スバル「新型アウトバック」まもなく日本発表!? 欧米で相次いでデビュー! まったく異なる「“2つの”アウトバック」国内導入は「どっち」?
2025年4月、スバルのフラッグシップモデル「アウトバック」の新型が世界初公開となりました。従来型が国内で2025年3月に生産終了となったばかりのアウトバックですが、日本復活はあるのでしょうか。
北米と欧州でそれぞれ「別の」新型「アウトバック」が発表された!
スバルのフラッグシップモデル「アウトバック」が海外でフルモデルチェンジしました。
大きく進化した新型ですが、日本でも復活するのでしょうか。

2025年3月31日、国内で従来型の販売が終了となったアウトバック(レガシィ アウトバック)は、30年間にわたってフラッグシップモデルとしてスバルを支えてきました。
1994年に米国市場に投入された初代アウトバックは、フルタイム4WDのステーションワゴン「レガシィツーリングワゴン」をリフトアップし、ひとまわり大きなタイヤを組み合わせたパッケージングと、高い走破性能によって、北米市場で大ヒットしたモデルです。
スバルはこの初代アウトバックの成功によって、北米市場で高い信頼性を獲得することに成功。
北米市場を中心に販売台数を伸ばし、スバルをグローバルでの人気カーブランドに押し上げることに貢献しています。
日本でも1995年8月「レガシィグランドワゴン」として投入され、以降「レガシィランカスター」、そしてレガシィアウトバックと名を変えながら6世代に渡って販売を続けてきましたが、前述の通り販売を終えています。
そんなアウトバックですが、2025年4月のニューヨーク国際オートショーにおいて、7世代目にあたる新型(北米仕様車)が世界初公開となりました。
走行性能にさらに磨きがかかり、内外装デザインも刷新されたほか、荷室エリアの実用性が改善し最新のインフォテインメントも搭載されるなど、大幅に進化しています。
なかでも、スバル車ユーザーの嗜好やライフスタイルに合わせ、アドベンチャー要素を色濃く取り入れた新しいエクステリアデザインは大迫力で、大きくイメージを変えた部分です。
従来型よりさらに高めた車高や、前後のフェンダーへ装着したゴツゴツしたガード、前後バンパーやボディサイドへ多用した樹脂パーツなど、オフロード感が満載。高強度のラダー式ルーフレールが採用されるなど、デザインと機能の両立も図られています。
このボクシーで大迫力のスタイリングは、「冒険心をかきたてる」SUVとして、新世代のスバルフラッグシップに相応しいものではないでしょうか。
インテリアも、従来モデルの長所である機能性や運転席からの視界の良さはそのままに、自宅のリビングのような落ち着いた室内空間が演出されています。
運転席前の12.3インチのフル液晶メーターと、従来の縦型から横型へ変更された12.1インチセンターインフォメーションディスプレイは、視線を横に動かせば見えるように高さが揃えられました。
タッチパネルでの操作に移行するメーカーが多いなか、物理スイッチも多く残されており、揺れる車内でも確実に操作できるスイッチの「本質」をおさえているのはスバルらしいところです。
もちろん先進運転支援や先進安全装備も、アイサイトと広角単眼カメラに加えて、新たに前側方レーダーを採用し、センシング性能がさらにアップしています。
ドライバー異常時対応システムも搭載されており、ドライバーに何らかの異変が起きた際には、システムの判断でドライバーに注意・警告を実施したうえで、後続車や周囲の車両へドライバーの異常を知らせながら車線内に自動で停車してくれます。
ほかにもアクティブレーンチェンジアシスト、渋滞時発進アシスト、全車速ハンズオフアシストなど、新機能が多数採用しています。
パワートレインは、現時点では、2.5リッターの水平対向直噴自然吸気(NA)エンジンと、2.4リッター直噴ターボエンジンの2種類が北米向けとして発表されています。
今後は、新型フォレスターなどに搭載された2.5リッターストロングハイブリッドも登場することでしょう。
北米向けの新型アウトバックは、2026年以降に導入と発表されています。
現地では新型フォレスター、「クロストレック」、そしてアウトバックというスバルラインナップにおける人気モデルの「3本の矢」のひとつが欠けている状況だけに、2026年の早い時期、具体的には1~3月には登場すると予想されます。
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日本では、メーカー自ら「現行モデルを最後に生産終了する」と発表されたアウトバックだけに、7代目の国内導入は残念ながら望み薄といったところかもしれません。
そんななか、2025年7月18日にスバルの欧州法人は、新型BEV(バッテリーEV:電気自動車)「E-アウトバック」を発表し大いに注目を集めています。
これは、米国で新型「トレイルシーカー」の名で2025年4月に発表された“フラッグシップBEV”ですが、欧州では30年の歴史を持つスバルのクロスオーバーワゴンの名を冠したもの。こちらは国内導入の可能性もありそうです。
共同開発されたトヨタの兄弟車である「bZ4Xツーリング」(北米名「bZ Woodland」)は国内導入を明らかにしており、スバル版も2025年秋の「ジャパンモビリティショー」でお披露目されるかもしれません。
日本でも“アウトバック”の車名のほうがなじみ深いこともあり、国内仕様もE-アウトバックとなる可能性があるかもしれません。
車名を含め、登場が非常に楽しみです。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど





























































