日産が誇る高級ミニバン「エルグランド」が、2025年度後半に新型となる4代目へフルモデルチェンジを果たすことが明らかとなりました。

　これは2010年の現行型登場以来、実に約15年ぶりで、すでにそのシルエットは2025年4月にティザーとして公開され、2026年度内の市販が予定されています。

　エルグランドは1997年に初代モデルが発売されました。

　当時、ミニバンの多くは商用車ベースの設計でしたが、エルグランドは初めて乗用車専用の高級ミニバンとして登場。

　力強いV型6気筒エンジンを搭載し、広い室内空間とメッキ加飾による豪華な外装で一躍注目を集め、プレミアムミニバン市場の先駆けとなりました。

　その後2002年に2代目へ移行。引き続きFRプラットフォームを採用し、よりスタイリッシュなデザインへと進化して一定数の支持を獲得しますが、好調だったエルグランドに突如としてライバルが出現します。

　それがトヨタ「アルファード」です。2代目エルグランドの発表とわずか1日違いという同時期に登場し、市場では苦戦を強いられました。

　アルファードは広い室内空間をもたらすFFプラットフォームと低排気量モデルを用意することで、コストと使い勝手の両立を実現し、圧倒的な支持を集めたのです。

　2008年には2代目へと進化し、より豪勢なスタイルを採用。強い顔つきの「ヴェルファイア」との双璧をなし、さらなる追い打ちをかけます。

　3代目となるエルグランドの現行型は2010年に登場。先代の反省を活かしてFFベースに変更され、エンジンは2.5リッター直列4気筒と3.5リッターV型6気筒を主軸としたラインナップに改められました。

　高級オーディオや遮音ガラスを採用するなど快適性も追求しましたが、「プレサージュ」など下位モデルと同様のプラットフォームを採用したことで、室内空間の拡張には及ばず、また独特な処理のデザインを用いたこともあって、ヒットとはなりませんでした。

　そして今、「キング・オブ・ミニバン」としての存在感はすっかり影をひそめ、小改良を施しつつも15年という長いモデルラインナップを送っています。

　アルファード／ヴェルファイアが再びモデルチェンジを経たなか、かつてのエルグランドの名誉はすでに薄れ、いよいよ古さを隠しきれなくなった2025年4月、日産はブランド戦略発表会「NISSAN START AGAIN 2025」で、新型エルグランドの一部デザインを公開。

　前後に横一文字のLEDデイライトを採用し、ライト周りにはウロコ状のパターンが施された先進的な意匠が特徴です。

　搭載されるパワートレインは、日産独自のハイブリッド「e-POWER」第3世代。1.5リッターエンジンとモーター、インバーターなどを一体化することで、軽量化と静粛性・燃費性能を向上。走行性能と環境性能を両立した仕上がりとなる見込みです。

　また、2025年5月には現行型の一部仕様について新規受注が停止されるなど、次期型への準備が着々と進んでいる兆候も見えます。

　新型発売を控えているエルグランドに対し、SNSを中心に多くの反響の声が寄せられています。

「久しぶりに日産に活気が戻ってきた」「日産が本気で復活を図っている」と歓迎する声が多数見られています。

　同車についてはユーザーからの注目も高く「ついに新型が出るのか！」「期待して待っていた」といった期待を示す反応が多く寄せられています。

　公開された横一文字ライトを含む外観では、「かっこいい」「未来的」「エルグランドらしさが残っている」と好意的なコメントが多く見られます 。

　特にリアのLEDテールライト一体型のデザインは、高評価を得ており、「存在感がある」「街で目立ちそう」と注目されています。

　さらに、一部ユーザーの間ではモデルチェンジの内容に期待が膨らんでいるようです。

「内装の豪華感やシートアレンジに関しては、まだ詳細が明らかでないからそこがどうなるのか気になる」「価格が上がらないといいけど…」と期待と共に不透明感も残されています。

　“アルファードへの挑戦”という位置付けと、第3世代e-POWERによる走りの進化に熱視線が集まっています。

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　今回の新型エルグランドの刷新は、単なる国内販売のテコ入れではありません。

　高級車市場ではセダンからミニバンへの需要シフトが進み、中国やアジア圏でもVIPを送迎する目的としてプレミアムミニバン人気が拡大中。

　日産は国内でのアルファード・ヴェルファイアからのシェア奪還を目指すと同時に、世界市場での台頭を狙っています。

　経営難が続き、主力工場の閉鎖報道など厳しい状況にある日産にとって、新型エルグランドは復活を懸けた“切り札”とも言える存在です。

　果たしてその完成度と訴求力が、王者アルファードを脅かす存在となれるのか。2025年後半の公式発表に、大きな期待が集まります。