「クルマのヘッドライト」なぜ黄ばむのか? 暗すぎると「車検NG」に!? 多くの人が間違っている“くすみ”を解消する「正しい方法」とは?

経年劣化により、クルマのヘッドライトはくすみが目立ったり、黄ばんでしまうことがあります。解消法として、表面を薄く研磨する方法がありますが、多くの人は間違った磨き方をしているようです。どういうことなのでしょうか。

「クルマのヘッドライト」なぜ黄ばむのか?

 ヘッドライトは、クルマの見た目に大きく影響する部分で、経年していくと「くすみ」や「黄ばみ」が発生し、いかにも古ぼけた印象になってしまいます。

 そんな「くすみ・黄ばみ」の解消法としてメジャーなのが、「磨き」と呼ばれる表面の研磨。劣化した表面を薄く削ることで、新品のようにキレイな状態にできると言います。

 ヘッドライトのくすみや黄ばみはどう対処すべきなのでしょうか。

クルマが古く見える原因になる黄ばんだヘッドライト
クルマが古く見える原因になる黄ばんだヘッドライト

 ヘッドライトのくすみや黄ばみの原因は、カバーに使用される「PC(ポリカーボネイト)樹脂」にあります。

 この素材は、成型しやすくガラスより強度があり、衝撃などで破損した場合でも飛散しにくいというメリットがある一方で、日光に含まれる紫外線に弱く細かい傷がつきやすいという特性も。

 そして、経年によって生じた細かい傷、もしくは細かい傷に入り込んだ汚れが溜まり、くすみや黄ばみが発生するというわけです。

 また通常、ヘッドライトの表面には専用のコート剤が塗布されているのですが、これも紫外線や湿度によって被膜が壊れ、くすみなどの原因になっています。

 そんなヘッドライトのくすみや黄ばみが進行しすぎると、見た目が古ぼけるだけでなく、実際の光量が低下し車検にも通らなくなることもあります。

 このくすんだヘッドライトをリフレッシュさせるには、表面を研磨して細かい傷を目立たなくさせる方法が一般的になっています。

 そこで購入しやすく、自分でもできそうなのが「コンパウンド」を使用したヘッドライト表面の研磨ですが、実際はDIYでの作業は上手くいかないケースがほとんど。その理由をT整備士に聞いてみました。

「多くの人が、粗めや細かめといった数種類のコンパウンドや耐水ペーパー(紙やすり)などを使用すると思いますが、いきなり粗い番手で手っ取り早く傷を消そうとするあまり、逆に無駄な傷を無数に作ってしまうのです。

 その結果、新たな白ボケを作ってしまい、キレイな仕上がりとは程遠くなります。

 かんたんに見える作業こそ、正しい手順で丁寧に繰り返し作業することで仕上がりが違ってくるのです」

 正しい手順では、まずはヘッドライト表面をカーシャンプーなどでしっかり洗い、落とせる汚れを落とすことが第一歩。

 次に、手持ちのなかで、もっとも目が細かいコンパウンドを用いてヘッドライト表面を軽く研磨。それでもくすみや黄ばみが取りきれない場合、その次の番手のコンパウンドを使用する、といった具合に、「粗め」→「細かめ」ではなく、「細かめ」→「(徐々に)粗め」→再び「細かめ」を使用します。

「コンパウンドで磨くというのは、実際はさらに細かい傷で深い傷を目立たなくする作業です。

 一部分のみ削り過ぎてしまう傾向もあるので、何度も薄く研磨を繰り返す手間をかけることが、よりクリアなヘッドライトに仕上げるコツになります」(T整備士)

 この研磨工程ですが、プロは少しずつ何度も行うほど手間のかかる作業。そして研磨だけでは終わらないのがヘッドライトのくすみや黄ばみ対策の難しいところです。

「表面を研磨したことで、古くなったクリアなコーティング膜もなくなってしまっています。

 研磨によってさらに微細な細い傷には汚れも付着しやすいので、微細な傷を埋めつつ、表面を紫外線などから守るためにも、ヘッドライト専用のコーティング剤は必須です。

 専用コーティング剤も市販されており、これを使うだけでもある程度のくすみが解消することもあります」(T整備士)

 さらに、100円ショップなどで購入できる「アルカリ電解水」は油汚れなどを分解する効果があるため、黄ばみ取りにはそれなりに有効とのことですが、ボディコーティングの被膜も溶かしてしまう恐れがあるため、注意して使う必要があります。

※ ※ ※

 ヘッドライトのくすみや黄ばみは、見た目はもちろん、光量不足を招く原因になります。

 夜間の運転のしやすさはもちろんのこと、安全にも繋がる部分だけに、できるだけクリアな状態を保ちましょう。

【画像】超スゴい! 黄ばんだヘッドライトをプロがゴリゴリ削ってみた!(12枚)

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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