8年ぶり全面刷新! 全長4.7mボディのアウディ新型「ミドルSUV」登場! “デジタル化”&「電動化」がさらに進化! 「直4」ディーゼル+4WD搭載「新型Q5」の実力はいかに?
ロングランが待ち遠しくなるSUV
エンジンは、2リッター直列4気筒ターボを積みガソリン仕様のTFSIとディーゼル仕様のTDIが用意されています。高性能版のSQ5は、3リットルのV型6気筒ターボTFSIエンジンを搭載し367馬力を発揮します。

今回試乗をしたのは、「Q5 TDIクワトロ」です。エンジンは204馬力を発揮し、400Nmを得ています。トランスミッションは7速ATを組み合わせ、4輪駆動システムのクワトロが4輪に駆動力を最適配分します。
エンジンは、事前の情報を得ていなければディーゼルとは気づかないほど静かで滑らかに吹け上がります。瞬発力があるのに加速が伸びないというディーゼル先入観も、完全に忘れさせてくれます。アクセルを踏み続ければ、4000回転を超えてもパワーの頭打ち感がないからです。
ただ、モリモリと溢れ出してくるようなトルク感は得ていません。力強さが物足りないということではなく、トルクの立ち上がりが洗練されすぎているからなのでしょう。それでも、走行モードをダイナミックにすれば瞬発力が上乗せ。加速に弾みがつき、スポーティな走りも楽しめます。

ところで、スゴいはずのMHEVプラスの威力が気になります。ただ、アウディにはその役割を主張するつもりはなさそう。エンジンが静かなので、モーターの出番になっていることが分かりにくいのです。
そもそも、バッテリーの充電量さえわからずエンジンとモーターのエネルギーマネジメントを表示することもできません。どこで判断するのかといえば、運転席モニター右下のある小さなバーグラフ式のタコメーターだけ。回転数がゼロになっていれば、モーターで走っているというワケ。
何とも、もったいないハナシです。マネジメント表示があれば、モーターの出番を走らせ方により増やせば燃費を向上させることもできるのに……。モーター走行しているウレしさに、アウディは気づいていないのかもしれません。
タコメーターを頼りに、モーターの出番を確かめてみましょう。平坦な路面で穏やかに走り出せば、アイドリングストップ状態からエンジンが始動せずに20km/hあたりまで加速できます。走行中にアクセルを戻してエンジンが停止し、低速走行に移ると40〜60km/hのモーター走行を確認。
参考資料によると、140km/hまで定速のモーター走行ができるそうです。7速ATに内蔵されるモーターの出力は24馬力ですがトルクは230Nmを得ているので、高速走行も余裕でこなせるのでしょう。
さて、プラットフォームを一新したことでザラついた路面通過時のゴーッというロードノイズをボディが抑制。エンジン音を含め、優れた静粛性も実現。乗り心地も快適で、荒れた路面を通過しても振動がフロアに残ることありません。ステアリングの切れ味がスッキリと滑らかで、直進時には中立の節度が伝わってくるので安心感につながります。
室内や荷室の広さは、DセグメントSUVとして平均レベル以上です。大柄な男性が4名乗車しても、くつろぎ感を覚えるはずです。後席は座面のスライドと背もたれのリクライニング調整ができるため、乗車人数や積む荷物により多様な使いこなしが可能になります。
なお、第3世代のQ5 TDIは先代の同グレードに比べてWLTCモード燃費が14.5km/Lから16.1km/Lの向上。それもあり、休日の快適なロングランが待ち遠しくなるSUVに仕上がっていました。
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最新Q5シリーズの車両価格(消費税込)は、760万円から1058万円で、全グレード右ハンドル仕様となります。
また、限定モデルの価格は「Q5 edition one」が919万円、「Q5 Sportback edition one」が954万円です。
Writer: 萩原秀輝
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。在学中からフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、同時期にツーリングカー・レースにも参戦。豊富なクルマの知識とドライビング理論を活かし、自動車メーカーなどが主催する安全運転教育の講師を数多く務めた経験を持つ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。




























































