乗せすぎ! 「荷台に11人を乗せた軽トラ」横転事故、なにが? 運転手と青年団長を書類送検!団長「習慣になっていた」と話す! 元警察官が解説

今年4月、荷台に「だんじり」の青年団員ら男女11人を乗せた軽トラックが横転事故を起こし2人が重傷を負った事案について、大阪府警は軽トラックを運転していた少年と青年団の団長を書類送検したと発表しました。

ネット上では「そりゃ横転してもおかしくはない」「だんじりだから何しても許されると思う風潮辞めてほしい」などさまざまな声

 大阪府警は2025年8月19日、軽トラックの荷台に10代の男女11人を乗せて運転中に横転事故を起こし、荷台にいた2人にあごの骨折などの重傷を負わせたとして、軽トラックを運転していた18歳の少年を自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで書類送検しました。

 この事故は同年4月24日の午後9時45分頃、大阪府岸和田市阿間河滝町の路上において「だんじり」の青年団員13人が軽トラックに乗車中、運転手がハンドル操作を誤って横転したものです。

 軽トラックの荷台に多くの人が乗っていたことでも話題となりましたが、改めてどのような事案だったのでしょうか。

ネット上ではさまざまな声が寄せられている(画像はイメージ/フォトAC)
ネット上ではさまざまな声が寄せられている(画像はイメージ/フォトAC)

 事故当時は13人のうち2人が運転席と助手席にそれぞれ座り、残り11人が軽トラックの荷台に乗っている状況で、他の青年団員がソフトボールの練習をしているグラウンドに向かう途中の事故でした。

 軽トラックを運転していた少年は運転免許を持っており、事故の原因について「しっかりと減速せずに右折したため横転してしまった」などと話し、容疑を認めているということです。

 なお交通ルール上、車両の荷台に人を乗せることができるのは貨物を転落・盗難防止などのため見張る場合や、パレードといったイベントに際して事前に警察署長の許可を得た場合に限られます。

 仮にこれらに該当しないのに軽トラックの荷台に乗っていた場合は、運転手が「乗車積載方法違反」という交通違反に問われます。

 さらに8月21日には、青年団を指導・監督する立場にありながら上記のような違法行為を認めたとして、23歳の青年団長の男が道路交通法違反のほう助の疑いで書類送検されました。

 青年団長の男は警察の調べに対して「軽トラックの荷台に人を乗せて送迎するのは習慣となっていて、当たり前のように繰り返していた」などと話し、容疑を認めています。

 この事案に対してはインターネット上で「軽トラの荷台に11人てことは、単純に考えて1人60kgとして660kgになりますからね。そりゃあ横転してもおかしくはない」「運転手の少年と青年団長だけを書類送検するのではなく、荷台に乗っていた全員も同じ扱いをするべき」などの声が寄せられました。

 加えて、「祭りの時期になると荷台に人が乗っているのを見かけるが危険」「だんじりだから何しても許されると思う風潮辞めてほしい」「こういう行為が横行しているのだから祭りの運営者もきちんと指導すべきでは?」など、慣習となっている荷台乗車に関して苦言を呈する声も多く上がっています。

 このように軽トラックの荷台から人が転落する事故はたびたび発生しており、2023年8月には群馬県片品村の国道において、消防士の男性が運転する軽トラックの荷台から親戚の男性が転落し死亡する事故がありました。この事故時には、ほかにも複数人が乗っていたということです。

 また2024年1月には、沖縄県南城市の国道で軽トラックに複数人の男性を乗せて走行したとして、運転手の男が道路交通法違反(設備外乗車)の容疑で逮捕されています。

※ ※ ※

 祭りの時期やちょっとした送迎の際には、軽トラックの荷台に人を乗せて移動する人が散見されます。

 しかし、このような行為は特別な事情がない限り交通違反に該当するほか重大事故につながるおそれがあるため、絶対におこなってはいけません。

 とりわけ荷台乗車は「祭りの時期に多く見られる」との意見も寄せられており、今後は祭りの運営者による指導や警察の取り締まりの強化などが求められるといえるでしょう。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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