新車183万円! ダイハツ本気の「スポーツカー」がスゴイ! 超パワフルな「ターボ×専用エンジン」搭載! ド迫力ボディを“5速MT”で操る辛口モデル「ブーンX4」に大注目!
ダイハツのコンパクトカー「ブーン」には、突出して高い走行性能を誇るモデルが存在しました。一体どんなクルマだったのでしょうか。
新車183万円! ダイハツ本気の「4WDスポーツカー」がスゴイ!
ダイハツの「ブーン」は、2004年から2023年まで全3世代が販売されたハッチバックです。
コンパクトなボディに小気味よい走りを備えていたのが特徴でしたが、中には飛び切り走行性能を高めたグレードもラインアップされていました。
それこそが、初代ブーンに設定されていた「X4(クロスフォー)」です。

初代ブーンが登場したのは2004年6月。同年に販売終了となったコンパクトハッチバック「ストーリア」の後継モデルとしてデビューしました。
ボディサイズは全長3600mm×全幅1665mm×全高1535mmとコンパクトで、エンジンは1リッターエンジンと1.3リッターの2種類を設定。
駆動方式は前輪駆動(FF)と四輪駆動(4WD)の2タイプから選択が可能でした。
エクステリアは、飽きのこないシンプルなフォルムに装着された、やや釣り目っぽいヘッドライトが特徴的。
室内空間も十分に広く、走行性能もコンパクトハッチバックとしては十分と、全体的に「そつのない」一台に仕上がっていました。
2004年12月には外付けタコメーターを標準装備したスポーツグレード「カスタム」が追加されたことで、ブーンのスポーツイメージが高まります。
そしてその2年後の2006年に、走行性能を飛躍的に高めた一台が登場しました。
それがモータースポーツベースという、モータースポーツ参戦を目的とする車両として生み出されたグレードのX4でした。
X4のエンジンは排気量936ccで、最高出力133馬力/7200rpm・最大トルク13.5kgm/3600rpmを発揮します。
このエンジンはダイハツが誇る1.3リッターターボエンジン「K3-VET型」をカスタムしたもの。排気量が大きくダウンしていますが、これはX4がレース参戦を目的とするモデルゆえのことです。
JAF公認レースでは、ターボエンジンを搭載している車両は、「エンジン本来の排気量に1.7をかけた数字を排気量とする」というルールが設けられています。
そしてX4などコンパクトカーベースの車両が出場するのは、排気量1.6リッター未満のクラスが一般的ということもあり、排気量が1.6リッター未満、つまり「936cc×1.7=1591cc」となるようにエンジンがカスタムされていたのです。
この新作エンジンが生み出す力強いパワーに耐えられるよう、X4の車体各部には専用カスタムが施されていました。
まずはトランスミッションで、搭載される5速MTはチューニングされており、鋭い加速力を発揮。
駆動方式はビスカス式フルタイム4WDで、純正の機械式LSDをフロントに標準装備するなど、十分すぎるほどのチューニングが施されていました。
さらに冷却性能を高めるため、ボンネット中央には巨大なエアダクトを設置。「インタークーラーウォータースプレー」という、水を噴射することでインタークーラーの熱を下げる特殊な機能も採用されていました。
ちなみに、X4には「ベースグレード」と「ハイグレードパック」という2つのグレードが設定されていました。
ベースグレードは「レース参戦のみ」を目的とする超本格的なグレードのため、エアコンも存在せず簡素な装備に抑えられています。
一方で、ハイグレードパックはMOMO製の革巻きステアリングやエアコンにくわえ、キーレスエントリー機能も有するなど、日常での使用にも耐える装備となっていました。
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このブーンX4は、販売終了から10年以上経過している現在も人気が高く、ハイグレードパックとなると中古車市場でも100万円以上。
程度が良い個体なら、200万円以上のプライスが付いています。
その鋭い走りから「公道を走るラリーカー」とも称された同車の魅力は、今もなお色あせていないのです。
Writer: 大西トタン@dcp
(株)デジタル・コンテンツ・パブリッシング所属の編集者・ライター。幼少期に父親と一緒に灯油でエンジンのプラグを磨いたのをきっかけに車好きになる。学生時代はレーサーを目指しカートに挑むも挫折。現在は磨いた腕と知識を武器に自動車関係の記事をメインに執筆。趣味は週末に愛車フリードでのグルメ自販機巡り。





















