トヨタ新型「ランドクルーザーFJ」実車公開! 全長4.6m以下でカクカクボディ採用!? のシリーズ最小モデル、JMS2025に展示
「ジャパンモビリティショー2025」で、10月21日に世界初公開された新型「ランドクルーザーFJ」の実車が展示されました。ランドクルーザーファミリーに加わるこの最小モデルは 、シリーズの伝統を受け継ぎつつ、より多くの人々にその魅力を届けるために開発された新世代のクルマです。
最小ランクル「FJ」JMS2025で実車展示! 伝統と手頃さを両立、26年年央発売へ
2025年10月29日から開催されている「ジャパンモビリティショー2025(JMS2025)」のトヨタブースで、同月21日に世界初公開された新型「ランドクルーザーFJ」の実車が展示されました。
ランドクルーザーファミリーに加わるこの最小モデルは、シリーズの伝統を受け継ぎつつ、より多くの人々にその魅力を届けるために開発された新世代のクルマです 。
その具体的な特徴とはどのようなものなのでしょうか。

トヨタの「ランドクルーザー」シリーズは、1951年の「トヨタBJ型」に端を発し、70年以上にわたって「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」という本質を追求してきた、日本を代表するオフローダーです。
その歴史の中で、世界190以上の国と地域で累計1215万台以上が愛用されてきました。
現在、シリーズは最新技術を導入したフラッグシップの「300シリーズ」、高い耐久性を持つ業務用途向けの「70シリーズ」、そして2024年に登場した中核を担う「250シリーズ」という3つの柱で構成されています。
今回、世界初公開された新型「ランドクルーザーFJ」は、これらの既存モデルからさらに派生し、シリーズの門戸を広げるために投入される最小モデルです。
ランドクルーザーが持つ本質的な実用性と、誰もが気軽に楽しめる自由さを両立させることを目指して開発されました。
開発の背景には、「もっと多くの人々にランドクルーザーの魅力を届けたい」という強い思いがあります。
トヨタのBrand Creation Office、サイモン・ハンフリーズ氏は発表会で、「250シリーズ」がランドクルーザーの原点に立ち返る試みであったと振り返りつつ、FJはその「家族」に加わる新世代に向けた仲間であると語りました。
FJは、長年培われた信頼性や機能性をコンパクトなサイズに凝縮し、「70シリーズ」にも通じる走破性とカスタマイズ性を備え、より入手しやすい存在として構想されたのです。
また、ランドクルーザーシリーズのチーフエンジニアである内山征也氏は、「250シリーズ」の開発を通じて、さらに多くの人々の生活を支えられる可能性が見えてきたことがFJ誕生のきっかけだと説明します。
これまでランドクルーザーと縁が薄かった地域や世代の人々にも魅力を伝えるため、まずは「アフォーダブル(手頃)であること」を重視し、このサイズのモデルを投入することを決定したと述べています。
モデル名の「FJ」は、「Freedom and Joy(フリーダム アンド ジョイ)」の頭文字から採られました。
往年の「FJ40」型を想起させる響きも持ちつつ、主には新しい世代へモビリティの「自由」と新しい「楽しみ」を提供するという意志が込められています。
新型ランドクルーザーFJは、全長4575mm、全幅1855mm、全高1960mmという、街中でも扱いやすいボディサイズを実現。特にホイールベースは2580mmと、「250シリーズ」と比較して270mmも短縮されました。これにより、最小回転半径は5.5mと取り回しが向上しただけでなく、悪路での高い機動性も確保しています 。
注目すべきは、プラットフォームに「250シリーズ」のGA-Fではなく、あえて「IMV」を採用した点です。
IMVは、世界各地の商用車市場で長年にわたり鍛えられ、人々の生活を支えてきた実績を持つ骨格です。
内山氏によれば、このIMVが持つ「いかに鍛えられてきたか、いかに生活を支えてきたか」という素養は、ランドクルーザーのプラットフォームとして重要な要素を十分に満たしているとのこと。
この実績ある骨格をベースに、オフロード試験で徹底的に耐久テストを行い、ランクルに求められる「信頼性・耐久性・悪路走破性」を追求。さらに、床下には補強ブレースを追加することでボディ剛性を高め、オンロードでの操縦安定性も確保しています。
エクステリアデザインは、「サイコロ」をモチーフにした直方体スタイルが特徴です。
角を丸めることで、取り回し時に障害物と接触するリスクを減らす実用性と、塊感のある力強さを両立。また、フロントとリアのバンパーはコーナー部分が分割式となっており、損傷した際にも一部のみを交換できる設計となっています。
インテリアは、オフロード走行中の操作性を考慮し、水平基調のインストルメントパネルが採用されました。
モニターやスイッチ類は視線移動が少なく、自然な姿勢で操作できる位置に集約。
カウル位置が低く、ガラスエリアが広いため、悪路でも路面状況を把握しやすい良好な視界が確保され、安全装備としては、最新の「トヨタセーフティセンス」が搭載されます。
搭載されるパワートレインは、まず手頃な価格帯での提供を実現するため、信頼性と耐久性に定評のある「2TR-FE」型2.7リッターガソリンエンジンが選ばれました。
最高出力163PS、最大トルク246Nmを発揮するこのエンジンは、6速AT(Super ECT)とパートタイム4WDシステムと組み合わされます。
世界中の過酷な環境で信頼を得てきたユニットであり、ランドクルーザーの名にふさわしいパワートレインと言えるでしょう。

新型ランドクルーザーFJは、その名の通り、ランドクルーザーが長年培ってきた本格的な走破性と、現代のライフスタイルにマッチする軽快さを併せ持つモデルです。
カスタマイズ性を重視した設計も特徴で、今後はユーザーが自分らしいスタイルに仕上げられるよう、多様なカスタムパーツの展開が予定されています。
すでに「250シリーズ」でも人気のある丸目ヘッドライト仕様や、悪路走行に役立つシュノーケルなどのアイテムも準備が進められています。
JMS2025での一般公開後、新型ランドクルーザーFJは2026年年央頃から、日本市場を皮切りに、主にアジア、アフリカ、中南米といった地域で順次発売される予定です。
また、今回の発表では、ランドクルーザーでたどり着いた先のオフロードをさらに楽しむための、電動パーソナル・モビリティ「ランド・ホッパー」も同時に披露され、現在開発中であることが明かされました。
ランドクルーザーFJの登場は、シリーズの新たな可能性を広げる第一歩となりそうです。
Writer: くるまのニュース編集部
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