トヨタがド派手ウイングの「爆速SUV」を世界初公開! 車高落とした「すごいbZコンセプト」展示、米国SEMAショーで

2025年10月31日(現地時間)にトヨタの米国法人(Toyota Motor Sales, U.S.A、「2025 SEMAショー」に「bZタイムアタックコンセプト」を世界初公開しました。

トヨタ、初の「全電動」タイムアタックマシン発表! 「bZ」ベースのモンスターマシンをSEMA2025で公開

 トヨタの米国法人(Toyota Motor Sales, U.S.A)は2025年10月31日(現地時間)、米国ラスベガスで開幕した「2025 SEMAショー」にて、同社初となるバッテリーEV(BEV)のコンセプトカー「bZタイムアタックコンセプト」を世界初公開しました。

 市販のBEV「bZ」をベースに、タイムアタックやヒルクライム競技を見据えた本格的なレーシングマシンです。

すげぇーウイング! 「bZタイムアタックコンセプト」を世界初公開
すげぇーウイング! 「bZタイムアタックコンセプト」を世界初公開

 このコンセプトカーは、トヨタのBEV技術がモータースポーツの領域でどれほどの可能性を秘めているかを探るために開発されました。空力性能の追求、モータースポーツグレードの足回り、そして大幅に強化されたパワーユニットが特徴です。

 このマシンは、その名の通りタイムアタックサーキットやヒルクライムといった、純粋な速さを競うモータースポーツでの使用を想定して設計されています。

 市販車をベースとしながらも、競技専用のエアロダイナミクス、モータースポーツグレードのサスペンション、そして大幅に引き上げられたモーター出力を備え、トヨタのBEVプラットフォームが持つ性能の潜在能力を実証するモデル。

 このコンセプトカーの基盤となっているのは、2026年モデルとしてラインナップされるAWD(全輪駆動)の「bZ」です。この市販モデルは、そのままでも338馬力を発生し、0-60mph(約0-96km/h)加速をわずか4.9秒という高い運動性能を持っています。

 米国市場でトヨタは今後、航続距離、パワー、充電能力を向上させた新型bZモデルの投入や、2026年に「bZ Woodland」および「C-HR」という2台の新型BEVを導入するなど、全電動ラインナップの拡大を計画しており、今回のコンセプトカーはそうした電動化へのコミットメントを象徴するものでもあります。

 開発を担当したのは、トヨタのモータースポーツ・テクニカル・センターでリードビルダーを務めるマーティ・シュワルター氏率いるトヨタ・モータースポーツ・ガレージ・チームです。

 シュワルター氏は、bZタイムアタックコンセプトについて次のように話しています。

「今年のSEMAでは、未知の領域に足を踏み入れたかったのです。

 目的は単なる展示車を作ることではありませんでした。新しいbZプラットフォームが、モータースポーツの環境でどこまで通用するのかを確かめたかったのです。

 そのためには、EVの競技車両が直面する2つの大きな障壁、つまりバッテリー性能と空力統合という問題に正面から取り組む必要がありました」

 この難題を解決するため、開発チームはトヨタR&D、TRD、そして先進的なサプライヤーと連携し、ハイブリッドな製造アプローチを採用しました。

 レーザースキャンで車両をデジタルデータ化し、CAD(コンピューター支援設計)で開発を進め、大規模な3Dプリンティング技術を駆使してパーツを製作。

 例えば、大きく張り出したフェンダーアーチは、デジタルでモデリングされた後、フルスケールで3Dプリントされ、その後、強度と精度を確保するために手作業で仕上げられました。

 このプロセスで鍵となったのが、ケンタッキー州ジョージタウンにあるトヨタの「アド・ラボ(Add Lab)」です。

 この施設の高度なラピッドプロトタイピング(高速試作)能力により、ワンオフのワイドボディやエアロシステムの迅速な設計変更と製作が可能となり、開発時間は劇的に短縮されました。

 こうした先進的な製造プロセスを経て完成した「bZタイムアタックコンセプト」は、市販モデルから車高を6インチ(約15cm)もローダウンさせ、トレッド(左右の車輪間の距離)も同様に6インチ(約15cm)拡幅するという、劇的な変貌を遂げています。

 外観は、巨大なリアウィング、サイドスカート、フロントスプリッター、リアディフューザーといったエアロパーツで武装。これらが一体となり、強烈なダウンフォース(空気が車体を路面に押さえつける力)を生み出します。

 心臓部であるモーターは、トヨタR&Dによってチューニングされ、専用のECUキャリブレーションにより300kW(400馬力以上)の最高出力を発生します。

 足回りにはTEIN製のコイルオーバーとスプリングが採用され、ブレーキシステムはトヨタの86カップやカローラTCといったレースプログラムからフィードバックを受けたアルコン製システムとホーク製パッドで強化されています。

 室内にはFIA(国際自動車連盟)仕様の4130クロモリ鋼製ロールケージが張り巡げられてシャシー剛性を高め、ドライバーをOMP製のHTE-RレーシングシートとOMP製ハーネスが固定します。

 足元にはBBS Unlimited製の19インチホイール(19x11J)が装着され、305/30ZR19という極太のコンチネンタル製Extreme Contact Sport 02タイヤが、強力なエアロダイナミクスと共に強大なメカニカルグリップを確保。

 この車両は、トヨタが従来の手法にとらわれず、新しい製造方法を積極的に実験していることの証しでもあります。

 パール・メタリックホワイト、メタリックブラック、レッドの3色で塗り分けられたカスタムボディは、3Dプリンティングのような積層造形技術と、伝統的なレースカーの職人技が融合した成果です。

 トヨタにとって、「bZタイムアタックコンセプト」は単なるコンセプトカーではなく、次世代のEVモータースポーツ開発を担う「走るテストモデル」なのです。

 トヨタ・マーケティングのグループ・バイスプレジデントであるマイク・トリップ氏は、「bZタイムアタックコンセプトは、トヨタの全電動車をモータースポーツの現実に変えるという、これまで以上に大きな挑戦でした。このマシンは、人目を引くビジュアルコンセプトであるだけでなく、パフォーマンスにおいても真剣な競争力を持つ一台です」とコメント。

※ ※ ※

 今回のbZタイムアタックコンセプトは、2025年11月4日から7日まで開催されるSEMAショーのトヨタブースで展示されます。

 今年のトヨタブースのテーマは「Powered by Possibility(可能性を力に)」。ガソリンエンジン車(ICE)、BEV、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、そして燃料電池車(FCEV)まで、あらゆるパワートレインを搭載するモデルの展示が行われます。

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Writer: くるまのニュース編集部

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