BYD新型「軽ハイトワゴン」世界初公開へ! 競合ライバル「N-BOX」との違いとは? “賛否”入り乱れる中国製「軽自動車」どんなモデルに?

中国の自動車メーカー「BYD」は2025年10月22日、「ジャパンモビリティショー2025」で軽EVのプロトタイプを世界初公開する、と発表しました。一体どのようなモデルなのか、考察します。

BYD新型「軽ハイトワゴン」どんなモデルに?

 中国の自動車メーカー「BYD」は2025年10月22日、まもなく開催の「ジャパンモビリティショー2025」において、軽EVのプロトタイプを世界初公開すると発表しました。

 一体どのようなモデルなのか、現在判明している事実とSNS上の声を基に考察します。

BYD新型「軽ハイトワゴン」どんなモデルに?(上:BYD「軽EV」/ 下:ホンダ「N-BOX」)
BYD新型「軽ハイトワゴン」どんなモデルに?(上:BYD「軽EV」/ 下:ホンダ「N-BOX」)

 BYDは、1995年に広東省深セン市に設立されたバッテリーメーカーを発祥とし、現在では世界でもっとも多くの電動モデル(EV/PHEV)を販売する自動車メーカー。

 2023年からは日本市場でも乗用車を販売しており、現時点ではグローバルモデルのEVのみをラインナップしていますが、日本向けのPHEVや日本市場専用設計の軽規格EVも開発しているとされ、注目を集めていました。

 そして今回、ついに軽規格EVにあたる新型モデル(以下「BYD軽EV」と呼称)が登場することが正式に発表されたのです。

 まず現在判明している事実としては、ボディタイプがスーパーハイトワゴンで、リアドアにスライドドアを採用することが挙げられます。

 スライドドアを搭載したスーパーハイトワゴンは、現在の日本の軽自動車でもっとも人気のあるカテゴリであり、全長と全幅を規格枠いっぱいに取るとともに、全高も高く設計することで、広大な車内空間を確保できるのが特長です。

 またバッテリーには、BYD独自にして最新のバッテリー技術である「ブレードバッテリー」を搭載。

 バッテリーセルを従来のパック状ではなく、薄い板状(ブレード)にしたもので、高い安全性が特長です。

 具体的には、外部から強い衝撃や損傷を受けた際にバッテリー内部での熱暴走が起こりにくく、過去にバッテリーの安全性を実証する「クギ刺し試験」を行った際には、発火はおろか発煙すら確認されませんでした。

 判明している事実は上記の2つですが、BYD軽EVのティザー画像と、競合するであろうホンダの軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」の画像を比較してみると、ボンネットの先端はBYD軽EVのほうが低く作られており、フロントガラスも軽EVのほうが寝た形状になっていることから、空気抵抗の低減を図り、航続距離を伸ばそうとする意図がくみ取れます。

 一方で、ドアの開口ラインはほぼ完全に一致しており、日本の軽自動車のトレンドと使い勝手をよく研究しているといえそうです。

 BYDはどうしてもまだまだ日本国内では浸透しきっていないメーカーであり、SNSでも海外製のEVについて懐疑的な意見も少なくないことから、普及するためには実質的な車両価格が国産の軽EVよりも安いことは必須条件となるでしょう。

 現在販売されている国産軽EVの最廉価グレードを例に挙げると、ホンダの「N-ONE e:」と「N-VAN e:」は269万9400円、三菱の「eKクロスEV」は256万8500円、日産「サクラ」は259万9300円。

 大きなインパクトを与えることも考慮し、BYD軽EVが日本のユーザーにヒットするには、200万円を切ってほしいところです。

 また、すでに日本国内で販売されている普通車のBYD製EVが、期間限定で50万円から117万円値引きされていた、という情報もあります。

 軽EVに関しても、日本車では通常考えられない大幅な値引き戦略を展開する可能性があることから、値引きを含めて100万円台前半で購入できた場合には、かなり大きなインパクトを市場に与えることになるでしょう。

 続いて気になるのが航続距離です。

 BYDの現行ラインナップの航続距離を見る限り、日本製のEVと比較して大きな差はないため、日本で現在販売している軽EVと同等程度の数値に設定されることが予想されます。

 N-ONE e:が295km、N-VAN e:が245km、eKクロスEVとサクラが180kmであることから考えると、BYD軽EVの航続距離は200kmから300kmの間に落ち着くのではないでしょうか。

 車内空間の広さについては、先述したブレードバッテリーを搭載しているBYDのクロスオーバーSUV「シーライオン」が、床下一体構造でブレードバッテリーを配置していることを参考にすると、軽EVも同様の構造になると予想するのが自然です。

 上記の構造は、車内空間の拡張と低重心化を実現できるのが強みとなっていますが、あくまで軽自動車の規格から外れることはできないため、N-BOXなどより極端に広い車内空間には期待できないと思われます。

 そしてSNSでは、名古屋や京都、大阪でBYD軽EVのテストカーの目撃情報が複数上がっているものの、外装デザインはカモフラージュされた状態で、どのようなデザインになるかはジャパンモビリティショー当日のお楽しみということになりそうです。

※ ※ ※

 このように、世界初公開を間近に控えたBYD製の軽EV。

 判明している事実とSNS上の声を基に考察しましたが、答え合わせができる日はそう遠くありません。

 予想を超えるほどのインパクトが待っている可能性もありますので、期待して当日を迎えましょう。

【画像】超カッコイイ! これがBYD新型「軽ハイトワゴン」です!(20枚)

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Writer: パワーボム

関西大学社会学部卒業後、某CS放送局運営のメディアにてライターとしてのキャリアをスタート。自動車ブログの立ち上げから携わり、主にトヨタ車やレクサス車、キャンピングカーを中心に取材記事を多数執筆する。

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