日産「スゴイ技術」発表! 27年度から市販車に導入予定の「めちゃ便利機能」! “人間並みの判断力”で複雑な道路も運転ヨユーの「次世代プロパイロット」とは?
日産が開発中の次世代「ProPILOT」のデモンストレーションが東京・銀座で実施されました。同技術はAIと最新のLiDAR技術を融合させ、人間並みの判断力で都市を自在に走行します。2027年度の実用化を見据え、自動運転の新たな扉が開かれようとしています。
運転がよりラクになる「次世代プロパイロット」
2025年9月22日、日産は2027年度に日本市場への投入を予定している次世代運転支援技術「ProPILOT(プロパイロット)」を搭載した試作車によるデモンストレーションを、東京・銀座にて実施したと発表しました。
今回、同社の電気自動車「アリア」をベースとした開発試作車両が、複雑な都市環境の中をスムーズかつ安全に走行し、日産が描く未来のモビリティの姿を示しました。

日産は2016年に、同一車線でのハンズオン運転支援機能を備えた初代ProPILOTを導入しました。
その後、高速道路での複数車線対応や自動レーンチェンジを可能にした「ProPILOT 2.0」へと進化させ、着実に機能を拡充。
こうしたロードマップは、ドライバーの運転負担を軽減すると同時に、交通社会全体の安全性を高めることを目指して展開されてきました。
そして今回の次世代ProPILOTは、その延長ではなく大きな飛躍を遂げた新たなステージといえます。
2027年度には市販車への搭載が予定されており、日産が掲げる「より安全で効率的なモビリティの実現」に直結する技術となります。
次世代ProPILOTの大きな特長は、英国Wayve社が開発した「Wayve AI Driver」ソフトウェアと新世代LiDARを組み合わせたシステム構成にあります。
このAI Driverは、人間の熟練ドライバーのように状況を把握し、適切な判断を下す能力を持っています。
特に注目すべきは状況判断を1秒間に10回行っている点で、これは人間が自らの意思で判断している回数と同等であり、自然で滑らかな挙動を可能にしています。
従来のAIが特定の物体や動きを認識することに重点を置いていたのに対し、このシステムは周囲の変化全体を学習対象とし、現実の交通環境に柔軟に適応します。
その結果、急な飛び出しや複雑な交差点でも的確な判断を下せるのです。
また、レーダーは距離、カメラは近距離の障害物、LiDARは遠方の障害物を監視し、人間が景色を認識するのと同様に情報を画像化して処理。
これらの情報をAIが総合的に判断する仕組みとなっています。
搭載される次世代LiDARは、周囲の形状や位置を高精度で3次元計測し、それらを「真実(Ground Truth)」として認識。
これにより緊急回避操作を自動化し、日産の先進技術「Ground Truth Perception」を実現します。
夜間や高速走行時でも安定した安全性能を発揮できる点も特徴です。
開発車両には11基のカメラ、5基のレーダー、そして1基の次世代LiDARが搭載され、幅広い状況下での信頼性を確保。
さらに、ドライバーによる操作介入がほとんどなくても走行できる性能を備えており、将来的にはこの技術をベースに自動運転レベル4への到達も見込めるとしています。
なお、次世代ProPILOTの自動運転レベルは、国際基準であるSAEレベル2に相当します。
これは、運転席にドライバーが常に座り、車両の挙動を監視し続ける必要がある段階ですが、システムが担う領域は従来より大幅に広がっています。

日産でAD&ADAS先行技術開発部 戦略企画グループを率いる飯島徹也氏は、開発の難しさについて次のように語ります。
「AIをクルマに応用する際に最も難しいのは、人間のように“確実に機能する”システムをどう構築するかという点です。
膨大なトレーニングデータや計算資源を駆使しながらも安定性を維持することに注力しました。
単なるプログラム作成ではなく、人間の教育と同じように“どうすれば誤りを減らせるか”を検証し続けています」
また、日産のチーフテクノロジーオフィサーである赤石永一氏も
「次世代ProPILOTは現行のProPILOT 2.0を超える安心感を提供します。
まるで熟練ドライバーに運転を任せているかのような体験をもたらし、ドライバーだけでなく道路を利用するすべての人々に安全を届けます」
とコメントしています。
自動車業界は今、電動化と並び自動運転技術の高度化が大きなテーマとなっています。
日産が次世代ProPILOTで目指すのは、単なる運転支援ではなく、人とクルマと社会がより調和するモビリティの実現です。
2027年度の市販車導入を皮切りに、同社の取り組みは新たな展開を迎えることになるでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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