16年ぶり全面刷新! 日産「新型エルグランド」世界初公開! 全長“5m級”ボディ&1.5L「直3」搭載の元祖「キングオブミニバン」4代目どんなクルマ?
日産は2025年10月29日、JAPAN MOBILITY SHOW 2025(ジャパンモビリティショー2025)」にて、16年ぶりの全面刷新をとげる新型「エルグランド」を世界初公開しました。どのようなモデルとなっているのでしょうか。
2026年夏に発売予定の新型Lサイズミニバン「エルグランド」
日産が新型「エルグランド」を「ジャパンモビリティショー2025」にて公開しました。2026年夏の発売を予告している新型モデルです。

エルグランドは1997年に初代モデルが誕生し、日本における高級ミニバン市場を開拓してきました。ところが、15年前となる2010年に現行・3代目モデルの後が、なかなか登場せず、いつの間にか国内の高級ミニバン市場の主役は、すっかりトヨタの「アルファード/ヴェルファイア」兄弟に奪われてしまいました。その主役の座を取り戻すべく、期待されているのが4代目の新型エルグランドです。
ちなみに、2023年開催の「ジャパンモビリティショー2023」において日産は、EVミニバンコンセプトの「ハイパーツアラー」を発表しました。ハイパーツアラーのデザインは、非常に斬新なものでありましたが、今回発表されたエルグランドと見比べてみれば、フォルムなどが引き継がれていることがわかります。
最初に斬新なものを出して市場の目を慣らさせ、次に、よりマイルドにした量産モデルを見せるという手法なのではないでしょうか。
小見出し:ライバルへの対策としての全高アップ
では、新型エルグランドは、どのようなクルマなのでしょうか。「ジャパンモビリティショー2025」の会場で開発担当者に話を聞くことができました。
「現在の国内プレミアムミニバン市場に新型車を出すのに、サイズ感は重要です。特に高さです。存在感を重要視しました」と言います。実のところ、先代の3代目「ルグランドは、室内の広さはそのままに全高を抑えて、低重心の走りの良さをアピールしていました。
ボディサイズは、全長4995mm×全幅1895mm×全高1975mm(数値は日産測定値)その低い全高という先代の特徴からの路線変更となります。
新型エルグランドのデザインは「The private MAGLEV(日本語名:リニアモーターカー)」をコンセプトとし、「非日常の旅に出かける高揚感や期待感を感じさせる特別なデザインを実現しました」と説明されています。
フォルムとしては、2023年のハイパーツアラーと同様に、全高が高く、後端の四隅が張り出しています。威風堂々としつつも疾走感を感じられるデザインと言えるでしょう。
小見出し:走りの良さというDNAを継承
全高を高めたことで、新型エルグランドは走りに妥協したのでしょうか。それに対して、開発担当者は明確にNOと答えます。
「低重心だった先代の走り良さというエルグランドのDNAは、しっかりと引き継いでいます。クルマのコンセプトとしては、リミットレスグランドツアラーです。どこまでも走り続けてたくなるようなクルマ。長距離を走っても疲れないことを目指しています」というのです。
聞けば、プラットフォームは新規に開発しており、走行シーンに応じて4輪のダンパーの減衰力を変化させるサスペンションが採用されているとか。
1.5リッター直列3気筒の発電用エンジンを使うシリーズハイブリッド「e-POWER」は、モーター/発電機/インバーター/減速機/増速機を一体化した「5-in-1」という新世代ユニットを採用。駆動方式は後輪をモーター駆動する電動4WDの「e-4ORCE」を全グレードで採用するそうです。
前後モーターの駆動トルクを細かく調整することで、走行時の揺れを抑え、気持ちの良いコーナーリングを実現するとか。
新しいプラットフォームにパワートレイン、駆動方式の3つで、走りのDNAを継承するというわけです。
小見出し:ハンズオフの「プロパイロット2.0」だけじゃない
また、日産の誇る先進運転支援機能「プロパイロット2.0」と「プロパイロット」も当然のように新型エルグランドでは採用されます。従来モデルよりも、ハンズオフ走行可能な領域が拡大されているのが特徴です。
さらに開発担当者によると「まだまだ言えない、新たな機能も用意されています。期待してください」とか。
2026年の夏までに、少しずつ情報が公開されるようです。新型エルグランドが気になる人は、今後の日産の発表を聞き逃さないようにしないといけないようですね。
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。





























































