トヨタの「“タマゴ型”ミニバン」! ぐるぐる回る「シート」搭載の「“全長4.8m級”モデル」! 次期型エスティマとされた「ファイン コンフォート ライド」とは

2017年に公開され、次期「エスティマ」と噂されたトヨタのコンセプトカー「ファインコンフォートライド」。なぜ現在まで市販されず、その先進技術はどこへ行ったのでしょうか。

「プレミアムサルーン」として生まれた卵型ミニバン?

 2017年の第45回「東京モーターショー」で、トヨタは未来の高級車像を示すコンセプトカー「Fine-Comfort Ride(ファインコンフォートライド)」を公開しました。

 トヨタはこのモデルを、燃料電池自動車(FCV)技術を核とした「プレミアムサルーンの新しいかたち」と位置づけましたが、その流麗なワンモーションフォルムは多くの人々に「天才タマゴ」と称された初代「エスティマ」の再来を思わせました。

卵フォルムのミニバン!
卵フォルムのミニバン!

 エクステリアデザインの最大の特徴は、車体中央部が最も幅広く、後方に向かって絞り込まれる「ダイヤモンド型キャビン」と呼ばれる形状です。これは2列目シートの空間を最大化しつつ、空力性能を高めるための機能的なデザインでした。

 そのボディサイズは全長4830mm×全幅1950mm×全高1650mm。ホイールベースは3450mmという異例の長さを持っていました。

 インテリアは「wearing comfort(快適さに包まれる)」というコンセプトのもと、6席すべてが独立したキャプテンシートで構成されていました。

 シートは自由に回転・スライドさせることが可能で、乗員同士が向き合う「コミュニケーション空間」へと変化させることができます。

 Bピラーレス構造による大開口のスライドドアも、開放的な室内空間の演出に貢献していました。

 パワートレインは水素をエネルギー源とする燃料電池で、各車輪にモーターを内蔵するインホイールモーター方式を採用しました。

 これにより、大きなスペースを必要とするエンジンや駆動系などの部品が不要となり、広大な室内空間とデザインの自由度を実現しました。性能面でも野心的で、約3分の水素充填で約1000km(JC08モード)の航続距離を目指していました。

 この革新的なコンセプトカーは、SNSなどで「次期エスティマではないか」と大きな話題を呼び、その斬新なデザインや室内空間に称賛の声が相次ぎました。

 しかし、多くのファンの期待とは裏腹に、エスティマは2019年に生産を終了し、ファインコンフォートライドの市販化も現在まで実現されていません。

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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