新車163万円でリッター36km! ホンダ「フィット」の“燃費スペシャル”が凄かった! 「アクア」超え“コンパクトカー燃費1位”を実現! 気合の入った「HYBRID」旧モデルとは
ホンダが販売していた「フィット」の旧モデルには「燃費数値」を極度に追い求めた仕様が存在しました。
アクア超えの「フィット“燃費スペシャル”」
ガソリン代が高値安定となって久しい現在、普段乗っているクルマの燃費は良いに越したことはありません。
最近こそは、あまり各メーカーとも燃費性能を前面に押し出すことは少なくなりましたが、ひと昔前までは各ジャンルにおいて、「燃費性能ナンバーワン」を争って過酷な競争が行われていました。

とはいっても、数km/Lを超えるような、飛躍的な燃費が向上する飛び道具的なものはないため、各車とも0.1km/L刻みでナンバーワンの座を争っていました。
そのトップの座を獲得するために特別なグレードを用意したのが、2013年9月に登場したホンダ「フィット」3代目のハイブリッドモデルだったのです。
当時、このクラスの燃費ナンバーワンはトヨタ「アクア」(初代)の35.4km/L(JC08モード燃費)でしたが、フィットハイブリッドはそのアクアを超える36.4km/Lをマークしてナンバーワンの座に輝きました。
ただし、この燃費性能を有していたのは「HYBRID」グレードのみで、量販グレードとなる「HYBRID・Fパッケージ」や「HYBRID・Lパッケージ」では33.6km/Lとなっていたのです。
この大きな違いは車両重量でした。
HYBRID F・パッケージやLパッケージが1130kgなのに対し、HYBRIDは1080kgと50kgも軽量となっており、人ひとり分に匹敵する軽量化がなされていたのでした。
この軽量化の内容としては、LEDドアミラーウインカーやリアヒーターダクト、リアワイパー、フロントマップランプ、運転席シートハイトアジャスターといった装備類を非装着。
こうした機能装備の削減に留まらず、燃料タンク容量も、他グレードよりも8Lも小さい「32L」のものに変更するといったことまでなされていました。
さらに、フィットの売りのひとつでもあった、リアシートのチップアップ&ダイブダウン機構や、6:4分割可倒式バックレスト、リクライニング機構なども削除。まるで軽自動車のエントリーグレードにあるような、ただ倒せるだけの一体可倒式リアシートに交換。
カタログには記載されていませんでしたが、ボンネットフードも軽量なアルミにするという、気合いの入れっぷりだったのです。
このフィットのHYBRIDグレードの新車価格(消費税込)は163万5000円。一応価格的には最廉価グレードも兼ねてはいましたが、装備が充実するHYBRID・Fパッケージとの価格差はわずか8.5万円。
実際の販売の現場では、装備が充実しているHYBRID・Fパッケージをオススメするケースがほとんどだったとか。
なお、ここまでの努力によって手に入れた燃費ナンバーワンの座ですが、半年後の2013年12月、アクアの改良が実施され、37.0km/Lの燃費数値を叩き出し、即座に奪還を果たしています。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

























































































