チャイルドシート使用率が過去最高に!でも潜む危険とは? JAF調査で判明した実態とは

JAFと警察庁が合同で実施した2025年のチャイルドシート使用状況調査で、使用率が過去最高の82.4%に達したことが明らかになりました。しかしその一方で、6歳未満の子どもの6人に1人が未使用という実態も浮き彫りになっています。調査結果から見える、子どもの安全を守るための課題に迫ります。

使用率は過去最高、しかし潜む課題

 子どもの命を守るために不可欠なチャイルドシート。

 その使用状況を把握するため、JAF(日本自動車連盟)と警察庁は毎年、全国調査を合同で実施しています。

 2025年9月25日に発表された2025年の調査結果によると、6歳未満の子ども全体での使用率は82.4%に達し、過去最高を記録しました。

チャイルドシート使用率が過去最高に!しかし潜む課題とは(画像はイメージ/フォトAC)
チャイルドシート使用率が過去最高に!しかし潜む課題とは(画像はイメージ/フォトAC)

 この結果は、長年にわたる交通安全意識の啓発活動や、保護者の安全意識の高まりが着実に実を結んでいることを示しており、非常に喜ばしい傾向と言えます。

 しかし、この数値を楽観視することはできません。なぜなら、裏を返せば、依然として17.6%、およそ6人に1人の子どもがチャイルドシートを使用されずに車に乗せられているという、見過ごすことのできない現実が残されているからです。

 万が一の事故の際、チャイルドシートを正しく使用していなかった場合の子どもの致死率は、正しく使用していた場合の約8.1倍にも跳ね上がるというデータもあります。

 調査結果をさらに詳しく見ていくと、子どもの年齢によって使用状況に差があることも分かっています。

 特に1歳未満の乳児では使用率が高い一方で、身体が大きくなる5歳ごろになると、チャイルドシートの使用をやめてしまう傾向が見られます。

 しかし、6歳未満全体の子どもへのチャイルドシート使用は、道路交通法で定められた運転者の義務です。

 また6歳以上であっても体格によってはクルマのシートベルトが十分な効果を発揮できない場合があります。

 その際は、ジュニアシート(背もたれ付きタイプまたは、ブースタータイプ)を活用しましょう。

 子どもの成長段階に合わせた適切なシートを選び、法律で定められた期間、確実に使用し続けることが求められます。

チャイルドシートが正しく取付けられていたのは74.8%、 着座状況調査では44.4%が正しく着座できていない現状も(資料引用:JAF)
チャイルドシートが正しく取付けられていたのは74.8%、 着座状況調査では44.4%が正しく着座できていない現状も(資料引用:JAF)

 また、使用率の向上と同時に深刻な課題となっているのが「取り付け不備」の問題です。

 せっかくチャイルドシートを使用していても、車両の座席に正しく固定されていなかったり、子どもを適切に座らせていなかったりする「ミスユース」が後を絶ちません。

 例えば、シートベルトの締め付けが緩い、ハーネス(子どもの体を固定するベルト)の高さが合っていないといった不備があれば、衝突時にチャイルドシートが本来の機能を発揮できず、子どもが車外に放出されるなどの重大な危険につながります。

 チャイルドシートは、万が一の際に子どもの命を守るための最後の砦です。

 その重要性を改めて認識し、いかなる状況であっても正しく使用することを徹底する責任が、運転者である大人にはあります。

【画像】「えぇぇ!」 シートベルトに付いてる「丸い黒ボタン」何のため? 画像を見る(24枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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