横浜ゴムが描く“未来のタイヤ”とは?「スーパーフォーミュラ」実車のコックピット体験も! サステナブルを全面に出したブースをジャパンモビリティショー2025で展示
横浜ゴムの「ジャパンモビリティショー2025」ブースでは、スーパーフォーミュラの実車を使用した子ども向けのコックピット乗車体験や、再生可能素材を多用したタイヤなどを展示し、“脱炭素社会に挑むタイヤメーカーの本気”を体感できる出展内容となっていました。
「未来に対してタイヤが何をできるか?」という横浜ゴムの挑戦
横浜ゴムは、東京ビッグサイト(東京都江東区)で2025年10月30日~11月9日(一般公開は10月31日から)に開催される「ジャパンモビリティショー2025」に出展します。開幕前日の10月29日、ブースがメディア向けに公開され、次世代に向けたタイヤのサスティナビリティ技術などがお披露目されました。

未来に対してタイヤができることはなにか。横浜ゴムのブーステーマをひとことでいえば、そんな内容になるでしょう。
いま、世の中は地球温暖化を抑えるために二酸化炭素の排出を抑えることが求められています。そして企業は、地球環境を守るために積極的にそれを推し進めている現状です。
ジャパンモビリティショー2025の横浜ゴムブースには、まず正面の目立つ場所に日本最高峰のフォーミュラレースであり、世界的にも「F1の次に速い」と言われるスーパーフォーミュラのマシンが置かれていて興味をそそります。
これは実際の参戦車両ではなく、参戦しているすべてのチームの全車両にタイヤを供給する横浜ゴムのテスト車両ですが、スーパーフォーミュラの実車を目の前でじっくり観察できる機会などなかなかない貴重な体験。せっかくなので細部までチェックしちゃいましょう。この車両を見るだけで、横浜ゴムブースを訪れるかいがあるってものです。
しかもなんと、今回のマシンではそのコックピット乗車体験ができるのだから貴重なチャンスです。ただし体験できるのは小学生以下のお子さん限定なのですが、それだとしてもなかなかない機会です。体験枠には限りがあるので、レース好きのお子さんがいるファミリーは、会場に入ったらまずは西展示場4階にある横浜ゴムのブースに向かうことをおススメします。
そして何を隠そう、そんなスーパーフォーミュラへのタイヤ供給も、脱炭素社会に向けた横浜ゴムのチャレンジのひとつ。実はスーパーフォーミュラ用のタイヤは超高性能でありながら、再生可能素材を46%も使ったエコなタイヤ。それってかなりすごいことなのです。
ラリー用の競技用タイヤにも再生可能原料が使われている
また、そんなスーパーフォーミュラ用タイヤの隣にあるオフロード用タイヤも、これまたかなりハイレベルな技術が使われているのです。2025年に開催された、FIA(国際自動車連盟)公認のもとはじめて水素燃料で開催されたラリー「FIA Extreme H World Cup」に、実際に参戦した車両が装着していたタイヤなのです。超高性能なモータースポーツタイヤにもかかわらず、再生可能/リサイクル原料比率38%というのもまたすごいですよね。

ときどき「モータースポーツは走る実験室」なんて言われますが、横浜ゴムの競技用サステナブルタイヤもまさにそう。競技という極限の世界で技術が磨かれ、それがのちに市販タイヤの開発へと生かされるというわけです。
また、市販はまだ先となりそうですが、横浜ゴムのブースには再生可能原料/リサイクル原料比率80%を実現したウルトラパフォーマンスタイヤのコンセプトも展示されていました。走行性能と低転がり性能、そして再生可能/リサイクル可能素材使用技術を高い次元でバランスさせたタイヤだというから、発売されるのが楽しみですね。
さらに「その先の技術」として、日本ゼオンや産業技術総合研究所と共同で進めている、植物由来原料から合成ゴムの主原料を生成する次世代技術も展示。「未来に対してタイヤが何をできるか」に本気で取り組んでいるというわけです。
以上のように横浜ゴムブースでは、スーパーフォーミュラマシンの乗車体験(小学生以下限定)から、低炭素社会に向けた次世代の技術まで見ごたえたっぷり。2025年シーズンに発表・発売された新作スタッドレスタイヤ「iceGUARD 8」の実物も見ることができますよ。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。



















