ホンダの「2ドア“MR”ハッチバック」!? スライドドア採用の「“5人乗り”モデル」!コンパクトなのに“広びろ内装”な米国で登場した「ステップ“バス”」とは

2006年にホンダは、ロサンゼルスオートショーにおいて、デザインスタディモデル「Step Bus Concept(ステップバスコンセプト)」を発表していました。ミッドシップエンジンと広い室内を組み合わせた、この斬新なコンセプトカーはどのような意図を持って作られたのでしょうか。

ホンダが挑んだ新発想の2ドアMRハッチバック

 アメリカン・ホンダモーターは、2006年のロサンゼルスオートショーにおいて、デザインスタディモデル「Step Bus Concept(ステップバスコンセプト)」を世界初公開していました。

 ステップバスコンセプトは、ホンダの革新的なパッケージング技術とデザインの可能性を世界に向けて示す機会となったのです。

ミッドシップのハッチバック?
ミッドシップのハッチバック?

 ホンダは、ステップバスコンセプトについて「様々に利用できる広い室内を実現するホンダのパッケージ技術を象徴するデザインモデル」と説明しています。デザインは和光デザインセンターで行われました。

 外観デザインは、直線的でシャープなボディラインと角張ったフォルムが特徴的。ボディカラーに採用されたグリーンが、コンパクトながらも力強い存在感を放っています。

 ステップバスコンセプトの最大の特徴は、2ドアボディに採用されたスライドドアです。スライド式のフロントドアによって乗り降りの利便性が高まり、広い開口部も確保。狭い都市部でも乗降することができ、都会に最適化されたパッケージと言えるでしょう。

 インテリアは小さな外観と対照的に広々としており、大量のバンド用具やスポーツ用具などの様々な用品を収納することができます。また、車内は5人乗りとなっています。

 パワートレインには、小排気量のエンジンをミッドシップに搭載し、後輪駆動のレイアウトを採用。スポーツカーのようなメカニズムと広い室内空間を両立させた、新発想の2ドアハッチバックとして注目を集めました。コンパクトなボディでありながら、走りの楽しさと実用性を両立させたモデルと言えるでしょう。

 ステップバスコンセプトは、2011年に発売されたホンダ「N-BOX」の原型ではないかという説も一部で囁かれていますが、公式にはそのような発表はありません。ただ、N-BOXのデザインや、実用的なスライドドア、広い室内空間といった特徴には、ステップバスコンセプトとの共通点が見られます。

 この斬新なコンセプトカーは、実用性とスポーティさを融合させた新しい発想のモデルでした。スライドドアやミッドシップレイアウトといった革新的な要素を取り入れたステップバスコンセプトは、現在のクルマ作りにも通じる先進的なアイデアを示したコンセプトカーだったと言えるでしょう。

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Writer: 青木一真

埼玉県生まれ。宅配ドライバーを経験した後に、車中泊関連の記事執筆を開始。現在はフリーライターとして、車メディアに従事している。自動車は輸入車、スポーツカー、SUV、ミニバン、軽自動車の所有を経験。月間3000kmほどを走行している。

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