スズキ初のグローバルEV、新型「e VITARA」が日本上陸!「スズキらしい」工夫満載のSUVは日本のEV市場を変えるか
スズキは2025年9月16日、初のグローバルBEVとなる新型SUV「e VITARA」の日本仕様を発表。世界100以上の国と地域へ投入されるスズキの世界戦略車で、本格的な4WD性能が特徴。発表会では価格や発売日も公開されました。
e VITARAはどんなクルマ? 基本性能を突き詰めた「スズキの答え」とは
「e VITARA」は欧州を皮切りに世界100以上の国と地域へ投入される、スズキ初のグローバル戦略BEVです。
2025年9月16日に行われた発表会には、代表取締役社長の鈴木 俊宏氏、開発責任者であるチーフエンジニアの小野 純生氏、そして国内営業を統括する日本営業本部 本部長の玉越 義猛氏が登壇。
スズキが満を持して送り出す新型EVの全貌と、競争が激化する日本市場への意気込みを語りました。
「スズキらしい」工夫とこだわりが詰まった一台は、日本のEV市場に新たな風を吹き込む存在となるのでしょうか。

発表会の冒頭、壇上に立った鈴木 俊宏社長は、新型e VITARAがスズキの電動化戦略において極めて重要なモデルであることを強調しました。
「地域や市場の特性に応じた多様な選択肢をご提供する、スズキのマルチパスウェイ戦略の一環として、すでにご案内の通り販売を開始した欧州を皮切りに、グローバルモデルとして世界100以上の国と地域へ投入する、スズキ初のバッテリーEV SUVです」
世界的にEVの販売台数の伸びは鈍化傾向にあるものの、新車販売におけるEV比率は着実に増加しています。
スズキは、今後さらなる活性化が見込まれる日本市場においても、このe VITARAが重要な役割を担うと考えているようです。
鈴木社長は、2025年8月インドで行われた出荷開始式典に参加した際の現地での高い期待感に触れ、「本社がある日本でも発売できることを大変嬉しく思います」と、日本市場への導入に対する喜びを語りました。
e VITARAは単なる一台の新型車ではなく、カーボンニュートラルに向けたスズキの多様なアプローチを具現化し、世界市場で戦うための戦略的なグローバルモデルとしての使命を背負っているのです。

続いて登壇したチーフエンジニアの小野 純生氏からは、e VITARAがどのようなクルマなのか、その詳細なコンセプトと技術的な特徴が語られました。
「開発にあたり、まずはバッテリーEVである前に、クルマとしての走る・曲がる・止まるの基本性能を徹底的にブラッシュアップしてまいりました。
日本にあるスズキのテストコースだけでなく、世界中のお客様が実際に使用するような環境下での評価を積極的に実施してまいりました」
この言葉に、スズキのクルマづくりに対する実直な姿勢が表れています。
小野氏によれば、開発チームは他社のEVを徹底的にベンチマークし、実際にEVに乗るユーザーが日々経験する不便さの解決にも注力。
まさに「お客様の立場に立って」作り上げられた一台です。
e VITARAの商品コンセプトは「エモーショナル バーサタイル クルーザー」。
バッテリーEVが持つ先進的なイメージだけでなく、多機能性を合わせ持つSUVとして開発されました。
デザインテーマは「ハイテク&アドベンチャー」。EVの先進感とSUVの力強さを融合させ、「冒険心を刺激する力強い佇まい」 を目指したといいます。
大径タイヤとロングホイールベースによる存在感のあるスタイリングが印象的です。
インテリアは、インパネ中央からドアへとつながるデザインで力強さと上質感を両立。先進的なインテグレーテッドディスプレイやフローティングセンターコンソールも特徴です。

走りの面では、新開発プラットフォームと電動4WD「オールグリップE」を採用。
そして注目は、4WD技術をEVに最適化した電動4WDシステム「オールグリップE」です。
前後に独立した2つのE-アクスルを配置し、路面状況に応じて前後の駆動力配分を緻密にコントロール。悪路での走破性はもちろん、コーナリングでの高い安定性も実現しています。
これを支えるのが、EV専用に新開発されたプラットフォーム「ハーテクトE」。骨格構造の変更により大容量バッテリーの搭載を可能にしながら、軽量・高剛性を両立。最小回転半径は5.2mと、街中での取り回しの良さも確保されています。
またバッテリーには、安全性が高く寿命も長いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用。
パワートレインには、モーター、インバーター、トランスアクスルを一体化した「E-アクスル」を採用することで、EVならではのキビキビとした加速と、追い越し時などのシャープな加速感に磨きをかけたといいます。
そのほか運転支援技術では「デュアルセンサーブレーキサポートII」をはじめとする先進安全技術を多数搭載しています。
インテリアでは、メーターとセンターディスプレイを一体配置した「インテグレーテッドディスプレイシステム」を搭載。 ナビゲーションや車両情報が見やすく表示され、先進的な空間を演出します。
小野チーフエンジニアは「私自身は、バッテリーEVは特別な乗り物ではないと思っております。お客様にたくさん使っていただき、楽しく乗っていただくことが一番。そのために、安心や室内空間の広さを犠牲にしないことなど、お客様の立場に立ってチームスズキで作り上げました」 と、開発に込めた想いを語り締めくくりました。










































































