トヨタ「“新”5人乗りワゴン」に大注目! 5ナンバー“シエンタサイズ”に斬新「左だけ電動スライド」×斬新“クラウン風デザイン”採用! タクシーの定番「JPN TAXI」の進化とは
タクシー専用車として販売されているトヨタ「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」。今回はこのジャパンタクシーにスポットを当ててみます。
進化するタクシー専用車!トヨタ「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」
お酒を飲んだあとや知らない土地での移動など、目的地まで楽に移動したいときに重宝するタクシー。そんなタクシーの「専用モデル」として販売されているのがトヨタ「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」です。
直近では一部改良モデルも登場していますが、一体どのようなクルマなのでしょうか。

今までタクシーの定番車といえば、トヨタ「クラウンセダン」や日産「セドリック」、マツダ「ルーチェ」などの5ナンバーサイズのコンパクト4ドアセダンでした。
しかし、高齢化やバリアフリーの促進、訪日外国人の増加などから、誰でも乗りやすく「日本のおもてなし」が感じられる優しいタクシーが求められるようになりました。
そんななかトヨタは、2013年の「東京モーターショー」で次世代タクシーのコンセプトカー「JPN TAXI Concept」を発表。
その後、2017年10月に市販モデルとして登場したのが「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」です。
JPN TAXIはトヨタのミニバン「シエンタ」(2代目・先代型)をベースにし、5ドアワゴンのボディに電動スライドドアを装備。左側にのみ装備された大開口の電動リアドアは、乗客の乗り降りを容易にしています。
バリアフリー化も意識した造りで、車椅子のままで乗車できる低床でフラットなフロアを採用。
さらには、乗り降りしやすいリアシートの大型グリップや、携帯電話を充電できるUSBポート、シートヒーターや冷風を後席に届けるサーキュレーターの設置、照明付きシートベルトの採用など、乗客の快適性を考慮した装備が配置されています。
大きなラゲッジルームには、スーツケース平積み2個、ゴルフバッグなら4個を収納できる401リッター(VDA法)の容量を設定。訪日外国人など、荷物が多い長期旅行者にも配慮された設定です。
エクステリアには格子状のグリルを用いて、従来の「クラウン」シリーズタイプをイメージさせる、流行に左右されないデザインとなっています。
また、従来のタクシーに慣れている運転手への配慮として、ドアミラーではなくフェンダーミラーが装備されています。
JPN TAXIのボディカラーは全3色。メインカラーとなる「深藍」は、海外から「ジャパンブルー」として賛美されているカラーがベースです。
街並みにも溶け込む自然な美しさ、そして冠婚葬祭やビジネスシーンまで対応する安心感、さらには補修の容易さにも配慮されたカラーリングです。
ボディサイズは全長4400mm×全幅1695mm×全高1750mm、ホイールベース2750mmです。ベース車のシエンタに近いもので、今までの小型タクシーと同じく、5ナンバーサイズを維持しています。
パワートレインは「THS(トヨタ・ハイブリッド・システム) II」をベースに新開発した1.5リッターLPGハイブリッドシステムで、最大出力74馬力・最大トルク111Nmを発揮。燃費も16.5km/L(WLTCモード)と、扱いやすい数値をマークしています。
LPG(液化石油ガス)はタクシー車両で主流の燃料(プロパンガス)となっており、低価格というメリットもあります。
また、丈夫なサスペンションや破損時に交換しやすいバンパー構造やライトレンズ、そしてベルト不要となる補機類なども採用され、ビジネスシーンでタフに活躍してくれる車両へと仕上げられました。
先進機能では、予防安全パッケージ「トヨタ セーフティ センス」が全車に標準装備され、6箇所のエアバッグ装備で乗客の安全性にも配慮されています。
JPN TAXIは、当初2020年に開催予定だった「東京2020オリンピック大会」に向けて東京都23区部を中心に大量導入されました。そして現在では、全国のタクシー主力車として活躍しています。
これまでにも幾度かの改良が施されてきたJPN TAXIですが、2025年6月2日にも一部改良を実施。
52リッターから58リッターへとLPGタンク容量も拡大され、一充てんあたりの航続可能距離が伸びています。
室内装備では、上級グレードの「匠」に採用される天井サーキュレーターの吹き出し口フィンを、乗客が自由に調整できる可動式に変更しています。
先進機能も改良されておりトヨタ セーフティ センスの機能向上により夜間の歩行者や自転車、右折時の対向直進車や歩行者に対応。また「緊急時操舵支援機能」や「低速時加速抑制機能」なども追加装備しています。
同じく、車線逸脱警報には逸脱抑制機能の追加、匠グレードにブラインドスポットモニターの設定、事故発生時には自動通報サービスを担う「ヘルプネット」、そして車両トラブル時の案内表示「eケア」などが標準装備されました。
メーターデザインが変更され、視認性を向上したのも嬉しいポイントです。
他にも、外部給電アタッチメントの新規メーカーオプションも設定されています。
JPN TAXI 一部改良モデルの販売価格(消費税込)は、345万5100円から368万600円。一般ユーザーが購入することも可能です。
日常生活ではお馴染みとなったJPN TAXI。一部改良されてグレードアップしたことは、クルマ社会がより安心で安全なものになったともいえるでしょう。
街中で見かけたら、ぜひ一度乗車してみてはいかがでしょうか。
Writer: TARA
トヨタ自動車のある愛知県在住。学生時代にクルマやバイクに魅了される。大手オイルメーカーに就職し、自らもモータースポーツに参戦開始。その後は鈴鹿サーキットで勤務しつつ、カートレースやバイクレースを経験。エンジンやサスペンション、タイヤや空力などの本格的な知識を得る。現在はプライベートでさまざまなクルマやバイクに触れながら、兼業ライターとして執筆活動に勤しむ。現在の愛車はトヨタ ヴォクシー/ホンダ N-BOX。






































