新車152万円から! トヨタの「定番ライトバン」が“サイコーの相棒”に!? なぜ「プロボックス」をカスタムする人が増加? 商用だけじゃない“意外な使い方”とは!
トヨタの商用車でありながら、自家用車として愛用する人も多いのが「プロボックス」です。実際に購入したオーナーに、その魅力について聞いてみました。
トヨタの「定番ライトバン」が“サイコーの相棒”に!?
トヨタの商用車でありながら、自家用車として愛用する人が多く、最近ではカスタム用のベース車両としても人気を集めているのが、ライトバンの「プロボックス」です。
最近はステーションワゴン人気が低迷し車種が減ったとはいえ、なぜ乗用ではなく商用のプロボックスを普段使いに選んだのでしょうか。
実際に乗用として普段使いから趣味にも活用しているオーナーに、その魅力を聞いてみました。

プロボックスは、それまでの商用車「カローラバン/スプリンターバン」の後継モデルとして、2002年に誕生しました。
当時、同じ4ナンバーのバンとして凌ぎを削る日産「ADバン」を超える性能の確保を目的に、新車価格は120万円を切るという安さと、軽量化による車重の軽さがもたらす低燃費性能、都市部での駐車場事情などを踏まえて5ナンバーサイズに収められたボディ、荷室の広さを最大限確保するように新設計されたリアの足回りなど、かなり力の入ったモデルとして登場しています。
「シンプル・イズ・ベスト」をテーマとし、できる限りの加飾を減らしつつ、「ノートPCが入る大型ドアポケット」や「カード&ペンホルダー」「格納式テーブル」「長時間乗車でも疲れにくいシート」など、ビジネスユースを考慮したアイテムを多数備えました。
その後、2014年にはマイナーチェンジが行われ、プラットフォームの変更に合わせ外観も刷新。それまで設定されていたディーゼルモデルは廃止され、新たに全車CVTを搭載します。
また、2016年には「トヨタセーフティセンスC(当時の名称)」を標準化する一部改良、2018年にはハイブリッドモデルも追加されるなど、現代に合わせたアップデートが行われ、ライトバンの定番モデルとして幅広く活躍しています。
デビュー時から、トヨタはアウトドアに活用できるという提案をしていたのですが、当時はミニバンやSUVが一般的で、商用バンはあまり個人ユースでは人気が出ていませんでした。
しかし、2019年あたりから潮目が変わり、新型コロナによって行動制限を余儀なくされた中でのアウトドアブームの再燃と、キャンプブームの到来で一気に注目度がアップ。
商用バンらしいシンプルかつ堅牢な作りを特徴としつつ、5ナンバーサイズで、最小回転半径も4.9mと小回りも利き、扱いやすいガソリンエンジンは軽量ボディの恩恵もあって想像以上にキビキビ走り、燃費も15km/L前後となかなか優秀です。
また荷物の積載を前提とした足回りは挙動変化も少なく、操縦安定性は想像以上。何よりスペース効率を追求したラゲッジスペースは、タイヤハウスの出っ張りも最小限かつフラットな床面で、これが車中泊ブームとマッチしたのです。
加えて、152万9000円(消費税込)から購入できるという価格設定も魅力となっています。
そんなプロボックスですが、多少のカスタムを施すだけで「キャンパー仕様」が完成するとあって、意外な人気を博すことになりました。
ただ、ビジネスモデル状態のプロボックスをそのまま乗るのは、さすがにちょっと寂しく感じることもあり、乗用目的で入手するオーナーは、カスタムするのがブームとなっています。
実際に、オールペンや車高アップ、オフロードタイヤ装着などキャンパー仕様にカスタムしているオーナー、I氏にプロボックスの魅力を聞いてみました。
「実用的で内装も装備もシンプルで安いのが、選んだ最大の理由です。そのままでは味気ないのでボディを好きな色に塗り替えたり、悪路走破性を高めるために足回りを替えても全体の予算が抑えられます。
シンプルな内装も自分なりに内張りを替えてみたり、ほしい装備は後付けすればいい。安全装備は充実していますし、大量の荷物を積載しても沈み込みが少ない。普段使いでも取り回ししやすいので、機動性もいいんですよ」
I氏のプロボックスは、外装パーツを取り付け、タイヤ&ホイールをオフロード車タイプに換装。さらにボディもカーキ色に塗り替え、オリジナリティあふれる1台に仕上げたとのこと。
「全体の予算を抑えるために1.5リッターのFFモデルを選択。移動は舗装路が多いし燃費も考慮すれば2WDで十分でした。全部で200万円程度でここまで仕上げられるクルマはあまりないと思います」(プロボックスオーナー I氏)
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スペース効率と経済性に優れ、シンプルで壊れにくい構造で、ソコソコの予算でカスタムも楽しめるところのが、プロボックスの新たな魅力となっているようです。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。






















































