日産が新型「軽ハイトワゴン」先行お披露目! “軽自動車”初の「ボンネットの下が透けて見える」機能を搭載! まさかの「ドライバーファースト」な“超スゴイ”新型ルークス登場へ!
2025年8月22日、日産は、軽スーパーハイトワゴン新型「ルークス」の先行披露会を開催しました。全面刷新した新型ルークスとは、一体どのようなモデルなのでしょうか。
“軽自動車”初の「ボンネットの下が透けて見える」機能を搭載!
日産は、全面刷新した軽スーパーハイトワゴン新型「ルークス」の発売に先立ち、先行披露会を2025年8月22日に開催しました。
軽自動車市場に新たな価値を提案する1台となるであろう新型ルークスとは、一体どのようなモデルなのでしょうか。
自動車ライター・工藤貴宏氏が解説します。

この新型ルークスのマーケティングスタッフと話をしていて、もっとも驚いたこと。それは新型ルークスの商品コンセプトとして「まずはドライバーファースト」だということです。
もしもルークスがスポーツカーとかスポーツセダンであれば、「ドライバーファースト」としたクルマ作りも十分に理解できます。
だけどルークスはそうではなく、軽自動車のスーパーハイトワゴン。一般的にスーパーハイトワゴンは実用性や後席の居心地などを重視することが多いはず。
にもかかわらず“まずはドライバーズファースト”という意図はどんなところにあるのか。気になりますよね。
さらに話を聞くと、この「ドライバーファースト」には続きがあり、「このクルマは子供を後席に乗せてママが運転することも多いと思います。まずは運転に苦手意識があるママにもリラックスしてもらう。すると余裕ができて後席に座る人も快適になる」と言うではないですか。なるほど。たしかにその考えは理解できます。
では具体的に、新型ルークスはどう開発されたのか。
それを象徴するのは、運転をサポートしてくれる先進機能です。
今どきのクルマは軽自動車でもバックカメラが一般的ですが、ルークスは従来モデルにも車両後方だけでなく前方や左右を含めて車両全周囲(360度)をカメラ映像で確認できる「全方位モニター」を設定していました。
それを新型ルークスではさらにバージョンアップ。
まず超広角のフロントカメラ映像で左右広範囲が見渡せて、T字路など見通しの悪い場所での安全確認を助ける「フロントワイドビュー」が新採用されました。これは軽自動車として初めての採用です。
これまで真上からの俯瞰画像しか見られなかった全方位モニターは、それに加えて前後左右斜め8カ所のカメラアングルから任意に選んで、障害物との位置関係や距離が把握しやすい「3Dビュー」も搭載。
さらに、合成映像でボンネット下の地面が透けて見えるような「インビジブルフードビュー」も用意しました。
これは大型のオフロード車などに採用されることが多い機能ですが、低速で走る際に前輪付近の様子が確認できることで、駐車などもますます楽になります。これも軽自動車初採用です。
「運転中はいろんなところを気にしないといけないですよね。でもカメラを使って視界のサポートをすることで、運転しやすくなって気持ちの余裕もできる。それが乗っている人みんなの快適につながるのです。」(マーケティング担当者)
また、新型ルークスではフロントウインドウ脇のAピラーが前進するとともに細くなり、加えてその後方にある縦長の小窓が大きくなったことで、斜め前方視界も拡大。
交差点を曲がる際などに歩行者の確認もしやすくなって、運転時のストレス軽減を実現しています。
これもまたドライバーファーストであり、心の余裕へとつながるポイントです。
また、ファブリックを張ったダッシュボードや、柔らかいシート表皮による心地よいインテリアも、ドライバーをリラックスさせてくれます。
さらに新型ルークスのインテリアを見て感じたのは、カラーコーディネートにおける変化です。
先代の「ハイウェイスター」グレードはブラックでまとめていたのですが、新型のハイウェイスターはトーンこそ落としているものの真っ黒ではなくブラウンに近い色を採用しており、さらにオプションで明るいアイボリーも用意しています。
これはハイウェイスターとはいっても“スポーティ一辺倒”から脱却して、モダンリビングへとシフトしたことを示す大きな変化だと筆者は感じました。
「今どきの軽、特にハイトワゴンやスーパーハイトワゴンは、以前の軽自動車観と違って日常の足と割り切ったり安く買うクルマではなくなりました。そんななかで、新型ルークスは個性を出したい人に向けたクルマです」とマーケティング担当者は説明。
続けて「家族のためというよりは自分のために選ぶクルマとしてライバルと差別化した」と言います。
いずれにせよ、新型ルークスが今回のフルモデルチェンジで大きな“キャラ変”を遂げたのは間違いないでしょう。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。



































