めちゃスレスレ…! 路面電車と接近時どう運転? バスとの衝突事故も発生… 気をつけるべきルールとは
路面電車の近くを走る…その場合に覚えておきたい交通ルールとは
まず基本的な交通ルールとして車両は原則、路面電車の軌道敷内を通行できませんが、「右折、左折、横断、転回をするため軌道敷を横切るとき」や「危険防止のためやむを得ないとき」などは軌道敷内を通行することが可能です。
ただし車両の通行に関しては「後方から路面電車が接近してきたときは、路面電車の正常な運行に支障をおよぼさないように、すみやかに軌道敷外に出るか、路面電車から必要な距離を保つこと」と法令で定められています。
つまり、車両は路面電車の通行を妨げないようにしなければなりません。
車両が軌道敷を横切って右折する際も、対向から路面電車が近づいてきていないか安全確認をしっかりおこなうことや、軌道敷内で停止しないことが重要です。
右折しようとした先が渋滞していて前に進めず軌道敷内でクルマが止まってしまい、路面電車の妨げになるケースもあるため、余裕を持って右折すべきといえるでしょう。
また車両が右折する際は、対向の路面電車だけでなく、車両の右後方から走行してくる路面電車にも気をつけなければなりません。
交差点を右折しようとしたクルマが、右側後方から接近してくる路面電車に気づかず接触してしまう事例も実際に発生しています。
路面電車は急には止まれないということを念頭に置き、自動車側が配慮する意識を持つことが大切です。

そのほか路面電車が走る街では、車両用の信号機の下に「黄色の矢印信号」が設置されていますが、この黄色の矢印信号は路面電車専用です。
たとえば車両用の信号機が赤色で、黄色の矢印信号が上を示していたら、路面電車のみ直進することができます。クルマのドライバーは誤って進行しないよう注意しましょう。
※ ※ ※
路面電車に関しては、停留所付近の通行方法も法令で定められています。具体的には停留所に安全地帯がある場合、乗り降りする人の有無にかかわらず、クルマは徐行して通行します。
もし安全地帯がない場合には、乗り降りする人や横断する人がいなくなるまで路面電車の後方で停止しなければならないといったルールもあります。
観光などで路面電車が通行する街に行く際は、基本的な交通ルールを確認しておいたほうが良いでしょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。



















