マツダ新型「CX-5」まもなく登場!? サイズは“拡大”? ディーゼルエンジン廃止? 高額化? 広びろ後席実現? 9年ぶり全面刷新の新モデル「期待したい」と「気になる」ポイントとは
マツダが新型「CX-5」を2025年7月10日に世界初公開しました。日本導入もしっかり予定される同車ですが、「期待したい」と「気になる」ポイントを現行型の元オーナーでもある工藤 貴宏氏が解説します。
新型「CX-5」の「期待したい」&「気になる」ところ
いろいろ思うところはありますよ、なにせ元オーナーですからね。というのは、2025年7月10日に公開された3代目となるマツダ新型「CX-5」のことです。
何を隠そう筆者は、2年ほど前までの約5年間を2代目(現行型)CX-5のディーゼル車にと共に過ごした元CX-5ユーザー。現在はCX-60に乗り換えてしまいましたが、CX-5と長い年月を過ごしただけに思い入れは結構強いわけです。そんな筆者が、新型CX-5に対して感じた「期待したい」と「気になる」を素直にお伝えしましょう。

まずは期待から。それはなんと言っても後席と荷室の拡大でしょう。
次期CX-5の車体サイズは全長4690mm×全幅1860mm。それは現行型の全長4575mm×全幅1845mmに対して全長で115mm、全幅は15mmの拡大となっています。全長の115mmプラスって結構な拡大量ですよね。
そこで期待したいのが後席と荷室のサイズアップ。現行型でも“不足”というほどではなかったけれど、後席は「もう少し広ければなあ」と思わなくはなかったし、荷室も家族でキャンプへ出かけるときには「もう少し」を感じることもありました。
新型の紹介動画をみると、後席と荷室のスペース拡大を声高にアピールしているのでここは期待していいんじゃないでしょうか。
それからインフォテイメントシステムの進化も楽しみな部分。いま、多くの人はApple CarPlayやAndroid Autoで車両にスマホを繋いでいると思います。そしてマツダはインフォテイメントシステムの操作としてセンターコンソールに置いたコントローラーに頼ることにこだわっている(仕様によっては停車中のみタッチパネル操作ができる)わけですが、それがCarPlayやAndroid Autoとの相性が良くないというのが困るところ。
なぜならCarPlayやAndroid Autoはタッチ操作を前提にインターフェイスが作りこまれているからです。
公開されている写真を見る限り次期CX-5のインフォテイメントシステムはタッチ操作を前提としているようなので、スマホ連携時の操作性が向上していると期待したいところです。
ただ、個人的にはこれまでのコマンダーに加えてタッチ画面でもよかった気がするのですが、新型ではタッチ画面化しただけでなくコマンダーを廃止し、さらには「遠いほうがいい」と言っていた画面位置を乗員に近づけるなど、これまでのこだわりを一気に転換。それに関しては賛否を呼び起こすかもしれませんね。
そして期待大なのが、待望のハイブリッド車の設定。次期CX-5には“マツダ独自の新ハイブリッドシステム”が搭載されることが明言されています。デビューは2027年と少し先ですが、楽しみじゃないですか。
いっぽうで不安もあります。
まずはサイズに関して。車体サイズが大きくなるのはいい面もありますが、従来型に「ちょうどよさ」を感じていた人にとっては微妙なところ。もっとも影響を受けそうなのは機械式立体駐車場ユーザーで、従来型は一般的なパレットのサイズとなる“全幅1850mm以内”をクリアしていました。しかし新型は全幅1860mmとなるので、規格から外れてしまう。たかが15mmですが、されど15mmですね。
パワートレインも気になる部分があります。公表された欧州仕様のスペックをみると、エンジンは「e-SKYACTIV G 2.5(M ハイブリッド付)」「(欧州仕様で)設定されるエンジンは、2.5リッター直噴ガソリンエンジンの1種類」と書かれているだけでディーゼルが見当たりません。
ちなみにMハイブリッドシステムとはマイルドハイブリッドのことです。
いっぽうで日本においてCX-5といえば、やはりディーゼルというイメージですよね。国内では高い比率でディーゼルエンジンを積んでいます。
もちろん欧州ではディーゼルエンジンに逆風が吹いているので展開しないというのは理解できますが、「4気筒ディーゼルは廃止していく」というマツダの方針を鑑みるに次期CX-5は日本向けもディーゼルが設定されないと考えるのが適切かもしれません。
その隙間を補うためにハイブリッドが用意されるといえますが、「ディーゼルが欲しいからCX-5を選ぶ」と考えている人にとっては気になるところですね。
そしてもうひとつの懸念事項が価格。CX-5の人気の理由のひとつがコスパに優れること。ベーシックグレードだと281万500円から選べるCX-5の価格はライバルに比べてもお買い得感が強いものです。
しかし、昨今の流れでいえば新型になると価格アップは避けられないはず。どれだけ高くなるかは実際に発表されないとわかりませんが、もし引き上げ幅が大きかったら残念に感じてしまいますよね。
現行型CX-5が大人気となった理由はサイズも価格も「ちょうどいい」ことと、ライバルにはないディーゼルエンジンの設定にあることは間違いないでしょう。
そんな特徴であり長所を失ってしまう新型CX-5は、元オーナーとして期待したい気持ちが強い反面、少し心配だったりします。そんな心配が杞憂に終わることを祈るしかありません。
いずれにせよ、正式発表が楽しみなクルマであることは間違いありませんからね。
日本導入は、今年秋のジャパンモビリティショーで日本仕様を公開、その後発売という流れになると予想。そして2027年にハイブリッドを追加というロードマップが描かれています。













































































