タッチパネル集約に物議!? 「物理ボタンは残して」の声も… タッチからボタンへの回帰はある? 現在のトレンドと各機能の特徴とは

現在のクルマにおける車内の“操作系”は、幅広いバリエーションがあります。タッチスクリーンや音声認識など最新の機能が採用される一方で、従来の物理ボタンも健在です。それぞれの特徴やトレンドを分析します。

車内のインパネまわり、機能をどうまとめるのがベスト?

 クルマのインパネ周りは、近年急速に進化を遂げています。

 物理ボタンに加え、最新モデルはタッチスクリーンや音声認識などの機能も採用されていますが、一体どのような特徴やメリットがあるのでしょうか。

タッチパネルと物理ボタンのバランスが難しいインパネまわり
タッチパネルと物理ボタンのバランスが難しいインパネまわり

 クルマのデジタル化と多機能化が進む中、インパネ(コクピット)まわりのすっきりしたデザインが流行しています。

 インパネからハード(物理)スイッチを減らしつつ、多機能化を進めるという相反する要素の両立は、内装デザインやユーザーインターフェースを担うエンジニア達にとって悩みの種といえるでしょう。

 1980年代まで遡ると、いすゞ「ピアッツァ」に代表される「サテライトスイッチ」と呼ぶメーターまわりの数多くのスイッチがカッコいいと評される時代もありました。

いすゞ ピアッツァの「サテライトスイッチ」
いすゞ ピアッツァの「サテライトスイッチ」

 しかし、現在は、カーナビやオーディオなどのAV関連をはじめ、アプリ(スマホ連携を含む)、アダプティブクルーズコントロールや駐車支援機能など、先進安全装備やシートやマッサージ機能などの快適装備、最先端のヘッドライトや内装のアンビエントライト、充電関連など多岐にわたる各種設定など、当時とは比べものにならない機能が用意されています。

 こうした多くの機能をタブレットのようなディスプレイにまとめたのが、テスラやボルボに代表される最新モデル。

 現在は、メルセデス・ベンツなどが助手席の前にもスクリーンを用意し、センターディスプレイとメーターディスプレイが3つ横に並ぶ先進的なインパネを用意しています。

 現行型のMINIも最新の「MINIオペレーティング・システム9(OS9)」を採用し、かつてないユーザーインターフェースを提供しています。

 少し前には、アウディの「MMI」、メルセデス・ベンツの「COMAND(コマンド)システム」、BMWの「iDrive」、レクサスの「リモートタッチ」、マツダの「MAZDA CONNECT」など、センターコンソールにコントローラーを配置し、手元でそうさせる方法もあり、現在も採用しているメーカーもあります。現在は、コントローラーとタッチスクリーンの両方から操作できるのが一般的です。

メルセデス・ベンツの「MBUX スーパースクリーン」
メルセデス・ベンツの「MBUX スーパースクリーン」

 タッチディスプレイで多くの操作をさせる手法は、すっきりしたデザインを実現できる一方で、一度に表示できるメニュー(アイコン)に限りがあり、使用頻度の高い機能をトップメニューに表示させるカスタマイズも可能ですが、初めて使う機能やたまに使う機能を探すと、階層が深くなってしまいます。その解決策として登場したのが音声操作(音声コントロール)です。

 メルセデス・ベンツの「MBUX」やBMWの「インテリジェント・パーソナル・アシスタント」、新型プジョー「3008」の「Chat GPT」などのほか、ボルボなどが先鞭を付けてホンダも採用し、新型の日産「ルークス」/三菱「デリカミニ」なども対応する「Googleアシスタント」も急速に普及しつつあります。

 対話型音声コントロールが主流で、AIの搭載も珍しくなっていますが、特定のキーワード(コマンド)を発話する従来型も含めて課題は、音声認識の精度向上です。

 こうした最新鋭の音声操作機能でも「その操作には対応していません」などの返答があった経験をしたことがある人も多いはず。

 また、フォルクスワーゲン「ゴルフ」は、現行型のマイナーチェンジで「8.5」世代に移行した際、不評だったエアコンの操作を改善。

 ディスプレイ下部に配されたバックライト付きタッチスライダーバーでの操作性が向上しています。

 現在は、タッチスクリーンへの集約という流れは変わらないものの、使用頻度の高いエアコンやオーディオ(音量など)の設定などをハードスイッチに残すというのがトレンドになっています。

 タッチパネルから物理ボタンへの回帰と言えなくはありませんが、今後、タッチパネルが減り、ハードスイッチであふれるインパネというのも少し想像しにくいものがあります。

 なお、ステアリングスイッチにオーディオ、ACCやレーンキープなどの先進安全装備を配置する傾向はかなり固まってきました。

 タッチスクリーンへの集約化と使用頻度の高いハードスイッチを残すというトレンドは、見た目や視認性、操作性や安全性の両立というのが最大の理由で、残念ながら音声操作がまだ完璧とは言いがたい状況だからです。

 一方、物理スイッチも簡単に増やせるわけではなく、主にセンタークラスターの面積が限られている中、デザイン性との両立も含め、どのスイッチを配置するかは設計や開発陣の悩みどころになっています。

 最新モデルで目を惹くプジョー新型「3008」のコクピットは、タッチスクリーンとハードスイッチをバランス良く残しつつ、ほかのモデルでは見ない個性的なデザインを提供しています。

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Writer: くるまのニュース編集部

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