ホンダの「高級“5人乗り”5ドアワゴン」がスゴい! V6“VTEC”高性能エンジン×全長4.7m級の「ちょうどイイサイズ」! SUV仕様もあった「アヴァンシア」に注目!

ホンダが1999年に発売した5ドアワゴン「アヴァンシア」。1世代だけで消えてしまったモデルですが、今も記憶に残る1台です。

時代を先取りしすぎた「異端児」!?

 ホンダが1999年に発売した「アヴァンシア」。先進的なコンセプトを持ちながら1世代のみで姿を消したこのクルマが、今「隠れた名車」として再評価されています。

 どのようなクルマなのでしょうか。

ホンダの「高級“5人乗り”5ドアワゴン」とは一体どんなクルマ!?
ホンダの「高級“5人乗り”5ドアワゴン」とは一体どんなクルマ!?

 1999年、ホンダの野心と創造性がひとつの形となったクルマが市場に登場しました。その名はアヴァンシア。

 上級セダンの質感とミニバンのような広さを融合させる「クラブデッキ」という全く新しいコンセプトを掲げ、乗る人すべてが主役となる「4席平等」の思想を追求した一台でした。

 しかしその先進性は市場に受け入れられず、商業的には成功を収めることなく一代限りで姿を消すことになります。

 アヴァンシアが目指したのは、後席乗員にも前席と同等以上の快適性を提供する「リムジン空間」の創造でした。

 大人が足を組めるほど広大な後席足元空間を確保し、後席専用のエアコン吹き出し口や大型アームレストを装備。

 インパネシフトの採用で実現したフラットなフロアは、室内の一体感と開放感を格段に高めました。

 その独特の「アーチキャビンフォルム」と名付けられた流麗なエクステリアも、この広大な室内空間を確保するための必然的なデザインだったのです。

 ボディサイズは、全長4700mm×全幅1790mm×全高1500mm(FFモデル)と、都市部の機械式駐車場でも対応可能なちょうどイイ大きさに収められています。

 技術的にも時代の最先端を走っていました。

 パワーと静粛性を両立した3リッターV型6気筒VTECエンジンを設定し、ホンダ初となる5速ATとゲート式インパネシフトを組み合わせました。

 現代のアダプティブ・クルーズ・コントロールの先駆けである「IHCC」をオプション設定するなど、まさに先進技術のショーケースだったのです。

 また、4WDモデル「アヴァンシア V-4」はベース車とは大きく異なり、オーバーフェンダー、ルーフレール、大径タイヤ、アップした地上高などで加飾され、トヨタ「ハリアー」のような高級クロスオーバーSUV風のキャラクターを与えられていました。

 さらに後には、スポーティモデル「ヌーベルバーグ」も用意されるなど、アヴァンシアにはさまざまなラインナップ展開も図られています。

 しかし、これほど意欲的なクルマが商業的に成功しなかった背景には、1999年当時の市場環境との深刻なミスマッチがありました。

 当時の市場は、ホンダ自身の「オデッセイ」が牽引する3列シートミニバンブームの絶頂期であり、またスバル「レガシィ」に代表されるスポーティなステーションワゴンが高い人気を誇っていました。

 セダンでもミニバンでもワゴンでもないアヴァンシアは、どのカテゴリーにも属せず、当時は今ほどのクロスオーバーSUV人気もなかったことから、その結果「誰のためのクルマなのか」が市場に伝わらなかったようです。

 ホンダの「新しいカタチの上級車」という提案は、明確なカテゴリー分けを求める市場においては、かえって戦略的な誤りとなってしまったのです。

 では、なぜ今になってアヴァンシアは再評価されているのでしょうか。

 その最大の理由は、そのコンセプトが現代のプレミアム・クロスオーバーSUVの設計思想を20年以上も前に先取りしていたからです。

 多人数乗車を前提としない贅沢な5人乗り空間、快適性重視の乗り心地、セダンのフォーマルさとワゴンの実用性を両立するスタイルは、まさに現代の主流です。

 時代がようやくアヴァンシアのビジョンに追いついたといえるでしょう。

 この再評価は、実際に所有したオーナーたちの「分かる人には分かる本当に良いクルマ」というSNSなどの声によっても裏付けられています。

 卓越した乗り心地と静粛性、広大で豪華な室内空間は、初めて乗る人が驚くほどのレベルだと評価されていました。

 2016年、ホンダは中国市場向けの新しいフラッグシップSUVに「アヴァンシア」の名を復活させました。

 これは、初代の先進的なコンセプトが、メーカー自身によって肯定された瞬間でした。

 時代を先取りしすぎたがゆえに一度は市場から姿を消した異端児は、時を経てその価値を証明し、今もなお愛好家の間で静かな輝きを放ち続けているようです。

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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