マツダ「新型CX-5」まもなく発売! 全面刷新で「何が変わった」!? 大きな「期待」の裏にある「かすかな“不安”要素」とは

新型「CX-5」、まさかの売れ筋の「ディーゼル」を不採用!?

 なお、2022年に発売されたラージクラスの5人乗りSUV「CX-60」は、CX-5の実質的な後継モデルとして期待されました。

 ところが、CX-5と比べ大柄なボディサイズや価格帯が高いこと、極初期モデルの熟成不足といった諸問題も含め、当初の期待通りのセールスまでは到達しませんでした。

 したがって、併売が続くCX-5が主力モデルという状況は、モデル末期の今も変わりありません。

まさかの売れ筋の「ディーゼル」不採用!? 新型「CX-5」のパワトレラインナップはどうなる!?
まさかの売れ筋の「ディーゼル」不採用!? 新型「CX-5」のパワトレラインナップはどうなる!?

 そんな状況のなか、2025年7月に欧州で3代目となる新型CX-5が初公開されました。

 基本的にはキープコンセプトと思われる仕上がりで、年次改良を続けてきたCX-5の純粋な後継モデルといえます。

 CX-60が、「縦置きエンジン+後輪駆動レイアウトの新プラットフォーム」「直列6気筒ディーゼル」「PHEV(プラグインハイブリッド)」など、数々の新開発テクノロジーを投入して一新したのとは、対照的な堅実な仕上がりとなっています。

 3代目の新型CX-5で新たに採用されたもので目を引くのが、タッチパネル式のモニター(センターディスプレイ)です。

 確かに海外向けのEV(電気自動車)ではタッチパネルの採用例もあったものの、マツダは日本を含めて世界的にタッチパネル操作へ「方向転換した」ということになります。

 他メーカーではタッチパネル操作も当たり前となっていますが、センターコンソール中央でブラインド操作(手元を見ない操作)ができるコマンダーは、音声操作と組み合わせることで不便さは感じません。

 革新技術がてんこ盛りだったCX-60でもコマンダースイッチが採用されていた点からも、マツダはこだわりをもってコマンダー操作を堅持すると予想されていたため、少し驚きの変化といえます。

 またインテリアに彩りを与える装備として、6色のアンビエントライトが採用されました。

 欧州の高級車でも定番となっている装備で、日本車でも採用が広がっていますが、より上級のCX-60/80シリーズでは単色の明るさ調整のみしか採用されていなかっただけに、ここも方針変更が感じられます。

 エクステリアでは、CX-60/80シリーズと同様に、ルーフに装着されていたシャークフィンアンテナが廃止されています。

 マツダで最初にシャークフィンアンテナが採用されたのが初代CX-5であっただけに、ここも大きな変化ポイントともいえます。

※ ※ ※

 先代モデルの良いところを継承しつつ正常進化した印象の3代目CX-5ですが、海外での先行発表では2.5リッターガソリンエンジン「e-SKYACTIV G 2.5」のみが発売されることになっています。

 なおマツダは2025年3月、新エンジン「スカイアクティブZ」とハイブリッドを組み合わせた新開発ユニットについて、2027年からCX-5を皮切りに展開することを明らかにしています。

 したがって今後、新型CX-5のエンジンラインナップも順次拡大されていくことになるようです。

 一方で、「ディーゼルエンジンはラージ商品群に搭載する直列6気筒に集約する方針」とも報じられており、スモール商品群の新型CX-5にクリーンディーゼルは搭載されないことが考えられます。

 ただ日本市場では、「ディーゼルだからマツダを選ぶ」という傾向があるのは間違いありません。例えばCX-60も8割以上がディーゼル車の販売となるなど、今もなお根強い支持を集めています。

 もし新型CX-5がディーゼル車を「廃止」してしまうと、その売れ行きに大きな影響を及ぼすことが危惧されます。

 トヨタは、新型CX-5発売とほぼ同時期の2025年末に、ライバル車「RAV4」をフルモデルチェンジします。

 世界でも随一の低燃費を誇るHEV(ハイブリッド)やPHEVもラインナップされることを考えると、RAV4にはないディーゼルエンジンを新型CX-5に採用することは、強い差別化ポイントになるでしょう。

 最近の世界状況を踏まえ、EVへ傾倒していた自動車メーカーの開発方針が、エンジン車やHEV車の見直しへ回帰しています。

 マツダも方向転換を図り、ディーゼルの新型CX-5が再登板することも期待できるかもしれませんね。

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