突然の豪雨で道路が冠水したら? 「少しくらいなら走れるのでは」には大きな危険が! 冠水路のリスクと今日からできる備え

2025年9月3日、新潟県上越市では線状降水帯による豪雨で、道路の冠水や浸水被害が相次ぎました。また9月11日には東京都内の各地で冠水が発生しています。このように、近年は台風や集中豪雨による水害が増加し、クルマでの移動に大きなリスクをもたらしています。

冠水路の危険性と“備え”の重要性

 台風が接近しやすい秋は、急な豪雨や河川の氾濫によって道路状況が一変することも少なくありません。

 実際に、2025年9月3日には新潟県上越市で線状降水帯が発生し、短時間で広範囲が浸水。また9月11日には東京都内の各地で冠水が発生しています。

 そうした状況に遭遇した場合、どのようなコトに注意すればいいのでしょうか。

冠水路での 「少しくらいなら走れるのでは」には大きな危険が!(画像はイメージ/PIXTA)
冠水路での 「少しくらいなら走れるのでは」には大きな危険が!(画像はイメージ/PIXTA)

 台風や集中豪雨による道路冠水は、近年とくに目立つようになっており、全国で繰り返されることで日常の移動にも深刻な影響を与えています。

 道路が冠水しても「少しくらいなら走れるのでは」と判断しがちですが、実は大きな危険が潜んでいるようです。

 JAFが2010年に実施した「冠水路走行テスト」では、走行速度が高いと、水深30cmでもエンジンルームに大量の水が入り込み、エンジンが停止するケースが確認されました。

 さらに、水深60cmでは、時速10km程度の低速であってもフロントガラス下まで水をかぶり、短距離で走行不能になるという結果が出ています。

 つまり、一見して浅そうに見える場所でも、進入すれば想像以上に深く、クルマが立ち往生してしまう危険があるというわけです。

 そして、冠水路の怖さは「先が見えない」ことにあります。濁った水の下でマンホールのふたが外れていても気づくことができず、タイヤがはまり込むおそれがあります。

 地形的に水がたまりやすく、短時間で冠水する事例が多いアンダーパスや川沿いの道路は特に注意が必要です。

 国土交通省が公開する「ハザードマップポータルサイト」や各自治体の洪水・土砂災害ハザードマップを確認しておけば、身近な危険箇所を把握できます。

 また、「Yahoo!防災速報」などのアプリを使えば、警報や浸水リスクをリアルタイムで把握でき、安全なルート選びにも役立ちます。

もし運転中に浸水してしまったら

 万が一クルマが浸水してしまい車内に水が入り込んでも、落ち着いて行動することが重要です。

 このような状況に陥った場合はシートベルトを外し、窓が水面より上にあるうちは窓を開けて脱出することが基本とされています。

 もし窓やドアが開かない場合は、「緊急脱出用ハンマー」などのアイテムを使用し、サイドウインドウを割って脱出しましょう。

 さらに、防災の観点からは、クルマに常備できるグッズを揃えることも欠かせません。

 たとえば、携帯ライトを常備していれば暗い状況でも周囲を確認でき、避難行動をとる際に役立ちます。

 また、前出の緊急脱出用ハンマーのほか、シートベルトカッターや防水バッグなどをあらかじめ車内にまとめておけば、万が一クルマが浸水した際に対応しやすくなります。

 なお、エンジンや電気系統に水が入ってしまうと、ショートや火災を引き起こすおそれがあるため、浸水したクルマを不用意に始動させるのは非常に危険です。

 とくに、海水に浸かると塩分で配線が腐食しやすく、過去には時間が経ってから発火する事例も報告されているといいます。

 水に浸かった後はエンジンをかけず、可能であればバッテリーのマイナス端子を外してJAFなどのロードサービスに連絡するのが適切とされています。

※  ※  ※

 近年増えている台風や集中豪雨による道路冠水は、クルマにとって大きな危険をともないます。

 しかし、前もって備えておけばいざというときに冷静に対応が可能で、そこから導き出される正しい行動が自分と家族の命を守る要になります。

 また、台風シーズンに入る前に、改めて加入している自動車保険の補償内容を確認しておくことも大切です。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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