なぜ?「小銭」狙いでランクル250のガラス破壊。被害3千円、修理40万円… 何があったのか?
コインケースの小銭でも、目に見える場所にはおかないで!
日本人の感覚だと「コインケースのコインだけを盗む目的でガラスを割って侵入する」ことはあまり考えにくい行動です。
ガラスを割るのは労力も必要で、セキュリティが発動する可能性もあります。
大音量のアラームが鳴ったり、スマホでオーナーに通知が行ったりする可能性もあるでしょう。
たとえ、小銭であってもガラスを割って盗むことはかなりのリスクもあるので犯人は日本人ではない可能性も高いと考えられます。
2024年は中古車店や空港駐車場などからの大量窃盗が相次ぎましたが、実行犯のほとんどはベトナムやカンボジアなどの国から来た人たちでした。
盗みの手口は乱暴で、ガラスを割って事務所からカギを盗みだしたり、クルマのドアをこじ開けたり、ガラスを割ったりして盗む例も多くありました。
Rさんに被害状況を改めて詳しく聞いたところ以下の回答をいただきました。
「リアドアとクォーターガラスの隙間にもバールかなにか硬い先の鋭利な金属を何回もガシガシ差し込んだ形跡がありました。
リアドアのサッシの内外が傷だらけになって、変形もしているためにリアドアの交換も必要です。
もちろん、粉々にガラスが落ちているリアクォーターから車内に侵入されたため、クォーターパネルやオーバーフェンダーも傷だらけで、塗装とパテも必要です。
リアクォーターから入って助手席まで移動してお金をぬすんでいるため、センターコンソール近辺も表面が傷ついているために交換が必要となります。
また、助手席ドアもリアドアと色味合わせるためにぼかし塗装なども必要になります」

なお、不思議なことにRさんのランクルには、盗まれた現金約3000円よりはるかに価値のあるものもありましたが盗まれてはいませんでした。
現金だけが目当てだったのか、盗もうと思えばすぐに盗んでいけるモノでしたが、価値を分かっていなかったのかもしれません。
今回のRさんの被害のように盗まれたのは3000円だけでも、修理代には数十万円かかることは珍しくありません。
車両保険に入っていたことで保険を適用して修理するとのことですが、車両保険を使うことで(完全な被害者であっても)等級は1段階下がり、保険料も少し上がることになります。
これまで筆者が取材した中では、盗難されたクルマが発見されたものの、ドラレコの配線がちぎられていたことで約100万円の修理代がかかった例もあります。
また、盗めなかった腹いせで車内に消火器を巻いて逃走した例も。消火器の粉末は非常に細かく完全に復旧できないこともあります。
車上荒らしのターゲットにならないよう、目に見える場所にたとえ少額でも現金を置くのは控えたほうがよいでしょう。
現金や部品、用品狙いであれば、ランドクルーザーやアルファードなど盗まれやすいクルマかどうかは関係ありません。
高額なナビやオーディオが盗まれる例も増えています。意外なところではナンバープレートも数多く盗まれています。できるだけの対策をして車上荒らしに備えてください。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。










































