新車100万円台! トヨタの「スゴい小さいクルマ」が魅力的! 高齢者もOKな全長2.5m「普通免許車」! エアコン&安全装備も十分! 手頃だった「C+pod」後継に期待

公共交通事業者の廃業が相次ぐ地方などで、日常での買い物や移動に最適なのが小型モビリティです。なかでも、過去にトヨタが販売していた「C+pod」は、必要にして十分な性能を確保していました。

安価で安全。かつ環境にも優しかった 今では販売終了

 地方では過疎化や高齢化が進み、バス路線の廃止やタクシー事業者の廃業が相次いでおり、日常での移動手段の確保が課題です。

 そうした状況で、かつてトヨタが販売していたモデルには、取り回しやすいサイズに最新の先進安全機能を備え、環境に優しく、なおかつ安価な価格で乗り出せる小型車がありました。

新たな移動手段として期待された「シーポッド」
新たな移動手段として期待された「シーポッド」

 そのクルマはトヨタ「C+pod(以下シーポッド)」。2020年12月に登場した小型2人乗り四輪EV(電気自動車)です。

 道路交通法では普通免許で運転できる「移動用小型車」に分類され、軽自動車と同じ黄色いナンバーが装着されます。ただし、最高速度は60km/h以下に制限され、高速道路の走行はできません。

 EVが持つ高い環境性能を、非常にコンパクトなボディに凝縮。最新の先進運転支援機能や普段使いにも便利な装備を多数採用しています。

 ボディサイズは全長2490mm×全幅1290mm×全高1550mm。狭隘な路地や、昔ながらの町並みが残る地域などでも何ら問題なく乗りこなせるサイズです。

 最小回転半径は3.9mと、これは2車線道路で1回切り返せばUターンできるもので、軽自動車でも狭い駐車スペースなどでも困りません。

 外観は軽量で安価な樹脂パネルを用いており、ブラックでまとめたキャビンや、大型のLEDヘッドランプ・テールランプなどを採用。普通車のようなデザインで、普段使いしても違和感のない仕上がりです。

 インテリアは大人2人が並んで座れる十分な空間を確保。コクピットは運転に必要なスイッチ類を集中配置して利便性を高めています。

 シート足元はバッテリーを配置しており、段差の少ないフラットな床を実現。乗降性にも配慮し、高齢者や足の不自由な人でも容易に乗りこなすことができます。

 非常にミニマムなデザインではあるものの、高効率クーラーや快適温熱シート(シートヒーター)を装備しており、日常の移動も快適にこなせます。

 ラゲッジルームは長さ335mm×幅619mm×高さ767mmを確保。ゴルフバッグなどの積載はできないですが、買い出しなどでは全く困らない容量です。

 パワートレインは最大出力12.5馬力・最大トルク56Nmを発揮するリアモーターに51Ahリチウムイオンバッテリーを組み合わせ、一充電走行距離(WLTCモード)は150kmを実現。

 たとえば隣町への買い物や通院、片道1〜2時間程度の移動などでは十分です。

 充電は200V普通充電の場合、5時間ほどで完了します。専用工事の不要な家庭用の100V電源にも対応し、出先などで困ることもありません。

 また、1500Wのコンセントや外部給電システムを備えており、災害時やアウトドアで外部電源として活用できるなど、使い勝手も良好です。

 安全装備ではプリクラッシュセーフティやパーキングサポートブレーキ、両席エアバッグやABS、ELR付きシートベルトを装備するなど、小さい車体ながら最新の機能を備え、高齢者にも安心です。

 当時の価格(消費税込)は166万5000円から173万1000円。国の施策によるCEV補助金や自治体独自での補助金を組み合わせると、実質的に100万円台前半で購入できる手軽さも魅力でした。

 最小限の移動手段としてはかなり充実した内容で、地方や山間部など移動手段に困る地域だけでなく、島々が連なるエリアや古い町並みが残る地域などでの観光客の移動手段としても期待されていました。

 そんなシーポッドでしたが、発売から3年ほど経過した2024年夏に生産を終了。現在のところ後継モデルは登場していません。

 しかし、地方での移動課題が深刻化することが予想され、再びシーポッドのような手頃なクルマの登場が必要になってくるでしょう。

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Writer: くるまのニュース編集部

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