アンダー200万円のトヨタ「小さな“高級セダン”」!? 全長4.6m級の「ちょうどイイサイズ」&豪華な「リアシート」採用! “ブラウン”本革×木目調内装もカッコいい「アリオン」どんなモデル?
“足のいいやつ”のキャッチコピーで知られるトヨタ「カリーナ」の後継車種として登場した「アリオン」。コンパクトな5ナンバーセダンですが室内は広く、見た目も内装も豪華です。今セダンを選ぶなら、こんな「小さな高級セダン」が理想的かもしれません。
今が狙い目! 5ナンバーサイズの「小さな高級セダン」に注目!
2001年に登場し、2007年にフルモデルチェンジを行ったトヨタ「アリオン」。「プレミオ」とは兄弟車関係にあり、基本設計は同じクルマです。
約四半世紀の時間をかけて培われた良質な5ナンバーセダンが、今あらためて注目を浴びています。

特に注目されているのは、室内長・室内幅が拡大した2代目アリオンです。
ボディサイズは5ナンバーセダンの枠に入る、全長4590mm×全幅1695mm×全高1475mmですが、ホイールベースが2700mmと長く、室内空間は見た目よりも広くなっています。
フロントグリルは、兄弟車のプレミオよりもやや控え目ながらも、スポーティさと上質さを兼ね備えた高級な雰囲気を放ちます。
室内長2055mm×室内幅1450mm×室内高1205mmは、このサイズのセダンとしては十二分な広さです。
内装はブラックを基調として、随所に金属調の加飾とモダンな木目調パネルを配置し、高級感があふれています。機能性と安らぎが追求された室内は、乗る人すべてがくつろげる開放的な空間です。
小さなセダンですが、特に後席の広さが一級品でした。
後席にはこのクラスでは珍しいリクライニング機構が備わり、レバー操作で7段階、最大14度の角度調整が可能となっています。
センターアームレストが備わり、膝周りの空間も大きいため、意外なほど後席は広く感じられました。
また前席ヘッドレストを外して倒すと、フルフラットシートが出現します。ゆったり足を伸ばしてくつろぐこともできる空間は、SUVやミニバンのようです。
さらにリアシートには、6:4分割可倒式ダブルフォールディングシートも備わります。後席のヘッドレストを外すことなくシートが前倒しになり、座面が前方へ引き起こされてトランクルームと繋がるフラットな荷室が登場するのです。
なかでも「A20」の最上級グレード「A20“LEATHERパッケージ”」(のちにA18とA20の各「G-plusパッケージ」のオプション設定に変更)には、パーフォレーション&ギャザー仕様の本革シートを用意。
2016年6月のマイナーチェンジではブラウン革が採用され、上質さも格段にアップしました。
アームレストのステッチも美しく、ここまでくると「小さな高級車」と呼んでも良いでしょう。

搭載されているエンジンは、中低速域トルクを十分に確保した1.5リッター「1NZ-FE」エンジンと、高出力と燃費を同時に追求するバルブマチックが採用された1.8リッター「2ZR-FAE」エンジンです。
追って2008年には、2リッター「3ZR-FAE」バルブマチックエンジン搭載車も追加されています。
また2019年12月のマイナーチェンジでトヨタセーフティセンスが全車標準化され、安全面でも大きく強化されました。
2021年に生産を終了した最終型の車両本体価格(消費税込み、以下同)は、198万8000円から272万5000円。ベースグレードは200万円を切り、最上級グレードでも300万円でお釣りが来ました。
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使いやすさと買い求めやすさが備わったアリオンは、今なお中古車市場で大注目の存在です。
2023年頃から、兄弟車プレミオの中古車市場が異様な高騰を見せました。
背景にあったのは、東南アジアやバングラデシュ・スリランカと言った地域での需要増。特にカラフルなボディカラーや1.5リッターエンジンのモデルが、軒並み新車価格を超える値段で取引されるようになったのです。
アリオンの中古車価格もプレミオに引っ張られるように上がりましたが、プレミオほどは高くならず、プレミオよりも2割ほど安い価格でした。
現在も「A15 Gパッケージ」では、新車価格を超える値付けが数台見られますが、1.8リッターモデルを中心に価格は落ち着いてきています。
また新興国には中古車の輸入に制限があり、生産から5年や7年が過ぎたクルマは、輸入できないケースも。
この年式を過ぎた中古車は、アリオンでも比較的安価です。
前述の通り、アリオンは2016年6月にマイナーチェンジが施され、後期型に移行しています。
中古車の年式としては2016年~2017年あたりを狙うと、満足のいく個体が見つかるはず。
ちなみに2025年8月上旬現在、大手中古車検索サイトで2代目アリオンの後期モデルを調べてみると、およそ130万円台から160万円台が主な価格帯となっていました。

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スポーティなフロントグリルに、抜群の質感を持ったアリオン。
よりスポーティな仕様の「Sパッケージ」や、エアロパーツにローダウンスプリングと言ったスポーツ系のディーラーオプションも豊富にそろっていて、若年層が乗るカッコいいセダンとしてもおススメです。
Writer: 赤羽馬
金融業・自動車ディーラー営業マンを経て、ライターとして独立。幼少期からの自動車カタログ収集癖あり。エンドユーザーに役立つ話や経済・金融とクルマに関する情報を発信中。

























