トヨタ「“最小”SUV」に注目! 超カッコいい斬新“黒”2トーン×全長3.7mの「ちょうどイイサイズ」! 大胆デザインの「欧州コンパクトSUV「アイゴX」日本導入に期待大!
欧州でスマッシュヒット中の最小コンパクトSUV「アイゴX」。大胆な“スパイス”デザインと最新ハイブリッドを備えながら、なぜ日本では買えないのでしょうか。
スパイス香る最小SUV「アイゴX」とは
トヨタが欧州で展開する最小コンパクトSUV「アイゴX」は、大胆なフォルムの超小型サイズモデルとして、国内でも密かに注目を集めています。
どのようなクルマなのでしょうか。

欧州Aセグメントの定番シティカー「アイゴ」が、三代目で大胆なクロスオーバーへ変身し、「アイゴX」としてデビューしたのは2022年のことでした。
初代と二代目は、フランス・PSAグループ(当時)との共同開発でしたが、3代目では「ヤリス」系GA-Bプラットフォームを短縮した100%トヨタ設計に移行。製造もチェコ・コリン工場に一本化され、開発から生産までの主導権を完全に掌握しました。
エクステリアは、南仏のトヨタデザイン拠点ED2が掲げた「スパイス」をテーマに企画。チリやカルダモンなど香辛料名の鮮烈なカラーに、バイトーン塗装を組み合わせ、17インチから18インチの大径ホイールとブラッククラッディングが“小さなSUV”らしい力強さを演出します。
最低地上高は従来モデル比で11mm高く、小さな段差を乗り越える余裕が生まれました。
デザイン初公開時の「アイゴXプロローグ」は、その強烈なグラフィックとコンパクトなプロポーションで話題となった一方、好みが真っ二つに分かれる“アクの強さ”でしたが、量産型になっても健在です。
そして2025年に実施されたマイナーチェンジでは、デイタイムランニングライト一体型グリルを採用し、フロントオーバーハングを76mm延長。質感と空力性能が磨かれると同時に、シリーズ初の「GR SPORT」も追加されました。
専用ショックアブソーバーとコイルスプリング、電動パワーステアリングの調整によって、“走りのスパイス”がさらに効いています。
また、日本発の著名ファッションブランド「UNDERCOVER」と協業した世界5000台限定モデルも話題となりました。
専用ボディカラーに加え、ルーフに配された“CHAOS/BALANCE”のレタリングや専用ホイールが強烈な個性を主張し、アイゴXを“走るファッションアイテム”へと昇華させています。
日本ブランドとの意外なリンクは、国内ファンにとっても見逃せないトピックでしょう。
インテリアは、楕円形センターダッシュにタッチディスプレイをビルトイン。空調操作は物理ダイヤルを残して直感性を確保し、ポップなボディ同色パネルで彩色されています。
上級グレードにはファブリックと合成皮革のコンビシートを採用し、機能性と質感を両立。2025年型では、7インチデジタルメーター、電動パーキングブレーキ、USB-C端子を新たに採用し、オプションのJBLプレミアムサウンドシステムが、車内をライブハウスのような空間に変えてくれます。
荷室容量は231リットル(JBL装着車は189リットル)。リアゲートの開口部はややタイトで、荷物の向きを工夫する必要がありますが、後席を倒せば奥行きが拡大し、キャンプ用品も積みやすくなります。
安全面では「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」を全車に標準装備。プリクラッシュセーフティ、全速域対応アダプティブクルーズコントロール、レーントレーシングアシストなど、B・Cセグメント級の先進機能を搭載し、安心感を大幅に高めています。
発売当初は1リッター直列3気筒の自然吸気エンジン(72PS/93N・m)を採用。CVTと5速MTを用意しました。
2025年のマイナーチェンジでパワートレインは刷新され、ヤリスクロス譲りの1.5リッターハイブリッド(116PS)が搭載されました。
これによりアイゴXはハイブリッド専用車へと移行し、発進加速と環境性能が大幅に向上。リアブレーキもドラムからディスクへと進化し、制動フィーリングが高められています。
ボディサイズは全長3700mm(2025年以降は3776mm)×全幅1740mm×全高1525mm、ホイールベースは2430mm。最小回転半径は4.7mで、狭い裏路地や立体駐車場のスロープも難なくクリアします。
価格は1万8090ユーロ(約313万円)からです。
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国内では、100万円台から手に入る廉価なコンパクトSUV「ライズ」がラインナップされており、輸入車扱いで高額が予想されるアイゴXが導入される可能性は低いかもしれません。
ただし国内生産とすれば、コストの課題も解消できます。
もともとは欧州専売車として開発されていた「ヤリスクロス」も、最終的には国内でも販売される決断が下されたといいます。
トヨタの英断が期待されるところです。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。






































