日本政府が「フォード・F-150」を導入検討!? 小さくても全長5m超え! アメリカの「国民車」どんなクルマ? 導入の課題は?
テレビ朝日の報道によれば、日本政府は公用車としてフォード「F-150」の導入を検討しているといいます。これは日米の関税交渉を踏まえた動きと見られています 。アメリカで40年以上も販売台数1位を誇る「国民車」は 、一体どのようなクルマなのでしょうか。その歴史や特徴、日本導入への課題に迫ります。
アメリカで40年以上も販売台数No.1を誇る「国民車」
日本政府が、アメリカの自動車メーカー、フォード社のピックアップトラック「F-150」を公用車として導入する案を検討していることが、2025年10月10日、テレビ朝日により報じられました。
この動きは、日米間の関税交渉が背景にあると見られています 。赤沢経済再生担当大臣が「トランプ大統領のお気に入り」とコメントしたことでも注目を集めるF-150ですが 、一体どのようなクルマなのでしょうか。
その歴史や特徴、日本導入への課題を解説します。

F-150は、フォードが1948年から製造・販売する「Fシリーズ」というピックアップトラックの主力モデルです。
アメリカでは非常に人気の高い車種で、40年以上にわたり年間販売台数1位という驚異的な記録を誇ります。まさに、アメリカの「国民車」と呼べる存在です。
その歴史は長く、初代モデルの登場は1948年にまで遡ります 。以来、モデルチェンジを重ね、現在では14代目モデルが販売されています。
2022年にはシリーズ累計の製造台数が4000万台に達するなど 、フォードの、そしてアメリカの自動車産業を象徴する一台と言えるでしょう。
FシリーズはボディサイズによってF-150、「F-250」と数字が大きくなっていきますが、1998年以降はF-250以上が別シリーズとして独立したため、現在Fシリーズといえば主にこのF-150を指します。
●日本の道には大きすぎる? F-150の圧倒的なサイズ
今回、報道によれば日本政府がこのF-150を国土交通省の地方整備局に導入し、工事や道路のパトロールなどに使用することを検討しているとされています。
しかし、日本で運用するにはその大きさが課題となる可能性があります。
F-150は、キャブ(乗車スペース)や荷台の長さによって複数のバリエーションが存在しますが、最も小さいモデルでも全長が約5.3m、全幅(ミラー除く)は約2mに達します。
大きなモデルになると全長は約6.2m 、ミラーを含めた全幅は約2.4mにもなります。日本の一般的な駐車場のサイズが長さ5m×幅2.5m程度であることを考えると、その巨大さが際立ちます。
ただし、この大きなボディこそが、広大な土地を持つアメリカで支持される理由です。様々なエンジンが用意されており 、高い牽引能力や悪路走破性を誇ります。
また、広々とした荷台は仕事からレジャーまで幅広い用途に対応可能です。まさに、アメリカのライフスタイルに深く根付いたクルマなのです。
●政治的な背景と導入への課題
今回の公用車導入の検討は、単なる車両選定というわけではないようです。
背景には、日米間の貿易不均衡の問題があります。
2024年度、日本からアメリカへの自動車輸出が139万台を超えたのに対し、アメリカからの輸入は約1万5000台にとどまっています。
トランプ大統領はこの状況に強い不満を示しており、関税交渉における主要な論点に。また、同じくテレビ朝日の報道によれば、赤沢大臣が「F-150はトランプ大統領のお気に入り」とコメントしたとのこと。
こうした政府の動きは、10月27日から来日予定のトランプ大統領に対してアピールする狙いがあるとみられます。
しかし、実際に導入するには課題も残ります。フォードは2016年9月に日本市場から撤退しており、正規の販売網がありません。
そのため、点検や修理といったメンテナンス体制をどう構築するのかが大きな課題となります。
アメリカの国民車が日本の公道を走る姿は、多くの注目を集めることになるでしょう。その実現可能性を含め、今後の動向から目が離せません。
Writer: くるまのニュース編集部
【クルマをもっと身近にするWEB情報メディア】
知的好奇心を満たすクルマの気になる様々な情報を紹介。新車情報・試乗記・交通マナーやトラブル・道路事情まで魅力的なカーライフを発信していきます。クルマについて「知らなかったことを知る喜び」をくるまのニュースを通じて体験してください。












