恐怖! トヨタ「ランクル」の盗難事件が“急増”中! 犯行は「ゲームボーイ」が使われる!? その場で“キー複製”&「穴あけ接続」で「純正セキュリティ」は意味なし! どんな手口なのか
警察庁は2025年上半期の自動車盗難認知件数を発表しました。最新の自動車盗難は、一体どんな傾向があり、どのように注意すればいいのでしょうか。
やはり「ランクル」がダントツで多い傾向に
2025年7月31日、警察庁は2025年上半期(1月〜6月)の自動車盗難認知件数を発表しました。
発表によると2025年の上半期は、全国で3821件の自動車盗難が発生。前年同期の2958件に比べて863件もの増加となっており、増加率は29.2ポイントと、約3割も急増した、恐ろしい結果となっています。

この発表に先だって、7月中旬には警察庁生活安全企画課から、2025年上半期の自動車盗難車名別ランキングが発表されました。2024年上半期のデータと比べてみましょう。
●2025年上半期盗難車ワーストランキング(括弧内は昨年同時期)
・1位:「ランドクルーザー」 765台(590台)
・2位:「プリウス」 289台(287台)
・3位:「アルファード」 191台(303台)
・4位:「レクサスRX」 141台(80台)
・5位:「レクサスLX」 120台(112台)
・6位:「クラウン」 107台(44台)
・7位:「ハイエース」 97台(60台)
・8位:「レクサスLS」 55台(44台)
・9位:「ハリアー」 50台(17台)
・10位:「キャリイ」 43台(44台)
2024年上半期と比較してみると、トヨタ「ランドクルーザー(以下ランクル)」が大幅に増え(+175台)、「アルファード」が大幅に減っています(-112台)。
認知件数のランクルには、「ランドクルーザープラド(以下プラド)」も含まれています。プラドだけの盗難認知件数は公表されていませんが、SNSなどに投稿された盗難情報をまとめている「盗難情報掲示板(@theftInfo)」によると、上半期に投稿された211台のうちランクル系は90台。そのうちプラドが約72%(65台)です。
プラドの盗難がいかに多くなっているかがわかります。
ただし高級車の盗難ではあえて拡散したくない、というオーナーがいるのも事実です。
立場的に盗難されたことを明らかにしたくない、保険で支払われるからSNSで呼びかけて探そうとも思わない、というオーナーも少なからずいらっしゃいます。SNS投稿の数はあくまでも目安としての情報となります。
では、どのような手口で盗まれているのか気になるところですが、これは車種によって使われる窃盗デバイスが異なっています。
今、窃盗団で主流となっているデバイスは「新型CANインベーダー」と呼ばれるものです。
従来からの旧型CANインベーダーと2024年12月頃から出回り始めた新型CANインベーダーについて説明しておきます。
旧型CANインベーダーは、メディアの報道でよく出てくるもの。
従来の盗難手法「リレーアタック」に代わり、2018年〜2019年頃からランクルの「200系(先代)」やプラド(150系・最終世代)、レクサス「LX570」(先代)などをターゲットとした盗難で多用されてきました。
スマートキーが近くになくても、フロントバンパーをずらしてヘッドライトの裏やタイヤハウスの裏側にあるポイントから、車両ネットワークのCANバスに接続し、ドア解錠やエンジン始動を行い、そのまま自走で盗んで行く方法です。
CANインベーダーのデバイス自体は日本円で60~100万円前後です。
いっぽう、旧型CANインベーダー対象の防盗ツール「トヨタセキュリティシステム」を標準装備したランクル「300系(現行型の2022年11月以降のモデル)」や「ランクル250」、「アルファード/ヴェルファイア」の現行型(40系)に対する、新たな窃盗デバイスとして新型CANインベーダーが登場しました。
これにより、2024年12月頃から日本国内でこれらの現行型の被害報告が目立つようになってきました。
特徴は、助手席側ドアやリアゲートパネルの鉄板を小さく切り取って、外部からECU(エンジンコントロールユニット)にアクセスし、自走で盗んで行くというもの。
防盗効果の高い社外セキュリティを装備しているクルマが盗まれることはなく、未遂で発見されるケースもあります。








































