600万円超え! ホンダ「新型プレリュード」発売! 「24年ぶりに復活」した“スペシャリティカー”は「スポーツカー」とどう違う? 「ライバル不在」の“新モデル” 何を目指したのか
ホンダ「プレリュード」が復活しました。再び「スペシャリティカー」というキャラクターを抱えて登場しましたが、現代におけるスペシャリティカーとはどのようなものなのでしょうか。
新時代の「スペシャリティカー」とは何なのか
ホンダは2025年9月4日、新型スペシャリティクーペ「プレリュード」を発表しました。翌5日に発売しています。
24年振りに復活したプレリュード。プレリュードといえば1980年代にデートカーとしても名をはせた「スペシャリティカー」であり、今回で6代目となった新型も、「スペシャリティスポーツハイブリッド」とホンダ自身は表現しています。
スポーツカーともラグジュアリーカーとも違う、ホンダが考えるスペシャリティカー像とはどんなものなのでしょうか。

近年、日本車でクーペが登場すると、サーキットでのタイムや「他のモデルより何秒速い」といったようなアピールが印象的で、スポーティなキャラクターの強いモデルが多い傾向にあります。
実際、トヨタ「GR86」/スバル「BRZ」や日産「フェアレディZ」などはプレリュードと同じクーペですがスポーツカーの要素が強いです。
しかし、プレリュードは歴代モデルと同じようにスペシャリティカーとしてのあり方にこだわりました。
今回の新型モデルも、0-100km/h加速タイムなど、性能の絶対数値が明らかにされていないポイントからも、このクーペが目指したのはスポーティな速さでないのが分かります。
取材で話を聞いてみると、ホンダが考えるスペシャリティカーとは「運転の楽しさを持ちながらも、デートにも使えるようなコンフォート性を持っている」であることが見えてきました。
具体的にはスポーツモデル「シビックタイプR」のサスペンションをベースに、ハンドリング性能と旋回性能を高めながらも、ダンパーなどはコンフォート重視なセットアップにして上質な乗り心地を実現しています。
また新たなハイブリッド制御「Honda S+Shift」は有段ギアを持つような運転の楽しさと、静粛性の高いハイブリッドらしい乗り味の二面性を持っています。
価格(消費税込)は約618万円。600万円オーバーの価格ということで、決して安くない価格帯であり、この金額帯には様々な2ドアクーペが存在しています。
スポーティなキャラクターでいえばフェアレディZやトヨタ「GRスープラ」、ラグジュアリーなキャラクターでいえばレクサス「RC」、少し上の価格帯となりますがBMW「4シリーズ」なども競合車種として入ってきます。
ホンダとしても競合車種をチェックするため、開発中には様々なモデルを試乗し調査したそうですが、スペシャリティカーという現代における新たな価値観を想像するために、あえて明確な競合車種は設定しなかったそうです。
こうして誕生した新型プレリュードは、乗用域での運転の楽しさと高いコンフォート性能を兼ね備えたモデルとなりました。
ハイブリッドで運転が楽しく、長距離を快適に速く移動できるGT(グランドツーリングカー)的な快適性も持っていて、速さでもラグジュアリーでもない、現在のクーペ市場にはない価値を持つモデルなのです。
現代のクーペとして新しい価値を持つ新型プレリュードが、果たしてパーソナルクーペ市場で受け入れられるのか。
これは、スペシャリティカーが現代において復権を目指せるかの命運を握っているといえそうです。




















































