「外国人は日本語分からないから映像見てるだけでいい」 指導員の発言に物議… 千葉県警が釈明も批判止まらず【元警察官が解説】
批判が集まる背景には「外免切替」の問題も? どういうコト?
外免切替とは、外国の運転免許証を日本の運転免許証に切り替える手続きのことですが、その免許取得ハードルの低さからこれまで批判が相次いできました。
外免切替の手続きは原則として、書類審査→適性試験→知識確認→技能確認という流れで実施され、日本の交通ルールを問う学科試験のことを知識確認、運転技術をチェックする実技試験のことを技能確認といいます。
知識確認に合格すれば技能確認に進むことができ、技能確認をパスすれば晴れて日本の運転免許証を取得できるという仕組みです。
しかし上記の書類審査に関しては、外国人観光客のような短期滞在の外国人であっても、「旅券」と「一時滞在証明書」を提出すれば外免切替の申請ができるという驚愕の実態があります。
そのため、一時滞在先のホテルを住所地として日本の運転免許証を取得する外国人が後を絶ちません。

また、知識確認もイラスト・○×形式で問題がわずか10問しか出題されない上、7問以上正解で合格という非常に緩い基準であるほか、日本語以外の20数か国の言語で受験できるという有様です。
これら手続きの容易さには批判の声が多く上がり、これを受けて警察庁は今年10月1日から外免切替の手続きを厳格化する方針を示しています。
具体的には、外国人観光客の手続を認めないことや、知識確認の問題数を10問から50問まで増やし、合格基準を90%まで引き上げることなどを明らかにしています。
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警察庁の統計によると近年、外国人運転者による死亡・重傷事故は増加傾向にあることが判明しています。
今後は事故防止のため、外国人だからといって優遇するのではなく、日本人と同様に適切な指導をおこなうことが求められているといえるでしょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

































