約250万円! 全長4.8m級のマツダ「新型SUV」発表! お得すぎる「後輪駆動モデル」! 中国向けの「EZ-60」登場

マツダは2025年9月26日、新型電動SUV「EZ-60」を中国で発売しました。いったいどのようなクルマなのでしょうか。

「CX-60」よりちょっと大きな中国専用SUV! パワートレインはEREVとBEVの2種展開

 マツダは2025年9月26日、新型電動SUV「EZ-60」を中国で発売しました。

 EZ-60は2025年4月に開催された上海モーターショー2025にて発表された中国専売EVです。開発は現地合弁相手でもある「長安汽車」と共同で行なわれ、製造と販売は合弁会社「長安マツダ」が行ないます。

 どのようなスペックや価格のクルマなのでしょうか。

マツダの中国向け電動SUV「EZ-60」は約250万円から!
マツダの中国向け電動SUV「EZ-60」は約250万円から!

 長安汽車と共同開発した中国向けEVは2021年の「CX-30 EV」が最初ですが、既存のマツダ車をベースとしないモデルとしては2024年の電動セダン「EZ-6」が第一弾となり、EZ-60はEZ-6の流れをくむ共同開発モデル第2弾となります。

 EZ-6は先立って2024年11月に中国で、2025年には「マツダ6e」として欧州でも発売されました。

 中国でのメーカー希望小売価格は、発電用1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載するEREVモデルが13万9800元〜17万1800元(約292万9000円〜359万9000円)、純電動のBEVモデルが15万9800元〜18万1800元(約334万8000円〜380万9000円)で販売されています。

 EZ-6は長安汽車の「ディーパル」ブランドから販売されているセダン「L07」をベースとしているように、EZ-60では同じディーパルのSUV「S07」をベースとしています。

 ベース車種が存在する一方、どちらもマツダのフィロソフィーに沿って独自の内外装デザインが与えられており、走りに関してもマツダ車らしく仕上がっています。

 そんなEZ-60ですが、発表から約半年が経った2025年9月26日に中国で販売が開始となりました。

 パワートレインはEZ-6同様に1.5リッター直列4気筒エンジンを発電用に搭載するレンジエクステンダーEV (EREV)モデルと、電気のみで走るバッテリーEV(BEV)モデルの2種類が用意されます。

 EREVモデルは「増程200 Air」「増程200 Air+」「増程200 Pro」「増程200 Max」の4グレードで構成されるのに対し、BEVモデルは「純電600 Pro」「純電600 Max」の2グレードのみとなります。

 価格はEREVモデルが11万9900元〜15万4900元(約251万2000円〜324万5000円)、BEVモデルが15万900元〜16万900元(約316万2000円〜337万1000円)としており、販売中のEZ-6よりも内外ともに大幅に進化したにも関わらず、価格はそれよりも安いという攻めの価格設定となります。

 EZ-60ではEZ-6よりも細部を刷新し、先進性と上質感を高めました。新たにデジタルアウターミラーを採用したり(Maxグレード専用オプション)、インストルメントパネルを廃止して助手席までカバーする26.45インチのセンターディスプレイに集約したりと、中国市場の好みを反映した内装が特徴的です。

 ボディサイズは全長4850mm×全幅1935mm×全高1620mm、ホイールベース2902mmと、日本でも販売されている「CX-60」よりも少し大きいサイズ感となります。

 EZ-60のデザイン要素でユニークな点が空力性能を意識した設計です。グリル上部からボンネットの前1/3までが空洞となっており、空気の通り道となっています。同じ設計はDピラーにも見られ、これによりEVにとって重要となる航続距離や電費を向上させています。

 四輪駆動モデルは設定されず、EREVとBEV問わず、全グレードで出力254hpの後輪駆動となります。EZ-6ではグレード間でバッテリー容量の違いがありましたが、EZ-60ではEREVモデルは容量31.73kWh、BEVモデルでは77.94kWhと、基本的にそれぞれひとつずつに集約しています。

 グレード別装備に関しては可変ダンピング調整、電動開閉式リアゲート、電動格納式ドアハンドル、携帯端末用無線充電パッド(50W)、前席シートヒーター/ベンチレーション機能、ヘッドレストスピーカーといったものが、「Pro」グレード以上の専用装備となります。

 また、最上位グレード「Max」ではハンドルヒーターや前席ゼログラビティシートが専用装備となり、専用21インチアルミホイールや後席シートヒーター/ベンチレーションもオプション装備として選択可能です。

 EZ-6は発売以降、毎月の販売台数は2000台前後を記録しているものの、後発のトヨタ「bZ3X」が6000台前後、日産「N7」が1万台前後を売り上げている点を鑑みると、販売規模はまだまだと言えます。

 EZ-6は質感も高く、決して悪いクルマではないのですが、数多く存在する中国メーカーの競合セダンよりも価格は若干高く、現在は各グレードともに4万元(約85万円)値引きされて販売されている状況です。

 ここでEZ-60を新たに投入することで、中国のEV市場における競争力をさらに高める狙いがあります。

 長安マツダとしては今後、EZ-6やEZ-60に続く共同開発EVをあと2車種投入する予定であると明かしており、2027年までに販売の9割をEV(含EREV・PHEV・BEV)にする計画とのこと。

 また、2026年中のEZ-60欧州市場投入も計画しており、マツダのグローバルでの販売計画においても長安マツダは重要な存在になることでしょう。

【画像】超カッコイイ! これがマツダ「新型EZ-60」です!(30枚以上)

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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