警察を突き飛ばし逃走図る… 41歳男逮捕「自転車で一時不停止」から傷害に発展! 来春から自転車の取締り強化へ
先日、兵庫県尼崎市の道路上において自転車で一時不停止の交通違反をした男が警察官から逃走を図り、警察官を転倒させケガを負わせたとして逮捕されました。では、一体どのような事案だったのでしょうか。
自転車で一時不停止、逃走して警察官にケガを負わせた男が逮捕!自転車の取り締まりは今度どう変わる?
兵庫県警は7月31日、自転車で一時停止をしなかった上、制止しようとした警察官を振り払い転倒させてケガを負わせたとして、兵庫県尼崎市に住む無職の男(41歳)を道路交通法違反(一時不停止)と公務執行妨害、傷害の疑いで逮捕しました。
では、一体どのような事案だったのでしょうか。

この事案は6月6日午前11時頃、兵庫県尼崎市内の交差点において自転車に乗った男が一時停止せず、交通取り締まり中だった男性警察官から停止を求められたものの、制止を振り払って逃走しようとしたものです。
転倒した警察官は左ひじの打撲など全治2週間のケガを負いました。
男は警察の調べに対し、「停止しなかったことは間違いないが、警察官を転倒させたことは知らない」などと、容疑を一部否認しています。
このニュースに関してインターネット上では「交通違反から大きな話になりましたね。警察官にケガを負わせたら罪は重いでしょう」「クルマでも自転車でも逃げるやつが多すぎる。責任が取れないやつは乗るなって話」など、さまざまな反響が寄せられました。
基本的に現在は、自転車の運転手が警察官の警告に従わず交通違反を続けたケースや他の車両・歩行者に具体的な危険を生じさせたケースなどに限って検挙しており、逮捕された男が逃走せず警察官の指示に従っていれば今回のような重大な事態には発展しなかった可能性もあります。
さらに「来春からは自転車の青切符制度が始まるけど、必ず逃げる人が出てくるから対策をしないと」「クルマやバイクと違って小回りが利くし、細い路地などにも入れるし、これから自転車の違反で逃げる人は多くなるだろうな」といった声も聞かれました。
実は来年4月1日からは、クルマやバイクと同様に自転車の交通違反に対しても「青切符」による取り締まりの制度が導入されます。
青切符の制度は、運転手が比較的軽微な交通違反をした際、一定期間内に反則金を納付すれば刑事罰に問われることなく違反が処理されるという仕組みです。
この青切符による取り締まりは、義務教育を修了し、基本的な自転車の交通ルールに関する最低限の知識を持っているとみなされる「16歳以上」の運転手が対象となります。また自転車には運転免許がないことから、青切符による取り締まりが導入されても違反点数は加算されません。
そして青切符の対象となるのは113個の交通違反で、一時不停止や信号無視、携帯電話の使用などクルマ・バイクでも違反に当たる行為と、自転車での並進、2人乗りといった自転車特有の違反行為があります。
なお自転車の交通違反の反則金に関しては今年6月に閣議決定されており、主な反則金額は以下のとおりです。
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○携帯電話を使用しながら自転車を運転する、いわゆる「ながら運転」は1万2000円
○信号無視は6000円(点滅信号を無視した場合は5000円)
○自転車で車道を逆走したり、歩道を通行したりする「通行区分違反」は6000円
○一時不停止の違反は5000円
○自転車の二人乗りや並進は3000円
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ただし、これらの交通違反をしたからといってすぐに検挙されるわけではありません。
警察庁は、歩道を猛スピードで走行して歩行者を立ち止まらせた場合や警察官の警告に従わず交通違反を続けた場合など、悪質かつ危険性の高い違反行為に限って取り締まりをおこなう方針を明らかにしています。
そのため交通ルールを守って安全に運転していれば、交通違反の取り締まりを過剰に恐れる必要はないといえるでしょう。
一方で、酒気帯び運転や酒酔い運転といった悪質性・危険性の高い行為はこれまでどおり、刑事罰の対象となる交通切符(赤切符)で検挙されます。
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警察庁の統計によると2024年中に自転車が関連する事故は6万7531件発生し、そのうち自転車側に一時不停止や信号無視など何らかの違反行為があったのは4万7746件(全体の7割以上)でした。
自転車の利用者一人一人が改めて交通ルールを確認し、安全運転の意識を持つことが大切といえるでしょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。























