“新車149万円”のトヨタ「超コンパクトミニバン」がスゴい! 全長4.2m級で3列7人乗り!? 画期的モデル「パッソセッテ」とは
2008年12月25日、トヨタから新車価格149万円という低価格で、コンパクトな3列7人乗りミニバン「パッソセッテ」が登場しました。ヒットが期待されたこの画期的なモデルは、どのようなモデルなのでしょうか。
コンセプトは良かったが…時代と市場が許さなかった悲運のミニバン
トヨタ「パッソセッテ」は、2008年12月25日に発売されたコンパクトな3列シート7人乗りミニバンです。
初代「シエンタ」の実質的な後継車種として開発され、ダイハツが生産を担当しました。

ダイハツ「ブーン ルミナス」としても販売されたパッソセッテは、子育て世代をターゲットに、扱いやすいボディとスタイリッシュなデザイン、149万円からという低価格を両立した画期的な存在でした。
ボディサイズは全長4195mm×全幅1695mm×全高1620mmで、取り回しの良さと居住性を兼ね備えていたのも特徴です。
コンパクトながら3列シートを備え、7人乗車を可能にしたパッケージングは当時大きな注目を集めました。
さらに、2750mmというクラスを超えたロングホイールベースにより広い室内長を実現しつつ、最小回転半径は5.2mと小回り性能にも優れていました。
搭載されたパワートレインは最高出力109馬力・最大トルク141Nmの1.5リッター直列4気筒エンジン「3SZ-VE型」に4速ATを組み合わせ、駆動方式はFFと4WDを設定。
発売後1か月で目標を大きく上回る約5000台を受注するなど、スタートは非常に好調でした。
しかし、スライドドアを持たない点が子育て世代のニーズに合わず、また「エコカー減税」対象外となったことなどが重なってか、販売は急失速。わずか3年余りで販売を終了する短命モデルとなってしまいました。
現在では中古市場で「激レア車」として扱われる一方、安価に取引されることが多く、希少ながらも手が届きやすい存在です。
その失敗は結果的にシエンタの復活と成功につながったことから、日本のコンパクトミニバン史において特異な足跡を残したモデルといえるでしょう。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。


































