ホンダ「超・画期的軽バン」が凄い! 「N-VAN e:」とは違う“革新技術”搭載で「充電待ち時間ゼロ」達成!? デメリットと“課題”を解決する「MEV-VAN」コンセプトに注目

2025年5月20日、ホンダは電動化戦略の修正を発表しました。電気自動車(BEV)の需要が伸び悩む中での発表ですが、かつてEV戦略に対する画期的なモデルも公開していました。どのようなモデルなのか見ていきましょう。

充電時間の短い画期的な軽バン「MEV-VAN」とは

 ホンダは、2025年5月20日に電動化戦略の修正を発表しました。背景にあるのは、バッテリー電気自動車(BEV)の需要鈍化です。

 2030年の新車販売について、BEVおよび燃料電池車(FCEV)の比率目標を従来の30%から約20%に引き下げる内容です。

 EV普及の伸び悩みにはさまざまな要因がありますが、やはり充電インフラ不足に加え、ロスになる充電時間の長さが大きな課題として挙げられています。

 しかし、実はホンダはこうした課題に対応できるよう、充電時間が大幅に短くなる革新的EVを過去に公開していました。

ホンダの脱着式バッテリー付きEV軽商用バン「MEV-VAN Concept」
ホンダの脱着式バッテリー付きEV軽商用バン「MEV-VAN Concept」

 その画期的なクルマが、ホンダの軽商用車「N-VAN」をベースに開発された次世代商用EVのコンセプトモデル「MEV-VAN Concept」です。

 MEV-VAN Conceptは、2023年3月に開催された「第13回国際スマートグリッドEXPO」で初公開されました。

 ベース車両のN-VANは、2018年に登場した商用軽バン。軽自動車の規格をフルに活用した室内空間と高い積載能力に定評があります。

 助手席側はセンターピラーレスとなっており、乗り降りや積み下ろしも容易になっています。

 また最新の予防安全技術「Honda SENSING」が標準装備されており、商用軽バンでありながら高い安全性も備わったクルマです。

 昨今のアウトドアブームから、カスタム車両のベースとしても注目を浴びています。

 いっぽう、MEV-VAN Conceptでは、ベース車両であるN-VANの内燃機関を排除。EV化し、ホンダ独自の着脱式バッテリーシステム「Mobile Power Pack e:(モバイル パワー パック イー/MPP)」が搭載されました。

 MPPは、電動モビリティ向けに開発されたホンダ独自のバッテリーシステムです。バッテリー1個あたり1.3kWh以上の電力を蓄電できます。

 着脱式なので、蓄電済みのバッテリーに替えればフル充電の状態で即座に走行できます。クルマ自体を充電機と接続する煩わしさや、充電待機時間を削減できる斬新なシステムです。

 床下に最大8個のMPPを収納できるMEV-VAN Concept。MPPを搭載しつつも、室内を圧迫することなく広い荷室が確保されています。

 気になる性能としては、最高出力14kW、最高速度70km/h、最大積載量250kgと、軽商用車としては実用的なレベルを保持しています。

 MPPのフル充電に必要な時間は約5時間。8個のMPPをフル充電すれば、約75kmの走行が可能です。市街地での短距離配送であれば、終日走行できる範囲でしょう。

 ちなみにこの着脱式バッテリーシステムは、ホンダの電動ビジネスバイク「BENLY e:」や「GYRO e:」にも採用され、さまざまなモビリティの電源として共用でき、軽バンと小型バイクを活用するような配送業などで活躍が見込まれます。

 今後、MEV-VAN Conceptのような商用EVへの採用により、物流業界からの電動化普及にも貢献できるシステムといえるでしょう。MPPの導入により、物流業界でのEV導入も現実的になると予想されます。

 2023年11月からは、ホンダとヤマト運輸によるMEV-VAN Conceptを使用した集配業務の実証実験が行われ、実験データを基に改良も進められているようです。

 なお、ホンダは2024年6月にN-VANベースのEV「N-VAN e:」を発売。N-VANの利便性はそのままに、BEV化を果たし、軽商用EVのシェア拡大を図っていきます。

 このときの発表会では、「MEV-VANは技術探索をしている最中」とも説明され、市販化についての言及は避けられたものの、今後の展開によってはN-VAN e:の派生モデルとして登場する可能性もあるかもしれません。

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ホンダ N-VAN
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Writer: TARA

トヨタ自動車のある愛知県在住。学生時代にクルマやバイクに魅了される。大手オイルメーカーに就職し、自らもモータースポーツに参戦開始。その後は鈴鹿サーキットで勤務しつつ、カートレースやバイクレースを経験。エンジンやサスペンション、タイヤや空力などの本格的な知識を得る。現在はプライベートでさまざまなクルマやバイクに触れながら、兼業ライターとして執筆活動に勤しむ。現在の愛車はトヨタ ヴォクシー/ホンダ N-BOX。

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