では、なぜこれほどまでに「358」は人気なのでしょうか。

　その理由は一つではなく、複数の説が複合的に影響していると考えられています。

　明確な由来が公表されているわけではありませんが、口コミなどで広まったとされる主な説は以下の通りです。

　まず、風水の世界では「3」は金運、「5」は財運や帝王、「8」は最高の吉数や成功を意味するとされ、これらが組み合わさることで非常に縁起が良い数字と解釈されています。

　金運や仕事運の向上を願う人々にとって、魅力的な数字となっているようです。

　また、ある著名な作家が自著の中で「358」を「聖なる数字」「パワーを持つ数字」として紹介したことも、人気に火を付けた一因とされています。

　その根拠として、お釈迦様が悟りを開いたのが35歳8ヶ月であったという説や、歴史上有名な徳川将軍が3代・家光、5代・綱吉、8代・吉宗であることなどが挙げられています。

　さらに、西遊記に登場する三蔵法師のお供が、沙悟浄（さごじょう＝3）、孫悟空（そんごくう＝5）、猪八戒（ちょはっかい＝8）であることも、この数字が特別視される理由の一つだと言われています。

　これらの様々な幸運を想起させるストーリーが、「358」という数字に特別な価値を与えているのです。

「1122（良い夫婦）」や「2525（ニコニコ）」といった語呂合わせ、「178（B’zの稲葉さん）」のようなファン心理を表すものなど、希望ナンバーはドライバーの個性や願いを映し出す鏡のような存在です。

　その中で「358」が支持される背景には、特定の語呂合わせに頼るのではなく、金運上昇や成功、幸運といった普遍的な願いを、縁起が良いとされる数字の組み合わせに託したいというドライバー心理があるのかもしれません。

　単なる識別番号を超えて、愛車への愛着や個性を表現するツールとなった希望番号制度。

「358」ナンバーを付けたクルマを見かけたとき、そのドライバーが数字に込めた様々な願いに思いを馳せてみるのも面白いかもしれません。