセンターデフや多板クラッチを備えるため、乾燥した舗装路を含めて常に4輪を駆動できるフルタイム4WDになります。しかしランクルFJには、センターデフや多板クラッチが装着されていません。

 従って乾燥した舗装路を4WDで走ると、急なカーブを曲がったり車庫入れをする時に、ブレーキが作動したような状態に陥ります。舗装路は後輪駆動の2WDで走り、4WDを使えるのはスリップが生じる雪道や悪路に限られるため、舗装路だけを走ると4WDのメリットも生かせません。

 パートタイム式には、このような注意点があるため、搭載車種も少ないです。国産乗用SUVでは、ランドクルーザー70のほか、スズキの本格四駆「ジムニー/ジムニーシエラ/ジムニーノマド」だけです。

 そしてセンターデフや多板クラッチを介さない直結式4WDは、悪路の走破では有利です。ランクルFJには、後輪側のデファレンシャルギアをロックする機能も採用され、一般的なSUVとは異なる悪路走行に特化した性格となっています。

 ランクルFJの発売時期については販売店に問い合わせたところ「不明です」との回答でしたが、筆者(カーライフジャーナリスト 渡辺陽一郎)が調べたところでは、2026年の5月から7月頃になりそうです。

 価格も未定ですが、370万円から420万円と予想されます。その理由は2つあります。

 まずランクルFJは、SUVでは製造コストを安く抑えられることです。ランクルFJが搭載する2.7リッター直列4気筒エンジンは、約20年前から使われています。6速ATの設計も古く、開発費用の償却も進んでいます。

 4WDもシンプルなパートタイム式ですから、コストを低減できる要素が多くそろっています。生産はタイの工場が行いますが、輸送コストはさほど高くありません。

 2つ目の理由は、トヨタのSUVラインナップにおけるヒエラルキーです。ランドクルーザー70は、2.7リッター直列4気筒クリーンディーゼルターボを搭載して、価格が480万円ですから、ランクルFJは少なくとも60万円くらいは安く抑えなければバランスが取れません。そうなるとランクルFJの価格上限は、420万円と予想されます。

 またランクルFJのボディサイズは、前述の通りカローラクロスよりも少し大きい程度です。今のカローラクロスは1.8リッター直列4気筒エンジンを使ったハイブリッドを中心に搭載しており、上級グレードの「Z・E-Four(4WD)」は価格が368万9000円です。そこでランクルFJでは、370万円~420万円という価格帯の可能性が高くなるのです。

 さらに370万円~420万円の価格帯には、2リッター直列4気筒ガソリンエンジンを搭載したベーシックな「ハリアーG・2WD」(371万300円)や上級の「Z・2WD」(418万円)もあります。

 この価格帯は、他社も含めてSUVが豊富に用意されており、ランクルFJもこの価格帯に合わせると、幅広い車種からの乗り替えが容易になるでしょう。

※ ※ ※

 現在、ランドクルーザーシリーズは、多くの販売会社において、全車が受注を停止しています。一部は定額制カーリースのKINTOで利用できますが、契約期間が満了すれば車両を必ず返却するので購入とは異なります。

 ランクルFJは、今までのランドクルーザーシリーズと違って需要予測を正確に行い、納期の大幅な遅延や受注の停止、それに伴う転売や中古車価格の高騰を生じさせないよう配慮すべきです。

 ランクルFJは、トヨタのSUV市場に対する姿勢が問われる新型車でもあるのです。

【画像】超カッコいい! これが新型「ちいさいランクルFJ」です!(30枚以上)

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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