日産が「新型エルグランド」を世界初公開へ! 15年ぶり“全面刷新”の「キングオブミニバン」はどう進化? 初の1.5L「e-POWER」採用で“起死回生”へ! JMSでの登場に期待感
日産は2025年10月末に開催の「ジャパンモビリティショー2025」で、新型「エルグランド」を世界初公開します。果たして、どのように進化するのでしょうか。
待望の「新型エルグランド」まもなく登場
日産は2025年10月9日、日本最大の自動車ショーである「ジャパンモビリティショー2025」の出展概要を公開し、長年、新型の登場が待ち望まれていた次期型「エルグランド」のワールドプレミアを実施することを明かしました。
全面刷新となる新型エルグランドは、いったいどのようになるのでしょうか。

10月29日より開催される「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」で、日産は新型エルグランドの世界初披露を行うことを明言。
既にオープンされている日産のJMS特設サイトでは、トップバッターに新型エルグランドを据え、極めて細部ではありますが、部分的なディテールも見せています。
「チラミセ」ともいえるカットですが、それだけでも高級車の風格はばっちり。既に4月に公開されたフォルムの写真と合わせると、日産らしい先進性と高級感に溢れた走りのミニバンが目指されていることが予想されます。
エルグランドは、1997年5月に初代が誕生。従来の1BOXベースの高級ワゴンではなく、乗用車性能として優れた大型ミニバンとして誕生し、高級ミニバン市場を開拓しました。
ガソリン車とディーゼル車共に大排気量エンジンを採用した力強い走り、後輪駆動ベースによる上質な走りを武器に大ヒット。
モノコックボディではあるものの、ベースを共有するのは硬派なSUVの2代目「テラノ」ということもあり、4WD車は優れた悪路走破性を備え、アウトドアシーンでも活躍しました。
2002年5月登場の2代目は専用プラットフォームとなりましたが、FRを継承し、得意の走りのミニバンというキャラクターに磨きをかけていました。
「キングオブミニバン」として独自の強みもあり、同タイミングで登場したトヨタ「アルファード」(初代)との棲み分けもできていましたが、2010年8月登場の3代目では合理化のためにFFベースへなり、あらゆる面でライバルのアルファードと比較される結果に。
さらにアルファードが4世代目に進化した今も、改良を重ねたものの、3世代目のまま15年目を迎えた現行型は、すっかり存在感を薄めてしまいました。
起死回生を図る4代目の最大のハイライトは、初のシリーズハイブリッド「e-POWER」化です。
現行世代では、いずれも自然吸気ガソリン仕様となる3.5リッターのV型6気筒と2.5リッターの直列4気筒エンジンを搭載していますが、新型では、エンジンを発電のみとする日産独自のe-POWER 最新仕様となる第3世代のものを搭載することが明言されています。
つまり、エンジンは積むけれど、走りは全て電気というわけです。
第3世代のe-POWERの特徴は、新開発の発電専用1.5リッターエンジンと、動力源となるモーターやインバーターの電動ユニットをモジュール化させることで、小型軽量化を図った「5-in-1」ユニットを組み合わせたもの。これにより大幅な静粛性と燃費向上を果たすとしています。
ただ、エルグランドファンとして注目するのは、その性能でしょう。
発電エンジンとなる「ZR15DDTe」型は、排気量1.5リッターの直列3気筒ターボエンジンです。先行搭載されるコンパクトサイズSUV「キャシュガイ」のスペックを確認すると、最高出力190psから205ps、最大トルク311から330Nmと公表されています。
つまりそのスペック上だと、現行型の2.5リッター以上3.5リッター未満という内容です。そのため新型エルグランドは、高速ツアラーというよりも、あらゆるシーンでモーターの特性を活かした俊敏な走りのミニバンとなりそう。
ただアルファードのFF仕様のハイブリッドと比べても、モーター性能は高いので、走りの面での心配は不要でしょう。
公式説明では、「エルグランドのDNAである『運転の愉しさ』を電動化によってさらにレベルアップ」、「“威風堂々”とした存在感を感じさせるエクステリアデザイン」、「長距離でも快適で上質な移動空間をもたらすプレミアムツーリングモビリティ」の3点が強調されています。
これまで通り、走りのミニバンというキャラクターはしっかりと強調されるでしょう。
まずはどんなデザインに仕上げてくるのか。国産ミニバンとしては重要な4WDについても、第3世代のe-POWERでは明かされていない2モーターの4WD仕様「e-4ORCE」の設定があるのかも含め、JMSの発表が楽しみなばかりです。
Writer: 大音安弘(自動車ライター)
1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。






























































































