新車98万円の「3人乗りトライク」実車公開! 「普通免許」で公道も走れる全長2.2m「丸目2灯顔マシン」が凄い! 高齢者にもちょうどいいEVジェネシス「スリールオータ」JMSで展示

EVジェネシスは、「ジャパンモビリティショー2025」で3輪EVモビリティ「スリールオータ」を展示しました。

信頼性の高い「3輪トライク」

 EV(電気自動車)モビリティの企画を行うEVジェネシス(東京都渋谷区)は2025年10月29日に開幕した「ジャパンモビリティショー2025」で3輪EVモビリティ「3RUOTA(スリールオータ)」を展示しました。

 どのようなクルマなのでしょうか。

EVジェネシス「3RUOTA(スリールオータ)」[ジャパンモビリティショー2025]
EVジェネシス「3RUOTA(スリールオータ)」[ジャパンモビリティショー2025]

 スリールオータは2024年に実証実験を開始したEV(電気自動車)の3輪車です。EVジェネシスによると「日常の移動手段としても災害時の“電力支援車”としても活躍する3輪電動モビリティ」といいます。

 車体は海外製の3輪モビリティをベースにしていますが、パワートレイン系は独自のものを搭載。

 バッテリーは通常のベーシックな鉛バッテリーに加え、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーも採用。EU規格の国際認証を取得し、高い安全性を確保しているほか、低温環境下でも安定した充放電性能を実現。

 さらに、75Ahの走行用バッテリーに加え、車両に90Ahの「電配用バッテリー」を搭載することで、車両に備わるソーラーパネルで充電した電力を貯め、災害時に被災地に電力を届けることも可能になっています。

 走行用バッテリーは航続距離150kmを達成し、電配用バッテリーはスマートフォン約600台分の電力を確保可能。また、車両には最大で電配用バッテリーを3台搭載することができます。

 ソーラーパネルはパートナー企業のPXP(相模原市中央区)が開発した「曲がる太陽電池」を採用。軽量かつ1mmの極薄の太陽電池で、高い発電能力を持ちます。

 1日間太陽光だけで発電した電力では約15〜20kmの走行が可能としており、さらに高性能な「ペロブスカイトタンデム型」にアップグレードした場合は1日の発電で約25km〜30kmの走行が可能になると見込んでいるといいます。

 安全性にも配慮し、万が一のバッテリーやインバータなどのトラブル時に備えてブレーカーを搭載。自動的に電源が落ち、充給電をストップして事故を防ぎます。

 ボディサイズは全長2270mm×全幅1190mm×全高1570mm。最高速度は50km/hで、乗車定員は3名となります。

 ボディ構造などはニーズに合わせてカスタムが可能で、ボディ一体のルーフ付き仕様でドアを持たないモデルを基本に、ドア付きのモデルも設定。

 ドアなしモデルは3人乗りの「側車付軽二輪」(普通自動二輪免許以上)としての登録で、ドア付きのモデルは1人乗りの「ミニカー」(普通免許)になります。

 3輪バイクのようなバーハンドル付きの車体を持ちますが、大きなフロントウインドウや愛嬌のある丸型のヘッドライト、乗用車風のドアミラーを装備しており、内装は通常の乗用車のようなしっかりとしたフロントシートを採用しています。

 バーハンドルの中央には液晶メーターが装備され、スマートフォン充電ジャックやリバースギアに入れて作動するリアモニターを装備します。

 当初発売された30台(すでに完売)のスリールオータはオプションのソーラーパネル2枚に加え、雨風の侵入を防ぐハードドアを装備するドアなしモデルで、価格(消費税込)は115万円となっています。

 スタンダードモデルも用意しており、ドアはビニールタイプ、ソーラーパネルレス、ボディカラーはホワイトになるなどシンプルな装いで、こちらの価格は98万円とやや手頃になっています。

 スリールオータの販売状況やユーザーからの声などを、EVジェネシスの担当者は以下のように話しています。

「当初の30台は注文が殺到して4時間で完売しました。『もう買えないのか』という声を多くいただいたので追加で30台を受注しましたが、あと残りわずかとなっています。

 ボディが輸入なので、皆さん納車待ちで首を長くして待っていただいています。

 これまで神戸のUR都市機構との実証実験に参加したり、相模原市内のイベントでも展示しており、皆さん試乗して楽しんでいただいています。

 乗った方は皆さん『楽しい』と言っていただき、『乗って帰りたい』という人もいました。

 購入した方の層は幅広く、小さな子どもがいる夫婦やお年寄り、足を悪くされて力も自身のない方がバーハンドルで運転しやすく、クルマっぽくもあり、屋根もあるので、通院に使っているという方もいますね。

(地方では)クルマに乗れないと生活ができません。バスもなくなって、病院行くのも一苦労。若者もいないのでどうするのかというときに、これがあれば役に立ちます」

 今後は引き続き、台数を確保して量産し、販売を続けるとしており、価格は130万円前後となるようですが、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーとソーラーパネルを標準装備した仕様向上モデルを発売予定としています。

 また、スリールオータは新たにEVの「WVTA」認証を取得し、日本国内の走行だけでなく、EU加盟国27国でもナンバー取得と走行が可能といい、海外進出も視野に入れていると話しています。

 さらに、EVジェネシスでは今後4輪バギーのモデルを販売するといい、ラインナップの拡大に期待が高まります。

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Writer: くるまのニュース編集部

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