31億円超え…? 全長4.3mの「3人乗りスーパーカー」! 斬新「真ん中“運転席”」採用&BMW製の“V12エンジン”搭載! UAEのオークション登場予定の「マクラーレンF1」どんなモデル?
1990年代を代表するスーパーカー「マクラーレンF1」の特別な一台が、2025年11月にUAEのアブダビで開催されるRMサザビーズのオークションに出品されます。はたしてどんなクルマなのでしょうか。
世界最速を誇ったロードカー「マクラーレンF1」が再び脚光を浴びる
1990年代を代表するスーパーカー「マクラーレンF1」の特別な一台が、2025年11月にUAEのアブダビで開催されるRMサザビーズのオークションに出品されます。
ブルネイ王室に納車された経歴を持つ特別な個体は、いまも世界中のコレクターから熱い注目を集めています。

マクラーレンF1は、1992年に発表されたスーパーカーで、カーボンファイバー製モノコックを量産車として初めて採用したことでも知られます。
開発の中心を担ったのは名エンジニア、ゴードン・マレー氏。最高速の追求そのものではなく「市販車として世界最高の完成度を持つロードカー」を目指して開発されました。
その結果、最高速度は391km/hを記録。自然吸気エンジンを搭載したロードカーとしては今なお破られていない世界記録を持ち続けています。
さらに、マクラーレンF1は市販車としての存在だけでなく、レース仕様「F1 GTR」が1995年のル・マン24時間で初出場・初優勝を飾るという快挙も達成。公道とサーキットの両方で伝説的な存在となりました。
ボディサイズは全長4287mm×全幅1820mm×全高1140mm、ホイールベース2710mmです。
乗車定員は3名で、運転席を中央に配し、両サイドにパッセンジャーシートを備える独自のレイアウトが採用されました。
エクステリアは軽量化と空力性能を徹底的に追求し、ディヘドラルドアやエンジンルームに貼られた金箔の遮熱材など、細部に至るまで革新的な工夫が盛り込まれています。
インテリアはアルカンターラやカーボンを基調としながら、オーディオやエアコンといった快適装備も搭載。レーシングカー並みのパフォーマンスと、日常的に走れる利便性を両立しました。
搭載されるパワートレインはBMW製の6.1リッターV型12気筒自然吸気エンジンで、最高出力627馬力・最大トルク680Nmを発揮。
車重はわずか1138kgに抑えられており、驚異的なパワーウェイトレシオを誇ります。0-100km/h加速は3.2秒というパフォーマンスを発揮しました。
今回出品されるのは、ロードカー仕様64台のうち14番目に製造されたシャシNo.014です。新車時はチタニウムイエローの外装、ブラックの内装で仕立てられ、ブルネイ王室に納められました。その後英国と米国で複数のオーナーを経て、2007年にはマクラーレン本社で全面的な再整備を受けています。
その際に外装はアイビスホワイトへ変更され、固定式リアスポイラーやGTR由来のフロントバンパー、LM仕様のルーバーなどを含む「ハイダウンフォースキット」が装着されました。
さらにインテリアもレーシングシートやカーボンパネルを用いたLM仕様にアップデート。OZレーシング製ホイールや改良型エキゾースト、アップグレードされたエアコンも導入され、改修費用は約50万ドル(1USドル=約150円として、約7500万円)に達したといわれています。
また、この個体のドアシルには1996年当時のF1世界王者ミハエル・シューマッハのサインが残されており、2007年の再塗装後にはルイス・ハミルトンのサインも追加されました。こうしたディテールも、この車両の価値をさらに高めています。
その後も米国内で使用され、2018年には大規模なエンジン整備を実施。走行距離は約2万2000kmとされ、オリジナルの工具セットや専用ラゲッジも付属しています。
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マクラーレンF1は現在も世界で最も評価されるスーパーカーのひとつであり、とくにブルネイ王室に納車され、本社で改修を受けた経歴を持つシャシ014は極めて特別な存在です。
オークションの落札価格は、2100万ドル(約31億5000万円)以上になると予想されています。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。































