同じトヨタ「ヤリス」でもハッチバックよりSUVの方が安く買える!? 30万円も高いのになぜ? 「逆転現象」が起きる“カラクリ”とは!
残価設定ローンを使う時のコツは?
ヤリスクロスの残価をヤリスよりも大幅に高く設定した理由は、返却された車両を中古車市場に卸した時に、高値で販売できるからです。
ヤリスクロスは人気のSUVで、リセールバリューも優れているため、残価設定ローンの残価を高くできました。
残価設定ローンを使う時のコツは、中古車市場で高く販売できる人気車を選ぶことです。

一方、定額制カーリースの「KINTO」で2車を比べると、初期費用フリープランで契約期間は3年間の均等払いにした場合、ヤリスハイブリッドZ・2WDは月々の使用料金が5万6100円、ヤリスクロスハイブリッドZ・2WDは5万6210円です。
残価設定ローンと違って逆転現象は生じませんが、価格差が30万円以上でも、使用料金はほぼ同額となります。
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残価設定ローンやKINTOでは人気車がトクですから、ますます売れ行きを増やします。逆に残価の低い不人気車は、落ち込みが一層激しくなります。
つまり残価設定ローンやカーリースには、車種間の販売格差を拡大する作用があります。不人気車は廃止に追い込まれます。
メーカーにとっては販売効率の優れた車種だけを残すことが可能になり、残価設定ローンやカーリースは、結果的に商品をリストラする手段にも使われているのです。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。





































