クルマの窓ガラスに「撥水コーティング」なぜ必要? フロントガラスだけじゃダメだった!? “横のガラス”まで撥水すべき意外な理由とは?
雨天時の運転で視界確保は重要です。窓ガラスに「撥水コーティング」を施工すると視界をクリアに保てますが、フロントガラスだけ施工すれば十分なのでしょうか。それとも全部の窓に施工したほうがいいのでしょうか。
「撥水コーティング」フロントガラスだけじゃ不十分だった!?
近年は、ゲリラ豪雨など異常気象が発生しやすく、クルマで走行するときに雨天での視界確保は重要な課題です。
そんな雨対策で定番となっているのが「撥水コーティング」です。

カー用品店やネットではさまざまな撥水コーティング剤が販売されていますが、悩ましいのが、撥水加工(施工)をフロントガラスだけにすべきなのか、それともサイドやリアにも施工すべきなのかということ。
そこで効果的な「撥水コーティング」の使い方について現役整備士のT氏に聞いてみました。
「一般的に販売されている撥水コーティング剤には、素材で大別すると『シリコン系』と『フッ素系』がありますが、主流は施工がしやすいシリコン系です。
効果の持続期間が2~3か月程度と短い代わりに、施工もしやすいのでDIY向きと言えます。
また最近ではお手軽な『撥水ワイパー』もあります。これはワイパーゴム部分に撥水成分を含ませた製品で、使用するたびに撥水コートしてくれる便利なアイテムです」
ただし必ずしも万能ではなく撥水効果はワイパー作動部分のみで、ウォッシャー液を併用すると効果が薄れてしまうこともあります。
それでも一般的な撥水コーティングの施工が面倒な人には便利なアイテムと言えそうです。
またT氏いわく、フロントウィンドウだけでなく、前席のサイドウィンドウまで撥水コーティングしたほうが雨天時の視界は確保しやすいのだそうです。
「基本的に雨天時はサイドウィンドウが濡れたままの状態になりがちです。ドアミラーの視認性を向上させるためにも、弊社では撥水コーティングの依頼を受けたときはサイドウィンドウまで施工しています」
しかし、撥水コーティングにも弱点はあります。
それが撥水コーティングの塗り重ねによる表面の微妙な凸凹でワイパーゴムに抵抗が発生してビビり音が鳴ったり、表面に汚れを溜め込んでしまう可能性があること。
また濃霧や霧雨など非常に細かい雨のときうまく水玉にならず、視界の確保がしにくくなることも稀にあるそうです。
なお、撥水コーティングの有無に関わらず、定期的なワイパー交換こそがもっとも手軽かつ効果的な視界確保につながります。
ネット通販などで自車に適合するワイパー(ブレードも含む)が購入できますし、交換だって慣れれば5分足らずで完了するので、長い間使い続けているのであれば、一度交換しておくのが良さそうです。
※ ※ ※
撥水コーティングされたウィンドウでの注意点としては、走行後にあまり水滴を残しておかないことがあげられます。
水滴がコロコロと丸くなることでレンズのようになり、残留物が乾いて残る「イオンデポジット」や「ウォータースポット」のような汚れの原因となってしまいます。
そのため、晴れたら水分をある程度拭き取りするといいでしょう。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。


















